静岡県の富士養鱒場では、昭和時代、ニッコウイワナを養殖して大井川源流域への放流を指導していたんだ
その結果、大井川源流域ではヤマトイワナとニッコウイワナとの交雑が進んだ
いまさらヤマトイワナを守れと言われても、交雑の進んだイワナは元には戻らない

大井川源流域のヤマトイワナの保護・増殖
https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/3010019831
<成果の内容・特徴>
大井川源流域に生息するヤマトイワナをニッコウイワナとの交雑から守り、純粋なヤマトイワナの増殖を図る。
大井川源流部では4支流のうち、1支流では採捕された魚は全てヤマト型であったが、3支流ではヤマト型のほかヤマト型とニッコウ型の中間的な特徴を示す個体も採捕された。この交雑状況はアイソザイム分析によっても証明された。
採補したヤマトイワナを富士養鱒場で親魚まで養成し、継代を重ねることによって、多くのヤマトイワナ稚魚を得た。

<成果の活用面・留意点>
得られたヤマトイワナ稚魚を生息域に放流し、その資源増大を図ると共に、ニッコウイワナからヤマトイワナへの養殖魚種の転換により両者の交雑を防ぐことができる。

研究期間:1997〜2001
研究担当者:吉川昌之、後藤裕康、植松久男、青島秀治、渡辺清、野田浩之
発表論文:後藤(1998),水産育種,26:41-47