>>389

黄金の沈みゆく時

水平線に太陽が溶け込み、金色に輝く時間。
遥か彼方にぼんやりと輪郭を描くアフリカの海岸線。
そこへ、一隻の貨物船がゆっくりと姿を現す。

錆びついた鉄でできた船体には、
長い旅の証である傷や塗装の剥げ跡が刻まれている。
それでもなお、貨物船は堂々と波を割り、海の息吹を全身で感じながら進む。

積み込まれたのは、アフリカの大地が育んだ宝物たち。
カカオの豊かな香り、コーヒー豆の深い色、
織りなす布の柄一つ一つに込められた、暮らしの物語。

港に集まる人々は、それぞれの思いを胸に貨物を下ろす。
汗ばんだ顔には、疲れよりも達成感が浮かぶ。
この船が運ぶのは、ただの商品ではない。
遠く離れた地で、人々の生活を豊かにする希望とつながりだ。

夜が訪れ、星々が瞬く頃には、船は再び出航の準備を始める。
次の港へと向かうために。
アフリカの貨物船は、海を渡る架け橋。
異国の地と結ぶ、絆の象徴として。

夜風が船の帆を優しく撫でる。
船は、静かに、しかし確実に前へと進む。
海は語りかけ、船は応える。
無限の物語を運びながら。