大阪府は11日、内部の不正などを告発する制度を使ってメールで通報した府職員の氏名が、
誤って通報内容に関連する部署に漏えいしたと発表した。
府は通報者に謝罪し、関係者の処分を検討する。

 府によると、8月21日、府コンプライアンス委員を務める弁護士が、
通報者の府職員から、府の事業で法令違反の恐れを指摘する
内容のメールを受信。弁護士は通報制度の窓口の府法務課に
メールを転送。法務課は、事実確認のためメールを
関連の部署に転送した。
メールを受信した関連部署の職員が22日、
メールに添付されたファイルに通報者の氏名や所属が
記載されていることに気づき、法務課に報告した。

 弁護士は転送の際、メール本文に書かれていた氏名などが
見えないようにした上で本文だけを送信したつもりだった。
だが、実際には添付ファイルも同時に送信され、
受け取った法務課は十分に内容の確認を行わないまま転送していた。

 府は今後、メールを印字して個人情報を黒塗りした上で
ファイル化するなどの対応を弁護士に要請し、
法務課も複数の職員で確認するよう手順書を改めるとしている。