■まとめ1:「大日本帝国憲法に矛盾するもの」の扱いについて
大日本帝国憲法には、「この憲法に矛盾しない法令はすべて遵由の効力を有する」と書いてある。
が、「矛盾するもの」の扱いに関する規定はまったくない。「矛盾しないもの“だけ”が」という表現にもなっていない。

そして、「無効」の定義は以下のようなものであるらしい。

>「無效」とは、一旦は外形的(外觀的)に成立した(認識し得た)立法行爲が、
>その效力要件(有效要件)を缺くために、當初に意圖された法的效果が發生しないことに確定することを言う。

「矛盾するもの」の扱いに関する規定はまったくなく、「矛盾しないもの“だけ”が」という表現にもなっていないということは、
「この憲法に矛盾しないこと」が「有効要件」の1つであるとは謳っていないということである。
つまり、「この憲法矛盾しているもの=有効要件を欠くもの」とする法的根拠がないということである。

大日本帝国憲法が「最高法規」であるならば根拠になるが、大日本帝国憲法は最高法規だとは謳っていない。
ということは、「この憲法に矛盾している」は「無効だ」の法的根拠にはならないということである。