>>431

小田急の1000形ワイドドア車は、>>416でも書かれているように、90年代の朝ラッシュ時の
混雑が激しく、高架複々線化工事も大幅に遅れていてピーク時の輸送力を増強できない
ため、1列車での輸送人員を増やす目的で91年に投入された。京王6000系20番台が5ドア
車を投入したのに対して、小田急は整列乗車の観点から4ドアのままとして、ドアの幅を
2メートルとして、車内の座席を減らして収納式として乗車人員を増やすことを試行した。

結果は、収容力は向上したものの、ドア幅が拡大したことにより駆け込み乗車を助長させて
しまい列車の遅延の発生を増やしてしまったこと、小田急では乗客の平均乗車距離が長く、
座席の減少で着席の機会が減ったことから乗客の評判も悪くて期待したほどの効果が無く
、収納式の座席は営業運転では一度も収納して使用されることは無かった。このため98年
に東急車輛にてドアの幅を2メートルから 1.6メートルに狭めて、車内の座席の定員を増やす
(収納式→通常の座席にも改造)改造工事を施工した。

その後、2004年に3000形増備に伴う旧4000形・9000形等の置き換えに関連して、8両編成
の2000形・3000形を優先して新宿口の各駅停車に使用して、8000形や1000形の4両+4両
編成の運用を置き換えて、4両編成を急行運用などに転用するのと併せて、加速度が低い
1000形のワイドドア車も新宿口の各駅停車の運用から外すことにしたため、東急車輛にて
4両編成6本を6両編成4本に改造されて、急行や江ノ島線などの運用に転用された。
(RP誌の2005年10月臨時増刊号「特集 鉄道車両年鑑2005年版」に記述あり)