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ハインライン、クラーク、アシモフ SF御三家 Part8

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0001名無しは無慈悲な夜の女王
垢版 |
2020/04/20(月) 16:15:48.10ID:gTv/Qzse
ロバート・A・ハインライン、アーサー・C・クラーク、アイザック・アシモフについて語りましょう。
ハインラインのスレPart5に、クラークとアシモフを同居させSF御三家のスレに拡大しました。

前スレ ハインライン、クラーク、アシモフ SF御三家 Part6
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/sf/1529964823/

ハインライン、クラーク、アシモフ SF御三家 Part7
http://mevius.5ch.net/test/read.cgi/sf/1558926841/
0713名無しは無慈悲な夜の女王
垢版 |
2022/06/08(水) 21:34:18.60ID:NPc5eJx5
『宇宙の戦士』 の場合、旧訳は米海兵隊兵士のようなワイルドな感じが良く出ていた。

  さあこい、モンキー野郎ども!
  人間一度は死ぬもんだ。

  おれはいつだって降下の前になると、あの震えがやってくる。もちろん注射も
  予防催眠も受けてはいるが、そうかといって本当におれが恐怖をおぼえなくて
  すむというわけではない。艦に乗っている精神科医は、おれが眠っているあいだに
  脳波をしらべ、馬鹿げた質問をし、そのあとで、それは恐怖でもなんでもない、
  ただ、はやりたった競馬馬が出走の前に震えているみたいなもんだと言う。

一方、新訳の方は,、ガンダムのアムロをイメージしたような文体になっているなぁ。

  どうした、エイプども! そんなに命が惜しいのか?

  降下のまえにはいつも震えがくる。もちろん注射は打ったし、催眠処置も受けたん
  だから、恐怖なんか感じるはずがないというのはもっともな話だ。艦の精神科医は、
  ぼくが眠っていたあいだに脳波を調べてあれこれバカげた質問をしたあげく、
  それは恐怖ではない、別にたいしたことではないと言っている―― 要は、やる気
  満々の競走馬が出走ゲートでうずうずしているようなものだと。

旧訳になれた人間からすると、「モンキー野郎」 を 「エイプ」、「おれ」 を 「ぼく」 に変更された点が、いちばん大きな違和感の原因となっている。
ちなみに、原文は次のとおり。

  Come on, you apes! You wanta live forever?

  I always get the shakes before a drop. I've had the injections, of course, and hypnotic
  preparation, and it stands to reason that I can't really be afraid. The ship's psychiatrist
  has checked my brain waves and asked me silly questions while I was asleep and he tells
  me that it isn't fear, it isn't anything important--it's just like the trembling of an eager
  race horse in the starting gate.
0714名無しは無慈悲な夜の女王
垢版 |
2022/06/08(水) 21:51:17.71ID:xaegvIay
>>713
でも、この主人公ちっともワイルドじゃないんだよな
育ちのいい坊ちゃんで、最後まで親離れができないし・・・
0715名無しは無慈悲な夜の女王
垢版 |
2022/06/08(水) 22:10:47.90ID:br6QRYK8
『宇宙の戦士』 新訳と旧訳の比較のつづき。

以下の文は、出撃前の兵士たちに向かいジェリー軍曹が訓示を垂れるシーン。
ここでは気合いを入れるため、軍曹が兵士たちをモンキー野郎(エイプ)呼ばわりしている。

旧訳の特徴は、そのまま映画の脚本にも使えそうな、セリフの勢いとリズム。

  「なんというモンキー野郎どもばかりだ! きさまらがみなこの降下であの世行きに
   でもなれば、はじめっからやり直しで、少尉どのが欲しがっておられたようなまともな
   兵隊がそろうかもしれん。だがだめだろう……ちかごろ入ってくるようなやつではな」
   かれはとつぜん胸をはるとわめきだした。
  「よくおぼえておくんだぞ、このモンキー野郎ども。きさまたちひとりひとりに、政府は
   五十万ドル以上もの金をかけているんだ……兵器、被服、弾薬、装備、訓練、それに
   きさまたちが腹いっぱい食いやがるぶんまで含めるとな。そこへ、きさまたち正味の
   値打ち三十セントを加えると、こいつは相当な金額だ」
   ジェリーはおれたちをにらみつけた。

新訳の特徴は、より原文に忠実な代わりに、セリフの言いまわしが少々翻訳くさい。

  「どうしようもない類人猿(エイプ)の群れだ!」うなるような声だった。「おまえたちが今回の
   降下でそろって戦死すれば、いちからやり直して、少尉どのが期待していたような部隊を
   つくりあげることができるかもしれん。まあ、むずかしいだろうな――最近の新兵どもの様子
   を見ると」 彼はふいに背筋を伸ばし、声を張り上げた。
  「忘れるんじゃないぞ、エイプども、政府はおまえたちひとりひとりに金をかけているんだ。
   武器、スーツ、弾薬、機材、訓練、それとおまえたちが食い過ぎる食料、ぜんぶひっくるめる
   と五十万ドル以上になる。そこへおまえたちの本来の価値である三十セントを加えると、
   たいへんな金額になるわけだ」 じろりとぼくたちをにらみつける。

私自身は、(小説家としても評価している)矢野徹さんの翻訳の方が好み。
しかし結論としては、両者どちらの訳で読むのかは、各人が自分の好みで決めればいいと思う。
もちろん、翻訳を介さず原書で読むというのもアリ。
0716名無しは無慈悲な夜の女王
垢版 |
2022/06/09(木) 14:12:23.15ID:NnMEzvN5
軍隊で毛虫のイガイガを数えることは無いだろ
まあ、キャタピラのケバを数えることも無いだろうけどさ
0717名無しは無慈悲な夜の女王
垢版 |
2022/06/09(木) 14:48:08.81ID:SGHrttkT
主人公がフィリピン系って分かって読むとモンキー野郎どもってのに人種差別的な意味合いが含まれているんだろうかなんて深読みしてしまって、いくら語呂は良くても原著に忠実なのは新訳のエイプの方。

当時のペーパーバックはとにかく原稿もらって出版して読者に届けるってのが最優先の自転車操業で満足な校正作業もなされなかったってのは新訳の「リトル・シスター」の解説で知った。

以前のスレで「月は無慈悲な夜の女王」で疑問に思った点を質したけど、深く考えるな、気にしたら負けみたいな回答をもらった。今の時代からするとテープに上書きして昔の大河ドラマが残ってないってなんてもったいないって思うけど、こうしたエンターテインメントもかつては使い捨て消費される贅沢な(?)時代だったんだなんてことを思うとそれも仕方ないかなんて気もする。
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