オフピークは10%off、通常の定期券は値上げ

 JR東日本の深澤祐二社長は6日の記者会見で、2023年3月より首都圏の通勤定期券を対象に、混雑する時間帯を避けて乗車する「オフピーク定期券」を導入すると言及した。

 この「オフピーク定期券」は、混雑する時間帯は使用できないいっぽうで、通常の定期券よりも10%offと料金を設定し、ラッシュ時以外の乗車を促進させる仕組みとしている。
 いっぽう、通常の定期券は「鉄道駅バリアフリー料金制度」の導入もあって値上げし、さらに1%から2%上乗せするという。
 JR東日本はこれまで、オフピークに鉄道を利用した人には「JRE POINT」を加算したり、テレワークでたまに出社する人のためにこのポイントを利用回数に応じて加算したりするなどを試みてきたが、ついにオフピーク利用専用の定期券を出すことになり、いっぽうで通常の定期券を値上げすることにした。

 JR東日本には、通勤時の需要が減少する中で列車本数を減らし、そのぶんの運行経費をかけたくないという考え方がある。さらにピーク時を外して乗車してもらうようにすると、ラッシュも緩和される。
 時間制限付き定期券については、経済の価格メカニズムの議論ではよく出てくるものの、実際に適用された例はない。一種の「机上の空論」ともいえる。価格を安くすれば時間帯の違う列車に乗るはずだという考え方は、一般の働く人の行動を考えると無理がある。せめてポイント付与だけで十分だったのではないだろうか。

https://news.yahoo.co.jp/byline/kobayashitakuya/20220916-00315123