「『僕は君を』と言いかけた時 街の灯が消えました」

静かな曲に静かな歌詞。
派手なメロディや余計な言葉は要らない。
実際「Ah...」で旋律をかなり余した。
思いめぐらしていて言葉が出て来ない場面を象徴するかのよう。

「僕は君を」の時点で、ふと辺りの静けさに気づいた時、
普通なら帰るだろう条件が増えていくが、帰らない。
2番へと移るわずかの字間に街は深く眠る、一夜のお話。
言葉があまり必要無い様なある意味順当なプロポーズの、夜だろう。
世間の日常が目を覚まさせられる頃、2人の結束はより強くなる。
一夜の短さとは対照的な長い道は、
タイトルでもある繰り返しから伝わる。
二人を残して行った方がいい。
世界中が、明けない夜になってしまう。

聴けば芯からあたたかくなるこの唄。
単純な曲なので簡単に唄えるし、唄えばもっとあたたかくなる。
陽水に名曲は多いが、なかでもかなり好きなのだ。

「東京上空いらっしゃいませ」というそのつるべの出ていた映画で、
結婚式の2次会のシーンで、ジャズアレンジで演奏されるのです。
中井喜一がトロンボーン吹きだからね。
この唄がながれる、こんな2次会がいいなと。