中小も業況回復、26年ぶり高水準 9月日銀短観
人手不足深刻さ増す

 中小企業も景況感の改善が続いている。日銀が2日発表した9月の全国企業短期経済観測調査(短観)では、中小企業全産業の業況判断指数(DI)はプラス9と6月の前回調査より2ポイント改善。
1991年11月調査以来、約26年ぶりの高水準となった。海外景気や個人消費の回復が中小企業にまで及び、景気回復のすそ野が広がってきた。

 今回の調査で、中小企業でも製造業での業況回復が目立った。自動車はプラス30と6月より11ポイント回復。電気機械や生産用機械も大きく改善した。
輸出が伸びる中で9月には円安も進んだ。大企業の生産が活発化する中で、地方も含め中小の下請け企業にも回復の波が及んでいる。

 非製造業もプラス8と1ポイント改善した。消費増税前の駆け込み需要があった2014年3月調査と同じ水準だ。都市部の再開発で建設需要が高まっている。
小売りや対個人サービスも回復傾向が続く。訪日外国人観光客の増加に加え、最近は日本人の消費も増えている。

 リーマン・ショック前の景気拡大局面では大企業と中小企業の景況感の格差が大きかった。個人消費の回復が鈍く、地方まで景気回復が広がりにくく、中小企業全産業の業況DIは06〜07年のピークが0にとどまっていた。
今回のプラス9はその水準を大きく上回っている。景気回復期間は9月で58カ月と歴史的な長さになり、恩恵が広がってきている。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO21769010S7A001C1EAF000/