今上陛下の御言葉

先の戦争では三百万を超す多くの人が亡くなりました。その人々の死を
無にすることがないよう、常により良い日本をつくる努力を続けること
が、残された私どもに課された義務であり、後に来る時代への責任であ
ると思います。そして、これからの日本のつつがない発展を求めていく
ときに、日本が世界の中で安定した平和で健全な国として、近隣諸国は
もとより、できるだけ多くの世界の国々と共に支え合って歩んでいける
よう、切に願っています。」
 
最も印象に残っているのは先の戦争のことです。私が学齢に達した時に
は中国との戦争が始まっており、その翌年の十二月八日から、中国のほ
かに新たに米国、英国、オランダとの戦争が始まりました。終戦を迎え
たのは小学校の最後の年でした。この戦争による日本人の犠牲者は約三
百十万人と言われています。前途に様々な夢を持って生きていた多くの
人々が、若くして命を失ったことを思うと、本当に痛ましい限りです。
「戦後、連合国軍の占領下にあった日本は、平和と民主主義を、守るべ
き大切なものとして、日本国憲法を作り、様々な改革を行って、今日の
日本を築きました。戦争で荒廃した国土を立て直し、かつ、改善してい
くために当時の我が国の人々の払った努力に対し、深い感謝の気持ちを
抱いています。また、当時の知日派の米国人の協力も忘れてはならない
ことと思います。」
(天皇陛下記者会見平成二十六年記事引用)