社会の変化によって過去の作品が批判されるというのは普通のことだし、それを口封じすることはできない
そういう意味では、小説の評価というのは時代によっても様々に変化してくるもの、と言うしかない

時代を超えて長く読み継がれる小説には、古い価値観や常識に囚われないものも多いし、また作品自体に
魅力や底力があれば、いくら批判を受けても社会の変化を乗り越えることができる

南極基地で人類の子孫を残すという発想には、当時の流行みたいなものに流されたような違和感を覚えた
映画「地球最後の日」、手塚治虫「火の鳥」など、破滅を逃れ子孫を未来に託すという展開は、一種当時の
流行みたいなところがあったように思う

いずれにしても、小説を読む楽しさには、そうしたもろもろを考えたり想像したりすることも含まれている