「憲法を素直に読めば自衛隊は違憲だ」式の論壇の議論も、憲法の素直な解釈をしているわけでなく、
意識的・無意識的な絶対平和主義の道徳へのコミットメントや、単に日本国憲法の悪口を言いたいという
気持ちから導かれた議論なのではないか。

というわけで、自衛隊の合憲性を明確にするために、憲法9条を改正する必要はないだろう。

もちろん、集団的自衛権や国連軍・多国籍軍参加を解禁するためには、憲法改正が必要だが、
先ほど指摘したように、そうした改憲には反対の声が国民の間には強い。政党の側もそれを
十分に理解しているのだろう。
今回の選挙の各党の選挙公約にも、そうした改憲に積極的な記述はほとんどない。