日銀は出口戦略に追い込まれている 日刊ゲンダイDIGITAL

日銀は、すでにGDPに匹敵するほどの国債を買い入れてきた。ここからの転換は容易ではない。
アベノミクスは赤字国債の大量買い上げで円安誘導し、輸出企業を儲けさせてきただけだ。
そのツケは当然、将来世代に押し付けられる。
ここへきて、安倍首相の総裁3選が絶望的になり、首相が代われば金融政策も変わって、
異次元緩和という麻薬に侵されてきた金融・経済の歪みが是正されるという楽観論もあるが、そう簡単な話ではない。
「誰が次の首相になっても、アベノミクスでめちゃくちゃにされた金融と経済を立て直すのは至難の業でしょう。
どこまで軟着陸させられるか。5年間もこんなむちゃを続けてきたのだから、
正常化するのに10年以上はかかると考えておいた方がいいし、完全には戻らないかもしれない。
金融カルトのせいで、『失われた20年』が『失われた40年』になってしまうのです。
平成がほとんど失われる。こんな罪深いことはありません。
日本経済に再生の道があるとしたら、次のトップリーダーは無責任に経済成長の幻想を振りまくのではなく、
人口減や超高齢化社会に適した富の分配をすることと、グローバリズムや新自由主義と決別し、
アジアを重視した共生社会を目指すことでしょう」(菊池英博氏)