二階堂黎人23
心理トリックってたとえばどういうの言うんだろう。
物理トリックの逆だとは想像つくけど。
容疑者Xみたいなやつ? 『ギガンテス』のトリックは感心した
(有名作のバリエーションだけど) 智天使ってあれ心理トリックかな?
優れているかどうかは別だけど。 「聖アウスラ修道院の惨劇」読了。
作者のやりたかったことはわかるし、結構成功していると思う。ただ、次々とさも驚愕の真相のように明かされても「それがどうした」としか思えないネタも多いなぁ…
シスター・フランチェスコ殺害時の謎はトリックというより無能ワトソン黎人の本領発揮という感じだし、その埋め合わせに終盤の見せ場?を自分の分身に作ってあげたのかな、ゲドさん。
修道院の秘密は、京極夏彦の某作みたいだな。そちらの方が発表は後だけど。トーマス・グロア司教を殺害後、首を切り落として桜の木に逆さ吊りにした理由も何となく(作中でも出てくる)犬神家の一族オマージュっぽい。
初期だからか、会話で相手の名前を連呼する悪癖がほとんど出ておらず、会話文も含めて読みやすいので、二階堂作品の中では結構お勧めしやすい部類かと。ゲドさん風に言うと、2倍のお勧め。 >初期だからか、会話で相手の名前を連呼する悪癖がほとんど出ておらず、
>会話文も含めて読みやすい
これ意外だな。最初からああいいう書き方してたのかと思ってた。
文章、下手になっていってるのか…… >>471
読みやすいのが逆に意外だったんだよね。いつもの人名連呼が少ない分なおさら。
アウスラで同じようにやったら「それはなんとかかんとかじゃないんですか、シスター・フランチェスコ」「マザー・プリシラ。事件当日、修道院内にいたのは〜」とさぞかしクドかっただろうなと思うw
次は名作と名高い「ロシア館の謎」所収のユリ迷宮を読んでみる。 「ユリ迷宮」読了。
「ロシア館の謎」
短編の中でもわりと短い部類だがやはり名作。城館消失はトリックというより一種の偶発的な出来事だけど、よく読んでいくと伏線は丁寧に書き込まれている。麻耶雄嵩の某作や名探偵コナンの映画3作目もそうだが、ミステリ界隈はニコライ皇帝一家生存説ネタが好きだな。
「密室のユリ」
被害者の生田百合美はどう見ても若竹七海を彷彿とさせるので若竹ファンとしては微妙。そういや俺ミス創刊号は予告時点では若竹も入っていたが、結局何も書かなかったな。密室トリックはいまいちを通り越して古典的すぎ、見破れない警視庁捜査一課の山本警部は無能と言うしかない(古典的なトリックの多用は読者へのくすぐりとゲドさんは加賀美を擁護していたが)。犯人の正体も意外性を狙ったんだろうが、容疑者が少ないので大した驚きはない。
「劇薬」
中編といっていい長さ。「推理小説の読者なら知っていて損はない」という能書きとともに長々とコントラクトブリッジのルールが説明されるが、読みづらくてよくわからなかった。「厚顔不遜」「すべからく一種の恐慌に陥った」と引っかかる表現も散見。被害者・長坂善蔵の妻・秀子とある容疑者との関係性は伏線が露骨すぎてすぐ気づく。毒殺もトリックというほどのものはなく、わりと凡作。 >>475
レポ乙です。
若竹七海って、ゲドさんが嫌いそうな作風だが「俺ミス」要員だったのか。
>「厚顔不遜」「すべからく一種の恐慌に陥った」
後者はもう市民権を得てるっぽいが、前者はさすがに小説家として恥ずかしい。
ていうか、編集か校正係…… >>476
ゲドさんが恒星日誌で本格ミステリーワールド創刊!とぶち上げた時に並んでいた名前と実際の執筆陣は結構差があったので、南雲堂が執筆依頼を出した面々をそのまま載せたんだろうなと思った。
後で千街がクリティカに「自分は参加した方がいいのか、参加しない方が評判が落ちないのか」と相談してきた作家もいたと書いていたけど、確かにX騒動の後だったから警戒するのもわからないではなかったな。
>>477
そうそう。後にX騒動を起こすとは知る由もなく、当時のゲドさんを正当に評価する論調で丁寧に解説しているね。 >>475
>ニコライ皇帝一家生存説
メール欄でもロシア(シベリア)ネタを入れていたので
複数シリーズのリンクを構想していたのかも?
>長々とコントラクトブリッジのルールが説明
クリスティ『ひらいたトランプ』を意識していたのかと・・・・・・ >>478
若竹七海って本格ミステリか? という気がするんだけど、
「俺ミス」予告で当初名前があったのなら、ゲドさん的には本格要素はあるって
判断なんだろうな。まあゲドさんの定義する「本格ミステリ」が何なのかよく分からんが。 >>480
ゲドさんの本格ミステリの定義は「俺が本格だと思ったら本格、俺が本格愛を感じたら本格」だから… 容疑者x論争の時、何か定義してたような気もするが忘れたw 何かのインタビューで本格ミステリはトリックが命で、
それを彩るのがプロットとか言ってたような。
トリックを「むき出しの裸の美女」に譬えていたことは覚えている。 それじゃあれか
ラビリンスとかああいうんは
老婆がやたらに厚着してるみたいなもんか あれゲドさんって「ロジック <トリック < プロット」で
プロットを一番重視してるんじゃなかったっけ? 「ロジックよりトリックより、プロットを」でググったら、
二階堂黎人関係の記事がたくさん出てきた。 連投。いろいろググったけど、やっぱり二階堂黎人はプロット重視派であり
トリック自体はあまり重視してないんじゃないのか。
実際、トリックだけ取り出したら凡庸では。
怪奇性や時代がかった古風なセリフまわしとかの雰囲気が特徴だし。 >>488
凡庸というか古典的なトリックを使いまくるのは読者に対するくすぐりだそうだからさ、ゲドさんの本格理論だと。 プロット重視って言うけど、ストーリーや構成で唸らされたことあるか?
雰囲気の演出はプロットと関係ないし ゲドさんのいう「プロット」には、その雰囲気も含んでるような気がするなあ。
乱歩(?)の「冒頭の怪奇性」「中盤のサスペンス」「ラスト意外性」、
トリックそのもの・ロジック以外のここら辺の各要素を「プロット」だと思ってるのでは。 「トリックよりロジック」というフレーズに対抗して
「プロット」を強調する論陣を張っただけで、深い意味は無かったと思う >書肆盛林堂を長距離センサーで探索。
>エドモンド・ハミルトンの『暗殺者の谷』を発見。
>トランスワープ・チューブを形成後、緊急転送収容。
ゲドさんって60こえてもこんな感じなんだね
とことん幼稚なのか
それともウケると思ってわざとやってるのか ゲドババァ物で「電子頭脳(コンピュータ)」とやるのもSFマニアへのくすぐりだったのかな。 >>495
SFファンではなくてスタートレックファンに対してだよ いやそもそも
SFファンやスタトレファンは
ゲドさんを知っているのか ストーリーが時間順に配置された出来事であるのに対して、
プロットは作者によって因果関係に基づき再配置された出来事、
ということになる。
推理小説であれば、まず誰が殺されて、容疑者は誰で、
次に2番目の殺人があって、と連続していくのがストーリー、
探偵による謎解き、種明かしの部分はプロットということになる。
読者は常にストーリーの流れをたどりつつ、
作者の仕組んだプロットを読み取ろうとしている。 しかし、ゲドさん、って呼び方すごいしっくりくるな、いまさらだけど。
昔はハゲトとか酷い言われ方していたのに比べて、ファンが親しみを込めて?呼んでいる感じがして良い。
いつから誰が呼び始めたのかわからないが、語呂の良さもあってすっかり定着した感がある。 >>500
全然違うと思う
プロットは小説の骨子になる部分のことなんだから
殺人がいつ起きるとかの構成もプロットで、それをなぞって物語ることがストーリーでしょ いずれにしてもゲドさんは雰囲気で「プロット」という単語使ってると思う・・ 苦笑
根拠もなくふわっとしたこと言ってるのはお前だろ
さすがにこんな馬鹿な言いがかりつけられるのは気の毒だわ 鮎川賞佳作のゲドさんがそれ以来東京創元社と仕事してないのはなぜ? ゲド先生、講談社からデビューだったんだよな(鮎川賞佳作入選の『吸血の家』は立風書房から刊行)
創元とはカー生誕百周年記念アンソロで仕事してるゾ >>506
あ、『吸血の家』は東京創元社じゃなかったのか。
それにしても本格のゲドさんがアンソロの仕事だけとは。
まあ、初期新本格世代だと、東京創元社のお得意様は有栖川有栖くらいか。 ゲドさん唯一の創元での仕事、カーアンソロジーに寄稿していた「亡霊館の殺人」もゲドさん個人の単行本としては南雲堂で再録になったな。
にしても、シリーズ探偵ものって結構特定の版元で出し続けると思っていたけど、ゲドさんは同じシリーズでも色んな版元で出しているな。
〜マジックは諏訪湖と軽井沢が徳間、猪苗代が文春、鬼蟻村は原書房(文庫は文春)、東尋坊は実業之日本社と結構バラバラ。 >>512
売れ線のシリーズだと出版社のほうが「○○探偵のシリーズの続刊はウチで」、
とか囲い込むような気もするが、サトルはそこまでじゃないんだろうな。
注文があると、ゲドさんが便利使いして引っ張り出す探偵なんだろう。 次はわりと佳作と評判のカーの復讐でも読んでみるかな。