世の中は必ずしも計算通りには行かないものだ。

例えば宝くじで1億円以上が当たる確率が1千万分の1とする。
また、殺人事件に巻き込まれる確率が30万分の1とした場合、宝くじで1億円を当てた人間が殺人事件に巻き込まれる確率はどうなるだろうか?
単純に掛け算して3兆分の1……ではない。
なぜなら高額当選者はより命を狙われる危険性が高まるため、一般人よりもむしろ殺害される確率は一気に跳ね上がる。
そもそも世の中の高額当選者の数は全人口に対してごくわずかなのだから。
次に、ある大富豪が亡くなり、その遺産の相続権を持つ人物が8人いたとする。
そして君はその中の1人だとしよう。
さて、君ならその内の何人を始末するかね?
勿論7人全員殺そうという者はいないだろう。
自分1人が完全に疑われてしまうからね。
とはいえ、6人だと返り討ちに遇いかねない。
残ったもう1人に、確実に自分が犯人だとバラしてしまうようなものだからね。
獲得金額とそれが0になるリスクのバランスを考えると、最大でも5人に止めるべきだろうね。
では、それらを踏まえてロシアンルーレットの確率について考えてみよう。
本来2人で勝負する所を6人で行ったとする。
弾が6発まで込められるリボルバー拳銃に、始めは1発、1回引き金が引かれるごとに1発ずつ増えていき、もし5人が生き残った場合は、6人目が必ず自らのこめかみを撃ち抜く事になる。

では、問題だ。君が1番目から6番目までを選んだ場合のそれぞれの死亡率を算出して欲しい。