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平成最終正当防衛・これが俺様の結論だ2019
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0001通常の名無しさんの3倍
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2019/04/29(月) 15:14:40.05ID:wF8GbZnv0
俺様のオ※ニーのおかずアニメ・特撮(近年限定)
2015年
終わりのセラフ、クラスルームクライシス、Charlotte、コメットルシファー、
サイコパス劇場版、蒼穹のファフナーEXODUS、東京喰種√A
2016年
クオリディアコード、亜人、シュヴァルツェスマーケン、灰と幻想のグリムガル、
僕だけがいない街、ダンガンロンパ3、ViVidStrike!、魔法少女育成計画、終末のイゼッタ、くまみこ
2017年
カオスチャイルド、王様ゲーム、DYNAMIC:CHORD、いぬやしき、
異世界はスマートフォンとともに、遊戯王ARC-V最終クール、機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ(#40〜#50)、Dies Irae(〜2018年)

2018年
覇穹封神演義、百錬の覇王と聖約の戦乙女、ユリシーズ ジャンヌ・ダルクと錬金の騎士(俺様の昨年の戦闘ヒロイン最高峰)、
青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない、奴隷区 The Animation、甘い懲罰〜私は看守専用ペット、
ハッピーシュガーライフ、魔法少女サイト、されど罪人は竜と踊る、Caligula -カリギュラ-、
俺が好きなのは妹だけど妹じゃない、殺戮の天使、BANANA FISH、ダーリン・イン・ザ・フランキス
音楽少女、ロードオブヴァーミリオン紅蓮の王、 魔法少女 俺、LOST SONG、新イナズマイレブン
2019年(平成31年)1〜4月
エガオノダイカ(俺様の平成リアルロボット系ベスト作)、けものフレンズ2
令和元年以降の予定
(まだ作品決まらない)
0027通常の名無しさんの3倍
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2020/08/08(土) 00:40:15.28ID:knGYxRsB0
まーたハゲデブかよwwwwwwwwwwwwwwww
どんだけ発狂すれば気が済むんだよwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
0028通常の名無しさんの3倍
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2021/03/08(月) 19:11:55.97ID:IC6Kekir0
ようするに「俺様の結論」を書けばいいわけだ。
アニメンタリー 決断じゃなくてな

このスレに素人SSを投下する、というのが「俺様の結論」だ。
原作があるわけじゃないが、下記安価スレの題材を元に弄ってやってみよう

安価でアナザーガンダムつくるスレ
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/shar/1613405998/
0029向こうの要点を書き出し↓(安価過多につき削減)
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2021/03/08(月) 19:21:49.59ID:IC6Kekir0
10 通常の名無しさんの3倍 2021/02/17(水) 17:40:24.20 ID:Oh2HOlA40
アナザーのつもりだったけど流れで宇宙世紀になっちゃったのでもうこれでいいわ!!(ヤケクソ

タイトル
「機動戦士ガンダムU.C.100 ジオンの還る日」
主人公
「カロル・ツキシマ」
主人公機
「バギ・ドーガ」

次、行きます

主人公の年齢

味方勢力の名前(と簡単な説明)

敵勢力の名前(と〃)

17 通常の名無しさんの3倍 2021/02/20(土) 19:49:01.77 ID:pOaZNrVj0
なんか一気にレスが来てる!!嬉しい!!
嬉しいので全部設定に入れさせていただきます
カロル・ツキシマの年齢「50歳」
味方勢力の名前「チアトゥーラ」詳しくは>>13
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/shar/1613405998/13

敵勢力の名前「インコ真実教←(なんかもうちょっとかっこいいのお願いします!)」
その他勢力の名前「Federation Survey Survice
“カミナーレ”」
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/shar/1613405998/16

次、行ってもいいですか?主人公掘り下げます

主人公「カロル・ツキシマ」の出身地(地球なら実際の地名、コロニーなら既にあるものでも良いしオリジナルでもいい。サイドも決めてください) 

一年戦争当時のカロル(29)の職業(軍属もしくは民間企業など) 

カロルの一年戦争時のエピソード 
0030向こうの要点を書き出し↓(安価過多につき削減)
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2021/03/08(月) 19:24:51.60ID:IC6Kekir0
23 通常の名無しさんの3倍 2021/02/24(水) 00:37:43.46 ID:tWa0vori0
カロル・ツキシマの出身地:地球,ロシア連邦,サンクト・ペテルブルグ

一年戦争当時のカロルの職業:バーテンダー

一年戦争時のエピソード:禁酒法を発布したコロニーに抗議し、司法施設にギガンで凸した

すげぇぇ!!クッソ面白くなってきました!!
カロルクッソ脳筋やんけ!!でもそこがかっこいい!
次もいきましょう!

カロルがチアトゥーラのメンバーになった経緯
(できれば以前どの組織だったかを明らかにしていただきたいです)
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/shar/1613405998/24
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/shar/1613405998/25

チアトゥーラと南洋同盟残党軍(仮)が敵対した原因
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/shar/1613405998/26

南洋同盟残党軍のエースパイロット
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/shar/1613405998/28

とその搭乗機
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/shar/1613405998/30
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/shar/1613405998/31
0031通常の名無しさんの3倍
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2021/03/08(月) 19:27:14.15ID:IC6Kekir0
機動戦士ガンダムU.C.100 ズム・シティの落日
第1話 過ぎ去りし日々

〜U.C.0100年 サイド3 ズム・シティ〜
 小春日和の公園に、澄んだ風が吹く。
小池のさざなみ。澄み過ぎている。巨大な空気清浄機で多くの味わいを抜いてしまった風。
近くにクレープを焼く匂いが漂う、甘いものは苦手だ。この頃は物価も高い。
着古したトレンチコートから情報誌を取り出し、落ちるようにベンチに座る。
雲がかった人工太陽の空をぼんやり見上げると、桜がひとひら、頬を撫でた。

〜U.C.0079年 地球 ペテロブルク〜
「お客さん、もう閉店ですよ」
カロル・ツキシマは洗った皿を拭きながら、赤ら顔で卓に伏せる客へ声をかけていた。
歳は40から50、中肉中背のアジア系、薄めのゴマシオ頭に口ひげ顎ひげを程々に整えてある。
この一月、これまで三度ほど来ている客だが、こんなに飲み明かすのは初めてだ。
陽が出てる間に嫌なことでもあったのだろう。
「そう言うなよ兄ちゃん、あっちの客の方が酔い潰れてるじゃねぇか」
「お客さんは貴方だけですよ? 戦争になってから客の入りが悪くて」
「おう?」
「若い人は徴兵され、馴染みの方々にツケの支払いを催促すれば雲隠れするし」
泡を拭い、照明に白く輝く皿を一枚ずつ乾燥機に置いていく。
「つまり、他にゃ誰もいねぇんだな?」
「個人営業の小さな店ですからね」
「結婚はしていないのか?」
苦笑いするカロルに、明瞭な声で尋ねる客。
「...ええ、どうも縁がなくて」
「戦争はやだよなぁ。この頃は若い女も軍需工場やらに出て、安らぎを忘れている」
少し酒の残ったグラスを傾け、溜め息を吐く。
確かにもう客は来ないだろう、一段落ついたカロルは客の隣の席に座った。
「みんな、この嫌な戦争を早く終わらせたくて頑張ってるんですよ」
「違うな。戦争が若いやつらのはしゃぎ性を満たしてるんだ。
 きっと味をしめて、次の動乱を起こすぞ」
「そういうものなんですか?」
「そういうあんたはどうなんだ、カロルさんよ」
カロルは彼が自分の名前を知ってることを不思議に感じた。
0032通常の名無しさんの3倍
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2021/03/08(月) 20:04:55.05ID:IC6Kekir0
機動戦士ガンダムU.C.100 ズム・シティの落日
第2話 転機

〜U.C.0079年 地球 ペテロブルク〜

「そういうあんたはどうなんだ、カロルさんよ」
客の目は笑ってなかった、何かを確信してる時の視線。
「うちは小さな店です。
 大棚のように地球産のピュア・リカーばかりを置いてるんでもないし
 経済制裁でコロニーからの輸入が途絶えるのは苦しい。
 正直、そろそろ店を畳もうかと思ってます」
「行くあてはあるのかい?」
「さてね、僕も飲んでいいですか?」
「あぁ、一杯おごってやるよ」
「お客さんにそこまでしてもらうのは恐縮です」
「そう言うなって」
レコードが古い音色を鳴らしていた。

〜U.C.0100年 サイド3 ズム・シティ〜
「おっ・またせ〜♪」
開いた情報誌を顔に乗せて仮眠していたら、鈴のように明るい声が響いた。
真っ直ぐこちらに向かう声。
口の端にクレープだろう、生クリームがついてる、やれやれ。
「年甲斐もなくコールガールみたいな格好しやがって」
「何よ失礼ね、まだ31よ」
「もう31だろ」
口のクリームを拭ってやると、少女のように微笑む。
ペペ・ゴイゴビッチは或る時を境に歳を取らなくなったようだ。
背丈だけ1.5倍ほど伸び、ウェーブのかかったセミショートのダークブロンドが小さく揺れる。
「21年か...お前と移り住んだこの国も、今年で終わりだな」
「それでインフレが少しでも収まるなら、あたしそれでもいいと思うな」
「お前には郷愁ってものがないのか ヽ(´o`;」
いや、本当にないのかもしれない。
俺は時おりペテルブルクの霧がかった運河や潮の香り、北半球の寒気を思い出すが
宇宙の流浪人に本当の故郷などないのだろう。
「何も持ってきてないの?」
「いいや、これだけ」
ペペの手には百合の花束、俺は胸に挿した一輪の薔薇を指差す。そして腕時計に目をやる。
「そろそろだな、行くか」
俺たちは船着き場へ向かった、戦没者慰霊衛星行きの。
0033通常の名無しさんの3倍
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2021/03/09(火) 15:52:09.44ID:bCl77Jtg0
機動戦士ガンダムU.C.100 ズム・シティの落日
第3話 序曲 〜失われた歌〜

〜U.C.0079年 地球 ペテロブルク〜
「突然だが、あんたに預かってほしいものがある」
本当に突然だった。
連邦兵の横領やジオン兵の蛮行について楽しい愚痴をぶつけ合ってたのに
この男、山南は何を言い出すのだろうか。

山南は上着から、気だるそうに弁当箱のような青白い木箱を取り出した。
開けると、もの悲しげなピアノの曲が再生された、つまりオルゴールだ。
https://youtu.be/XwHzXLvI3u8
その曲は店内のレコードの音と合わさって、聴く者を過去へと引きずり戻すようだった。

耳を惹くのが音色なら、目を引いたのはその中身、
そこに見えるのはマニア垂涎であろう銀貨と金貨の山で
箱の裏面にはやはり価値の付きそうな切手が何層も重ね貼りされていた。
「これをあんたに預けたい。3日後に取りに来るから
 時々曲でも聴いて、感想を聞かせてくれ」

僕はカウンターの上に雑貨類でコーナーを仕切り
その中にオルゴールを置いて、客が途絶える合間にその哀愁を聴き溜めていた。
...戦争は続き、段々と客が来なくなっていった。
0034通常の名無しさんの3倍
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2021/03/10(水) 19:06:05.35ID:tqN4kbLd0
機動戦士ガンダムU.C.100 ズム・シティの落日
第4話 爆破ですよ

 1日が経ち、2日が去り、3日を終えようとしていた。
もはや客のいる時間の方が少なく、空調の具合の悪い地下バーはいよいよ冷え込むようだ。

 地上のタクシーのエンジン音も減り、早仕舞いしようかとその時、山南が来た。
客なんていないことを見透かしてるように。
「久々だな、カロルさんよ。
 まずはそれを一杯、いいかな」
このままでは赤字なので、指さされたボトルでおかわりまで用意した、なみなみと。
この男は飲むし金も出すだろう、そう思えた。
「気が利くね」
「長い話になるなら、それなりの用意はするものです」

「相変わらずしけた店だが、不思議と居心地がいい。ホントだぜ?」
山南は2杯とも、一気にぐっと飲んだ。
何か気乗りしないことでもあったのかもしれない、それともこれからあるのか。
「預かり物を取りに来たのでしょう?」
「そそっ、大事にしてくれてるかね」
金貨と銀貨の山、夥しい切手の連なり。
2人の間にオルゴールを開いて、侘しい音に耳を傾ける。
「コレなんだがね」
不意に山南は、おつまみ用の割り箸でコインを摘まんだ。
それを引くと、コイン同士は磁石のS極N極で繋がり、
その鎖を万国旗のように、適当なところで摘まみ止める。

山南は割り箸で摘まんでる方を強く引き抜いた!
たちまち、コインは火花を散らして破裂し、轟き、
割り箸の先側半分は跡形もなく消し飛んだ。
僕は残ったコインと山南の顔を見比べた。
「偽金、偽切手だよ」
カッカッカッw、と山南は笑った。
「あんたは客のものを盗んだりしなかった。
 その指がポップコーンになってないこと、
 それこそがカロル・ツキシマの潔白を証明している」
あれだけのことがあったのに、何事もなくオルゴールは鳴り続けている。
僕は酷くおぞましいモノを見せつけられたわけだが、不思議と笑みが浮かんでいた。
0035通常の名無しさんの3倍
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2021/03/10(水) 22:39:17.69ID:1DFKPYMd0
元スレが荒らされてこのまま終わりかと思ったけど
こうしてSSに出来たのは良かった。続きに期待してます。
0036通常の名無しさんの3倍
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2021/03/11(木) 07:19:29.66ID:dVxxpOV40
ありがとうございます。
現状、7話までダーッと勢いで書いたものに
尾ひれを着けてソフトランディング模索中ですので
そろそろちょっと止まるかも...

しかし殆ど話は進まないし、戦争やMSの要素も乏しいし(ようやく出たのがチェーンマインもどきw)
まぁのんびり見たり見なかったりしてください
0038通常の名無しさんの3倍
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2021/03/11(木) 18:32:12.27ID:dVxxpOV40
機動戦士ガンダムU.C.100 ズム・シティの落日
第5話 1stコンタクト

 その日は呆気を取られた。
10歳ほどの可愛い少女を、山南が連れてきたのだ。
月とスッポン、そんな言葉が脳裏をよぎる。
少女が物珍しげに(客のいない)バーの中をキョロキョロ見て回る中、耳許で、小声で問う。
「この街でも人身売買なんてやってるんですか?」
「バカ野郎、こっちだって訳アリなんだ。...よせ、そんな目で見るな。そっちのケはない」
何でも少女は地球へ観光に来ていたサイド3のさる高貴な家の令嬢で
タイミングが悪い戦争のせいで重力に縛られ、不運にも家族はもういないという。
「しばらく預かってくれないか?」
「はぁ?」
「ここなら最低限寒さを凌げるし、残飯よりいいモノは食える。
 俺も子供に構ってばかりはいられないからな...」
少女はニッと笑っている。
「ペペっていうの、よろしくね」
本当に、高貴な家の御仁か?
こちとら地雷を踏みたくはないし、決して懐に余裕があるわけではないのだが...

ーーーーー

「きゃっ!」
「おっとっとっと、大丈夫かい?」
「ありがとっ」
地下バーに降りる階段は古い作りで些か傾斜がキツく、
照明は点いたり消えたりするし、段のあちこちが崩れかけている。
 僕が一日待ってもらってから、結局ペペを預かることにしたのは、
一見平和なペテロブルクの街にも、戦災孤児というのが徐々に見えてきていたからだ。
孤児院の定員は(先生方まで徴兵されて)当にパンク済み、未成年の窃盗も日に日に増えている。
役所は戦時物資の徴発やら配給関係でてんてこ舞いで
そもそもペペは現状サイド3からの不法移民にあたるというのが山南の説明だった。
まだジオン勢力下にないこの辺りは、出戻り宇宙移民への圧力が強い。
強制送還してもらうにしても、現在はサイド3との戦時中なので
いつまで不衛生な収容施設に入れられるかも知れない。
そんな彼女を憐れに思った山南も、自分の食い扶持で一杯一杯だという。
飲食店を切り盛りし養う家族もない僕なら
切り詰めれば父無し子の一人も匿えるだろう、というのが山南たちの主張だ。
全部は難しいが多少の養育費は出すとも言ってきている。
僕はツケの控除をエサに何人かの(ある基準で)信頼できる常連に
養子の引き取り手はないか探してもらい、またペペの出自の裏を取るように依頼した。
山南の話をどこまで信じたものか、まだ何か裏があるように思える。
たまの客に彼女が見つかった時は、疎開してきた遠縁の従姉妹ということにしてごまかした。
0039通常の名無しさんの3倍
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2021/03/12(金) 22:14:42.92ID:aSciTFW20
機動戦士ガンダムU.C.100 ズム・シティの落日
第6話 つまみと観劇

〜U.C.0100年 サイド3 ズム・シティのドッキングベイ〜

 戦没者慰霊衛星へは小型シャトルで向かうが、デブリの流れが酷いというのでしばらくシャトル内で待機となった。
俺たちは早めの機内食(うち1つは海洋コロニー産の白身魚のあんかけだった)を摂り、席毎のスクリーンで番組を見る。
例えば俺は連邦成立前の戦国モノ、ペペは月面都市開催のファッションショーという風に...

〜U.C.0079年 地球 ペテロブルク〜
「んぅ〜、美味し〜〜っ!!」
ペペがバーテンの娘で馴染むのは早かった。
さすがにまだ酒は飲ませられないが、彼女はおつまみの中でも
塩漬けキノコのヒマワリ油かけが好物ということが分かった。
そうと分かるや自ら調理して見せ、恥ずかしげもなくパクついている。
客には「将来は飲んべえだな」「そしたら兄ちゃんに寝かしつけてもらうんだな(笑)」とウケ
薄もやのかかった街を幾らか賑わせるアイドルになったのだ。
「大人になったらおじさんのお嫁さんになってもいいよ」「その頃には身を固めてるて(^_^;)」
戦時下だが、そんな日々がしばらく続いた。

ーーーーーー

 ある日、ペペが慰問公演をやってるというので共にマリインスキー劇場へ行った。
まばらだが、この頃は御無沙汰だった人混みというのがそこにあった。
演目はドヴォルザークの歌劇「ルサルカ」。
満月の下で恋を歌う水の精霊ルサルカ、怪しげな薬を調合する魔女、
人間になったルサルカの美しさに惹かれる王子、悲劇、無情なる王女、
真実の愛を悟った王子はルサルカを見つけだし、そして...
「原作だと王子は死んでルサルカは消えてしまうのだけれど...」
向こうでハンチング帽の男が、こちらに何か素振りを見せた...ように見えた。
「おじさんは物知りね。ちょっと」
そこでペペが手洗いに行きたいというので、
惜しいところではあるが行ってくるように言った。

「今回は王子も多くを喪って、水の精になることで共に暮らせる。
 そういう解釈の物語なんだ...」
0040通常の名無しさんの3倍
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2021/03/13(土) 19:39:01.99ID:VJX5k8JX0
さて、あと1話分は投稿できるけど
毎日更新は無理、ならば土日は週休らしく休みたい
(その点、200日連続でボイスコラム配信した平松広和はすげぇよ...)

というわけで土日は下準備しつつgdgdと、散歩したり気になる本でも読みながら過ごすとしたい。
祝日はなるべく頑張るとしましょ
0041通常の名無しさんの3倍
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2021/03/14(日) 19:19:41.02ID:bO2L38eo0
禿のリアルな女性を描けるという特色は本当に素敵、特にシャクティとカテジナなんて何処から生えてきたのやら
0042ダーバン自治政府 ◆uR8dsBxKL.
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2021/03/15(月) 21:21:15.15ID:WO6mr3SQ0
機動戦士ガンダムU.C.100 ズム・シティの落日
第5話 手紙と戦士たち

〜U.C.0079年 地球 ペテロブルク〜

 手洗いに行ったペペが終演しても戻ってこないので、心配になった僕は捜しに出た。
観客でごった返す通路をトイレの方に向かうと、謎の男がペペに話しかけてるのが見えた。
「ペペ!」
駆け寄ると男は逃げていき、群衆の中に消えた。
「大丈夫だったかい?」
少し間を置いて「 あの人は誰?」
「知らない人よ、道を聞かれただけ。
 おじさんが大声を出すから、驚いて行っちゃったわ」
本当だろうか。
過保護になってるだけかもしれないが、
男の持っていた(少なくともそう見えた)封筒も気になる。
「何かすられたりしなかったか?」
それはペペがポーチに入れていたものに酷似していたのだ。
「? お財布もハンカチも、みんな持ってるわ」
ペペは身の回りを確かめてから言った。
「封筒は? 何か手紙を出すんじゃなかったの?」
「ないわ、そんなもの持ってないもの」
ペペは何かをすっとぼけてるように見えた。

〜U.C.0100年 サイド3宙域〜

「お待たせしました。戦没者慰霊衛星行き、間もなく離陸します」
それからはあっという間だった。
まだ微かなデブリが見える中、うっすらと周囲のバンチを映すハガキ大の窓を背景に
シャトルは最低限の揺れで進み、やがて人魂のようなガイドビーコンの光に則って、
俺たちは戦没者慰霊衛星に入る。
シャトルの着地も、戦場に散った霊たちを脅かさないように平静なものだった。
0044ダーバン亡命政府 ◆uR8dsBxKL.
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2021/03/16(火) 19:08:04.62ID:v2/XeTdy0
機動戦士ガンダムU.C.100 ズム・シティの落日
第8話 Nobody Knows Part1

 いつものように、ペペが買い出しに出る。
「行ってくるわ」
「買い食いは程々にな」
「しないわよ!w」
表面的にこそ冗談を言い合える間柄を続けているが
彼女と不審者の接触を見て以来、お互い何処かぎこちなくなった。
秘密で何をしているのだろう、実はこの街で好きな男が出来たとか...?!
スカした二枚目? ダンディーなおじさん? まさかのジジコン?
いや、そもそも男じゃなくて、美しい少女同士の禁断の...キャーヤダヤダ!
思考が恋する乙女みたいになってることを自覚し、ふと冷静になった。
多分、父性というものだろう、多分そうだろう。
客がいないのもあって、マゼラアタックの模型など弄りながら、しばし微睡んでいた。

ーーーーー

 ペペがなかなか戻ってこないので、探しに行こうと思った時、帰ってきた。
「おかえりなさい」
「ただいまーっ!」
「おいおい、髪に泥ついてるよ?」
「えっ...? きゃっ、やだやだ。さっき公園でズッコケちゃって、ほら買い出しの方は無事だから」
「怪我してない?」
「こう見えても受け身が上手なのです ヘヘン」
一先ず無事そうで良かったが、僕の知る限りペペはこの街(特にバーまでのボロい階段)に馴染んでから、
まるで転ける素振りを見せたことがない、飲み込みの早いしっかりした娘だと思っていた。
ペペに何があったのか...彼女の素性が知りたい...何処から来て、何処へ行くのか。
彼女がカウンターにてアイスを食べ微笑むのを見ながら、ふとそんなことを思った。
父性だよ、父性だってば。
0045ダーバン亡命政府 ◆uR8dsBxKL.
垢版 |
2021/03/17(水) 15:20:17.91ID:zO2cTE8w0
機動戦士ガンダムU.C.100 ズム・シティの落日
第10話 Nobody Knows Part2

 2人きりの酒場で、僕は山南に殴りかかるところだった。
別に酔った勢いではない。
ツケの控除を条件に色々と調べてくれた常連の情報で
山南がペペを怪しい連中との繋ぎに使ってることが判明したからだ。
「どうしてこんなことをさせた!
 これじゃ連邦とジオン、どちらに見つかっても彼女はただじゃ済まないぞ!」
「ペペは自分がしていることを理解している、よく説明した上で彼女が選んだことだ」
「よくもそんな戯言を!!」
「落ち着け、いいかよく聞け。
 ここいらの連邦軍はジオンに降伏こそしちゃいないが、戦略的価値に対して非力すぎる。
 向こうが本気になったらレニングラードの二の舞なんだ。
 その前に、多少の危険を犯しても穏便にコトを済ませる。
 俺も、ペペも、そういう状況で、そうやって食べてる」
「そんな...」
「カロル、あんたみたいに優しい男を巻き込んだことは謝るよ。
 ペペはこうした方が安全だったんだ」
「そんなこと...」
「働かざる者、食うべからず。
 あんたも言ってたじゃないか、戦争は酷いって」
「...一枚、噛ませろ」
「...何だって?」
「ペペの仕事を少しずつでも僕にさせてくれ、リスクの分散だ」
「正気か?」
「...あぁ」
「...少し時間をくれ。あんたにバレてしまったのもあるし、上と確認を取りたい」
「寝首を掻くようなことはしないでくれよ、養う家族もいるのだから」
「まぁ努力しよう、向こうは可愛い女がいきなり冴えない男に変わってて怒るだろうがな」
「ハハハ......ペペには内緒な。悲しませたくない」
チャリンチャリンとドアベルが鳴った。
防犯カメラを確認、スイッチで解錠すると、ペペがお使いから戻ってきていた。
「おじさん達、何を話してたの?」
「山南のおっさんが旅した国々の話」
僕と山南は悪い笑みを浮かべる。
ペペはきょとんとしてる。
僕も嘘をつくことになった。
0047ダーバン亡命政府 ◆uR8dsBxKL.
垢版 |
2021/03/18(木) 22:08:26.65ID:m7JAa50i0
機動戦士ガンダムU.C.100 ズム・シティの落日
第10話 Hide and Seek

「じゃ、行ってくる」
「いってらっしゃい!」
ランチタイムが終わり、買い出しと称して外出。
噴水が止まって久しい公園で小一時間ほど仮眠を取ったら、裏稼業のお時間だ。
僕は運河沿いのとある事務所に行き、手紙と小包を何通か受け取り
集合住宅やオフィスビルに投函、人通りの少なくなった道をすいすいと進み
大抵は中盤か終わりに、制服の隠しポケットからそれを渡す、もしくは隠し戸棚に置く。
左の大きいポケットの中身は銃弾だろうか...? 最初は自転車のバランスを取るのに苦労した。

「ようニーチャン、今日も張り切ってるじゃねーか」
こいつは自称・自警団員。
繁華街を拠点としてるので僕の副業にも薄々勘づいてはいるようだが
僕も彼が地下階段で転倒して腰を悪くしてるのは承知なので、
(今日日珍しくなった)質のいい湿布を渡し、見逃してもらっている。
「ホントに良く効くよなぁ、えぇ、ホントに良く効くよなぁ」
昼間から街頭で患部を見せてるんじゃ、威厳もへったくれもないだろうに。
僕は湿布を切らした後のことをどうするか、まかないでも奢ろうと考えた。

ーーーーー

 銃撃戦は突然に始まった。
ジオンの秘密警察のようなものが、それこそ秘密裏にペテロブルクで活動していたらしい。
僕はホームレスが暖を取るために中身を焚いてた、ドラム缶の裏で息を潜めていた。
撃ち合いは仲間のネストル・ドニエストルに任せるとして、
こちらは懐のものを正確に届けるか...或いは破棄しなければならない。
手足が見えやしないかとヒヤヒヤしながら制服を脱ぎ、普段着に。
ふと嫌な予感がしたので、ネストルに距離を取るように手信号を送る。
ネストルは承知してくれて、素早く身を引いた。
脱いだ制服はショルダーバッグに入れて、一番ヘビーだった包みをこっそりと火にくべる。
そして身を低くしたまま走り出す...............バァンッ!

 .........それは壮絶な爆発だった。
僕に気づき追う態勢になりかけたチェカもどきが、その場で真っ黒焦げ。
物陰で追っ手が続かないのを確認し、監視カメラに注意してその場をそそくさと後にした。
0048ダーバン亡命政府 ◆uR8dsBxKL.
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2021/03/19(金) 19:09:57.49ID:5mQN4fdZ0
機動戦士ガンダムU.C.100 ズム・シティの落日
第11話 侵攻

「ちょっと様子を見てくるから、ここでじっとしてるんだよ!」
ペペが何を言う間もなくサウナ施設(指定避難所)のシェルターに残し、
僕は自警団の対ザク用タンク型自走砲や六輪ミサイルバギーの駆ける市街地へ飛び出した。
懐に拳銃1丁だけ、正気の沙汰ではない。
自分でも語気が荒くなってるのを実感した、ペペは何を言おうとしたのか、それどころじゃない。
僕は組織と連絡を取って、より安全にペペたちを市街地から逃がさなければならないのだ。
ペテロブルクに似つかわしくない、火薬の匂いが立ち込めていた。

ーーーーー

「遅かったな!」
「すまん、道が混んでた」
山南と合流した途端に、炸裂!
白漆喰の優美な窓辺は、跡形もなく消し飛んでしまった。
爆煙です向こうから、マゼラアタックのキャタピラー音。ガタゴト、ガタゴト...
「直線で目的地に行けないところが、非合法組織の悲しい性だ!」
二人でぜいぜい息を切らしながら、入り口の階段を下って行った...

「ひゃっ...///」
「おぉっ、スマン」
初めての施設なので、まさか間仕切り布の向こうでネストルが着替えてるとは思わなかった。
そこをくぐって降りていった先が、僕たちの最終拠点。
薄闇に幾つものスタンドライトで浮かぶシャガールの壁画と、ロシアン・アバンギャルドのオブジェ。
仮設の指令基地に飛び交う怒号。時折吹っ飛び、直ぐ様復旧するヒューズ。
核爆発にも耐えられるように造られた、旧ソ連時代の地下鉄秘密駅だった。
0049ダーバン亡命政府 ◆uR8dsBxKL.
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2021/03/19(金) 19:10:31.31ID:5mQN4fdZ0
「プリョス(=カロル)、バトゥミ(=山南)、現着しました!」
「うむ、ご苦労」
我々は互いをコードネームで呼び合う。つまりこの主任こそがコードネーム・シャリアピンに当たるわけで
「A、Cブロック共に総崩れ。キジ隊長の被弾を確認、あれではもう...」
「惜しい男を亡くしたな。BとEブロックが何処まで保つか...Dは全滅したよ」
「主任、それでは」
> Eブロック、誤射を起こし自警団と交戦!!
「この戦、我々の敗けだ。
 市街地に血肉を捧げるか、沖合いのユーコンに突撃してサメの餌になるか...君たちはどうしたい?」
シャリアピンの眼は覚悟を問う眼だ。
「私は生き残りたい。特にワケがあるのでなく、ただ生きていたい。
 しかしジオンの軍靴を舐めるのは御免ですな」
山南はこれまで聴いたことがないほど明快に断言した。
「僕には扶養家族がいます。ロマンに殉じることは出来ない。
 しかし彼女と投降したとて、ジオンが彼女を丁重に扱うとは限らない」
ペペはジオンの機密を連邦に売るような真似もしたのだ。
祖国が亡命者をどう扱うかは、この国の初等教育で食事が喉を通らなくなるほど聞かされる。
主任は両の手の指を合わせ、ほんの少し黙考した。そして
「生き意地の張った隊員ばかりで私は嬉しいよ...老骨を埋めるのは独りで十分だ」
「着いて来たまえ」と僕らを導くシャリアピン主任の背中に、そこはかとない哀愁を覚えた。
0050通常の名無しさんの3倍
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2021/03/19(金) 19:46:54.49ID:5mQN4fdZ0
 真っ暗な大広間に、不気味なエンジン音と硬い足音だけが響く。
シャリアピン主任がビーズのような紐を引くと、パッパッパッと強烈な光が灯された。
あまりに眩しかった、それは水晶宮とでも呼ぶべき巨大なガラス細工で、
一方に61式戦車、オブジェを跨いで向かい側に大口径バルカン砲重装甲車、
この2台が暖気状態で、背中合わせに停車していた。

「私は死に急ぐバカどもと街を守る、私たちに守れる限りは。
 君たちは向こうだ、そこのエレベーターを使って上がれる」
「主任...」
彼はふと、僕の方だけを向いた。
「スルタンガリエフ(=ペペ)を頼む」
「あなたは...」
「行けっ!」
それが離別だった。
「「はっ!!」」
僕と山南が大口径バルカン砲重装甲車に乗り、主任は待機していたドライバーと61式戦車を発進させた。
同時に、仕掛けがしてあったのかガラス細工が崩落し、向こうと永遠に隔てられたのである。
それ以降、シャリアピン主任の消息は知られていない。
0051通常の名無しさんの3倍
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2021/03/19(金) 20:23:54.47ID:5mQN4fdZ0
>>48
×爆煙です向こうから
◯爆煙の向こうから

変な誤植を...w

ホントは戦闘の流れをカットアップして
遠巻きに煙の上がるペテロブルク、4輪エレカで平原を逃げ去るカロル達を描く。
そういう予定だったのですが、今までロクにサンクトペテルブルクを描けなかったなという後悔と
この辺でどうにかガンダムらしい兵器を、この人らに扱わせてみたいという思いもあり
半ば即興で作ったのがこの11話です

シャリアピン主任なんて、民兵組織の指導者は大体ジジイだろうという偏見から
咄嗟に生まれ、数秒で走りだし、恐らくそのまま散っていった、でまかせの人。
過不足ないキャラクター描写になってればいいんですが、後日しっかり後悔しそう(苦笑)
0052ダーバン亡命政府 ◆uR8dsBxKL.
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2021/03/20(土) 14:34:59.28ID:8nafRTnQ0
機動戦士ガンダムU.C.100 ズム・シティの落日
第12話 大脱走マッドゲリラ'79

 ゆっくりと、あちこち軋みながら、エレベーターが上昇していく。
「山南、あんた戦闘車両なんて扱えるのか?」
「俺だって普通免許くらい持ってらぁ。銃座を頼んだぞ」
「へっ?」
やがてエレベーターが停まり、ゲートが開き、光に包まれた煙が入ってきた。Holy Smoke!
「さぁ行くか」
「おい、ちょ...うわぁぁぁーーーっ!!!」
プチ秘境探検部は伝説の龍ユランの如く蛇行し、炎立つ廃市の荒れ路を行く...

 大口径バルカン砲重装甲車(以下、バルカン・カー)の座席と山南の運転にどうにか慣れたところで
僕たちは市バス車両基地のゲートに突撃していた。
「白バスじゃーっ!!」
それが合図になった。
「おぉーーーーっ!!!」
手はずは整っていた。山南の雄叫びと共に、バス(何台かは既に避難民を積んでる)たちがバルカン・カーを先頭に発進。
殿(しんがり)はリジーナを載せた特製タチャンカが1台、市街地ではこれで手一杯だ。

ーーーーー

「うぉぉぉーーーっ!!!」
バルカン・カーが、白バスの群れが、特製タチャンカが、進む、進む。
戦闘ヘリを落とし、M1戦車を撃ち、倒れた敵国の歩兵を容赦なく磨り潰す。
「おーい、待ってくれーっ!」
ガレキを盾に歩兵相手にカラシニコフをぶっ放していたネストルが合流した。
「丁度弾切れで、特攻しようかと思ってたんだ」
「リジーナは使えるか? 殿(しんがり)を頼む」
「了解!」
爆音、豪炎。
ひび割れた石畳を、砕けた玉ねぎ屋根の脇を、一団は行く...
0053ダーバン亡命政府 ◆uR8dsBxKL.
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2021/03/21(日) 16:59:53.84ID:crNdcWCe0
機動戦士ガンダムU.C.100 ズム・シティの落日
第13話 炎上のペテロブルク

 難民を拾い集め、ジオンには迎撃し、指定避難所のサウナで停めるも、ペペは既にいなかった。
「兄ちゃん、あんたを探すってんですぐ出て行っちまったよ」
何てことだ...一体何処に?!
「心当たりはねぇのか!?」と山南。
よく散歩した公園とか、マリインスキー劇場とか、未だに残ってるレーニン像とか、あちこち巡るも手がかりがない。
ネストル「これじゃ、スルタンガリエフはもう...」
ジオンの砲火は段々と激しくなる、せめて、せめて......最後に、最初に俺たちの出会った地下バーの道を巡った。

 もはや地上階の建築物は焼き尽くされ、そこには数百年来の古都という説得力を持たない。
黒煙の向こう、ガスマスクの歩兵師団が銃剣付の機関銃や火炎放射器で、残された人々の命を根こそぎ平らげんとする。
そこへ1発、手榴弾が小さな弧を描いて投げ込まれ、先頭でいきり立っていた隊長と取り巻きは見事に爆散した。
すかさずそちらへ銃口を向ける野郎共、僕は容赦なく対MS用のバルカン砲を見舞った。
極右組織ウスタシャもびっくりのハンバーグ責め、もはやグレービーソースの大理石和えと行った方が正しいだろう。
僕はバルカン・カーの砲座から飛び降りて、手榴弾が投げられた方に突っ込んでいった。
辺りは煙に覆われ、鉄の臭いが目に染みる...
「どこ行ってんの! こっちよ!!」
ペペ!
彼女は身の丈に合わないリュックサックを背負い、RPGを構えて残存戦力が出てこないか身構えてるところだった。
「お前...お前なぁ!!」
気持ちの堰が決壊するように感情が溢れ出るも...言葉が続かない。
「あなただって!!」
どうもお互い様らしい、これまでになく睨み合う。
と、明後日の方向に着弾、土埃が立ち上る。喧嘩どころじゃない。
「...引っ越しだ」
「..はいっ!」
ペペのリュックサックを貰って砲座にタンデム、狭くてキツい...
「うへぇ(ペペ)」「出してくれ(カロル)」「おうよ!(山南)」
バルカン砲の残弾は少ない。
僕たちは当たりにくい方に山南が突撃し、殿(しんがり)のネストルがリジーナで屠っていく戦術に変えた。
それで火力不足のところだけ僕のバルカン砲が粉砕する、見事なコンビネーション。
敵を蹴散らし、白バスも何台か減らして......命からがら、僕たちは市外の平原へ飛び出した!
0054ダーバン亡命政府 ◆uR8dsBxKL.
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2021/03/21(日) 17:02:00.42ID:crNdcWCe0
 見張り塔の遺構が焼け崩れ、水路に盛大な水柱を立てる。
僕らの後ろに道はない。ガラスと炎のカーテンが在りし街を永遠に閉ざしてしまった...
「街が遠くなるわ」
「生きてれば復興できる、きっと再会も出来る、生きていれば...」
俺たち(カロル・ペペ・山南・ネストル)は廃車確定のバルカン・カーから4輪エレカに乗り換え、ペテロブルクを去った。
後ろに続く白バスの群れ、煤や血を浴びて無傷の車両など1台もない。
無言で街を見やっていた山南は、やがて前方の地平線に目先を戻した。
「しかしカロル、よくこんな上物のエレカを調達できたな」
ネストルが尋ねてきた。
「常連のカーディーラーがくれたんだ。
 どうせジオン人は宇宙的スーパーカーを持ち込むだろうから売れないってさ」
「はたして、宇宙人の浅知恵(センス)で地上車が作れるのやら...」
この辺り一帯は凍土だ、特に夏季などコロニー用のエレカには酷だろう。
「しかしまぁ、ドップはないだろう、ドップは」
ネストルの言い草にスペースノイドのペペも同調し、満場一致で爆笑した。
私的にマゼラアタックは嫌いじゃないが、
ドップで墜落した日にはどんなに寛容な神様でも天国の門を閉ざすだろう。

ペテロブルク編 完
0055ダーバン亡命政府 ◆uR8dsBxKL.
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2021/03/21(日) 17:17:10.07ID:crNdcWCe0
 えー、どうにかペテロブルクの話は完結しました。
実のところを言えば、急遽即興の話を挟んだせいで下書きの方が進まず
ほぼ、この先の話はスタンバってません(苦笑) 誠に申し訳ない。
まぁこの先を進める為のピースはおおよそ揃ったと思うので、持ち直すのは早いんじゃないかなー、と楽観的観測w

まずこの平日でプロットをプロっていって、土日再開が目下の予定となります。
いい加減タイトル詐欺になるから、今度はU.C.100年の戦没者慰霊衛星から再スタートのつもりです
0056通常の名無しさんの3倍
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2021/03/23(火) 17:57:20.82ID:AA64132i0
登場人物まとめ
(未定のところも多いので、ぼやかすところはぼやかしてます)

◯カロル・ツキシマ
 主人公、29歳(U.C.0079)→50歳(U.C.0100)。
うだつの上がらない元バーテンダーの男。
コードネームは「プリョス」。
回想時点では「燃え尽きちゃいない」というより「燻ってるが火力が足りない」といったところ。
もしかしたらニュータイプかもしれない。
乗機は大口径バルカン砲重装甲車(バルカン・カー、砲手、U.C.0079)→???→ギガン→???→バギ・ドーガ(U.C.0100)

◯ペペ・ゴイゴビッチ
 ヒロイン?、10歳(U.C.0079)→31歳(U.C.0100)。
コードネームは「スルタンガリエフ」。
とりあえずダークブロンドの可愛い女の子
(如何にも金髪な名前なので濡れ烏は無理だと思ったが、金髪もベタなので間を取った)。
バーテンダーでしかないカロルが戦線に立つきっかけなので、ファム・ファタールと言っても差し支えない。
サイド3からペテロブルクまで流れてきた孤児であり、子供ながらスパイ活動の末端のようなことをしていた。
恐らく、大人になってからの方が明るい。

◯山南
 きっかけを作った男、40か50の飲んべえ(U.C.0079)。
面倒なので名前は「やまなみ」と読む。「さんなん」と読む奴は本スレ住民?
コードネームは「バトゥミ」。
普通免許は持っているらしい。

◯ネストル・ドニエストル
 山南たちの組織のメンバー。
コードネームは不明(本名で活動?)。
普段は皮肉まじりに豪快に話すが、仕事は寡黙にこなしていくタイプの若い女性、というイメージ。
ペテロブルク市街戦ではリジーナを装備した特製タチャンカで殿を務めた。

◯シャリアピン主任(コードネーム)
 山南たちの活動エリアの主任。
小柄な白髪の紳士といった出で立ちだが、決断する時は気迫がある感じ。
ペペの身内かもしれないし、そうじゃないかもしれない。
ペテロブルク市街戦では61式戦車で徹底抗戦し、生死不明となる。

◯ラザルス・コーウェル
 待たれよ。
0060ダーバン亡命政府 ◆uR8dsBxKL.
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2021/03/26(金) 07:55:55.20ID:+5Ysr55z0
最後

第11話 侵攻 >>48

第12話 大脱走マッドゲリラ'79 >>52

第13話 炎上のペテロブルク >>53

結局、これぞサンクトペテルブルク!とはならなかった感じ
巨匠とマルガリータくらい読んでおくんだったかなぁ...
0061ダーバン亡命政府 ◆uR8dsBxKL.
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2021/03/27(土) 00:10:59.22ID:Xgin1Gl50
機動戦士ガンダムU.C.100 ズム・シティの落日
第13話 慰霊塔に火の雨は注いだ

〜U.C.0100 サイド3宙域 戦没者慰霊衛星〜

 落雷のような音を立てて、慰霊衛星が恐ろしく震えた。
墓地にいた俺とペペ、同じく誰かを悼んでいた人々、
シャリアピンの墓碑・・・その裏に空の棺がある・・・の、アクリルケースに入った模型のクラシックカーも震えた。
捧げられたばかりの百合と薔薇の花びらが、宙に舞う。
アクリルケースの裏に安置されたシャリアピンの魂も、震えたかもしれない。
衛星中にアラームが鳴り響き、赤色警告灯が異様な光を振りかざす。
言ってみれば、敵襲だ。

 「先に行っていろ」と言う間もない、ペペは俺の手を掴んで離さなかった。
また一人にするのか、独りになるのか。そういう眼差し。31だぞ、コイツめ。
...仕方がない。この娘はこうなったら意地でも離れてくれない。
俺はペペの手を引いて行くところへ行った。

ーーーーー

 幸い、ここまで火の手や深刻な空気漏れはなかった。
「お疲れ様です、同志カロル」
「うむ、ご苦労」
形式ばった挨拶はそこそこに、俺はその相手ヴァシリー・バシコルトにペペを預けた。
「カロル?」
「難民だ、丁重にな」
「?! しかし、ここは組織の者にしか...」
「ヴァシリー、チアトゥーラはコロニーとそこの民を守るために作られたのだ。
 チアトゥーラのためにコロニー市民を泣かすようでは、本末転倒だぞ」
「はっ!」 (*`・ω・)ゞ
「ペペも暴露本なんか書かずに待ってるんだ、もうお前を膝に乗せるわけにもいかん」
「...うん」
実際、50を過ぎて腰が弱ってるのは事実だ。冷え症も出てきている。
「機体は3番ゲート、セノーテ・ホールの隠し堀です」
「『隠し堀』とはよく言ったものだが...
 生きている者が死んでいる者に頼ったのだ、バチが当たったな」
俺はノーマルスーツを着て、ハンド・グリップを手に所定のゲートへ向かおうとした...が
グリップは飛んでいった...ガイドレールが敵の襲撃で切れて、漆黒の海へ直行したのだ。
0062通常の名無しさんの3倍
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2021/03/27(土) 00:53:54.43ID:qYwYPabn0
ヒロインとタンデムする→主人公が50代なのでキツい
ヒロインをMSの手に乗せる→宇宙テロ時に無防備過ぎ

状況を煮詰めていくと、出来ないことが増えていきます
0064通常の名無しさんの3倍
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2021/03/28(日) 00:31:55.54ID:HjPr5Ezt0
機動戦士ガンダムU.C.100 ズム・シティの落日
第14話 蟲取篭は封を開いた

 ハンド・グリップこそ宙に消え、その先に閃光...核融合爆発が轟いたが
俺は無重力に浮き上がっていた壁を蹴り、小さなデブリは大きなデブリを盾にして
煙たなびく線香、浮かぶ接続部のナット、樹木葬ブロックから吹く土埃...
やっとこさ、件の施設へとたどり着いた。

 隠し堀(MSデッキ)に機影を見つけ、それがどの部位かも分からず飛びつく。
それを梯子のようにして昇っていくと、段々と分かった。これはフロント・スカートだ。
ハッチ手前にメンテナンス用の照明スイッチが仮設されていたので使う。

まだ施設の電気系統が生きていた。
そこに浮かんだフォルムは......MSN-X4 バギ・ドーガ。
このような機体が、まだ息をしているとは。

ハッチを開き、ノーマルスーツのバックパックを背もたれに固定、簡易チェックに入る。
「燃料、出力系統...よし」
いくつか不明瞭な装備もあるが...一か八か、やってみせるか。
「カロル・ツキシマ、バギ・ドーガ、出るぞ!!」
モノアイに灯がつく。周囲確認、敵影なし。
何年ぶりになるだろうか。
この感触、このルーチンに心が踊る。
0065ダーバン亡命政府 ◆uR8dsBxKL.
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2021/03/29(月) 00:08:07.43ID:Dy9GUp250
機動戦士ガンダムU.C.100 ズム・シティの落日
第15話 燕島は血の泡と消えた Part1

 部屋にあった銃剣付きビームライフルを取り、
サイドスカートのサーベルラックの動きを確認。
ポンピングさせ、戻す。ポンピングさせ、戻す。
直ぐ抜けることを確認した上で、こちらへ漂ってきた金属の扉を盾とした。
先ずは宇宙へ出る...そこからが戦じょ...?!

 俺は咄嗟に金属の扉を来た方に押して戻した。
それを払い除けるハイザックの手......(ピキューン!
壁越しに撃たれたハイザックは爆発で壁を貫き...
それを観測して寄ってきたレコン・ザクは、(ジャゴゴゴゴゴゴ...
直ぐ様、サーベルの刺突に沈黙した。

 そのまま、爆発で空いた穴から慎重に宇宙空間へ脱出し
壁を背に、噴射ベクトルが影になるように壁沿いを張ってゆく。

ーーーーー

 もう何処から発進したかは気付かれないだろう。
戦没者慰霊衛星の頂点の手前でMSの前後を入れ換え、目立つようにバーニアを吹かす。
寄ってくる。寄ってくる。
ネモと、バーザムと、ドライセン。
何れも足りない部分を改造しており、先方の懐事情が読めるようだった。
バギ・ドーガのサイコミュ連動が、そのように感じさせてくれるのかもしれない。

 ドライセンがビーム・トマホークで大振りしてくるのを傾いて避けると、ネモの2連射。
所謂ダブルタップでこちらを容赦なく狙ってきている。
肩のバーニアも使いそれを躱せば、両手にトンファー状のビーム刃を持ったバーザムの追撃。
振るわれるトンファーをこちらも両手にサーベルで押さえ、コックピットを蹴りつける。
よろけたところを持ち直したライフルで撃墜。
撃たれたバーザムは衛星を離れてゆき、閃光の中に消えた。
続いてライフルを速射モードに切り替え、360度に掃射。
内1発が突進してきていたドライセンに当たり、トマホークを持った手が爆裂したところを
銃剣で胴体ごと袈裟斬り、残るはネモのみだ。
0066通常の名無しさんの3倍
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2021/03/30(火) 00:26:23.40ID:p6q88Dah0
機動戦士ガンダムU.C.100 ズム・シティの落日
第16話 燕島は血の泡と消えた Part2

 睨み合うバギ・ドーガと改造ネモ、両者とも隙が見えない。
バギ・ドーガがほぼベース機に準じた改修であるのに対して、改造ネモの変化は大きい。
ジムIIIのバックパック、ドーガ系のビームマシンガン、R・ジャジャの鞘付きビームサーベル...

 先に動いたのが改造ネモ、連射モードのマシンガンで武器破壊を狙ってか。
しかしバギ・ドーガもバーニアで身を翻してペレット状ビームの雨を躱し、速射で三連射、
これらもバーニア・アームを駆使した改造ネモに回避された。
一度距離を取った改造ネモは、腰の鞘付きビームサーベルで上から突き刺しに来る。
バギ・ドーガはサイド・スカートのサーベルで受け止めるも...
高出力サーベルの刃にジワジワと押されていく。
すんでのところで高出力サーベルを弾いたバギ・ドーガは、サーベルをトマホークモードにし
下から切り上げに来た改造ネモに応戦、再び鍔迫り合いを繰り広げる...
高出力サーベルのビーム刃の上をビーム・トマホークが滑り、前腕を破壊!
改造ネモはバーニア・アームのサーベルで再戦するも、今度はネモの方が出力に押される。
形勢は逆転した。改造ネモはサーベルごと斧で胴を真横に切り裂かれ、爆散した!

ーーーーー

 敵機の来た軌道からおおよその敵母艦の配置を感じ取る。
2時の方向、廃棄されたプラントの陰、旧式チベが2隻に.........ムサイ改が1隻。
おそらくムサイ改はグリプス戦役か第一次ネオジオン抗争のどさくさに流出したものだろう。
そうこうしてる間にも、遠巻きからロケット弾頭やビームが慰霊衛星を掠める。
衛星の対デブリレーザー網が破られるのも時間の問題だ、というか撃たれてないところから侵入を許したわけで...
俺は一刻も速く、敵の移動拠点を潰すことにした。
0067ダーバン亡命政府 ◆uR8dsBxKL.
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2021/03/31(水) 21:57:13.18ID:B09eeqsH0
機動戦士ガンダムU.C.100 ズム・シティの落日
第17話 燕島は血の泡と消えた Part3

 ハイザック、セミストライカー、ザクキャノン(連邦カラー)...
旧式のバーゲンセールが次々と攻め立ててくる。
こちらは援軍もなく、ワンマンアーミー、やれやれだ。
先ずはザクキャノンの砲撃を避けるにつれ導かれ、ハイザックと対戦。
ハイザックのヒートホーク改を銃剣で受け止めんとするも、付け根側を斬られてしまった。

すかさずビームライフルの銃身をヒートホークごと捨て、
斬り落とされた銃剣を敵のコックピットに突き立てる。
次の瞬間に後ろからセミストライカーの一突き!
すんでのところで避わすも全回避ならず、左サイドスカートと内蔵サーベルを失う。
避わした勢いのそのままに右回し蹴り!
のけぞったセミストライカーを残ったサーベルで刺殺。 機体は静止した。
ザクキャノン(連邦カラー)はビッグガンをぶっ放す、セミストライカーを巻き添えに。
俺はサーベルをトマホークモードにして盾代わりに突撃するも、
平行したガトリング攻撃でトマホークの基部を砕かれてしまった。
続く攻撃を咄嗟に回避し、距離を取る。
ガトリング、ビッグガン、前腕部3連ミサイル(ズサからの流用)
ザクキャノンによる実弾の嵐、未来は誰のためにある?
バギ・ドーガの両肩バーニアを全開で吹かし、噴射炎で全てを焼き尽くした。
はたして帰還用の燃料が残っているのやら...
0068通常の名無しさんの3倍
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2021/04/01(木) 21:14:47.31ID:aYVVZOQN0
機動戦士ガンダムU.C.100 ズム・シティの落日
第18話 燕島は血の泡と消えた Part4

〜U.C.0100 サイド3宙域 ムサイ改級コスメル、艦橋〜
「ふぁはぁぁ〜〜......もう、潮時かもしれんなぁ...」
艦長席のドランド・グストロフ''元''大佐は肩をすくめた。
「何を仰るんですか。それに作戦行動中の欠伸は控えてください、大佐」
「だってよぉ...」
彼としても、世直しとか義賊というのを心底本気で気取っていたわけではなく
滅びゆく者のため? いや振り上げた拳の下ろしどころを決めてしまったというべきか。
つまるところ、この70になるかどうかのホームレス階級の老兵は
戦没者慰霊衛星で、どうにも収まりのつかないこの気持ちを露にし
「このままサイド3を、連邦に降してよいのか?!」と1席ぶちたかったのだ、それだけだった。
それが同じ気持ちだと主張するアイツやコイツにノセられて、気がつけば強訴の主犯そのもの。
しかも肝心の犯行声明の類を出す前に、
用意されて連れていた何機ものMSが敵1機に蹂躙されているのだ。
担がれた家なきジジイ、ジオンではいつも通りの内部崩壊の兆し...
おかしくなって笑いだしたくなる気持ちを抑え、ドランド元大佐は戦線に目を凝らす。
「敵は来る、馬鹿は来るぞ」
「同志が奮闘しております」
「そうは行っても間近まで来るんだぞぉ」
ドランドは小考した、もはやハッタリの戦力は瓦解する。
死に場所が来た、そう思うと不意に目が冴えてきた。
「チベ共には自動砲撃に切り換えて降りるように伝えろ、敵味方識別で撃たれないようにな」
「アタシらはコムサイでトンズラだ。
 先にMSを積んどけよ、殿にする」
「機体には、誰が?」
「老骨の埋め処くらい好きにさせとくれ」
「大佐......」
0069ダーバン亡命政府 ◆uR8dsBxKL.
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2021/04/01(木) 23:47:05.77ID:aYVVZOQN0
明日で戦没者慰霊衛星の件は大体カタを着けます。

>>65
カロルのバギ・ドーガはサイドスカートを改造して、ギラ・ドーガと同じ
ビーム・ソード・アックス(劇中ではビームトマホークと表記)を収納してます。
原型機にはビームサーベルの類は設定されてません。
強行偵察型ザクを本作では「レコン・ザク」と表記します

>>68
ドランド元大佐の一人称「アタシ」はコロンボとか漁師のようなノリです。
別に彼がトランスジェンダーということではありません
0070通常の名無しさんの3倍
垢版 |
2021/04/02(金) 07:55:39.23ID:1shaOulM0
機動戦士ガンダムU.C.100 ズム・シティの落日
第19話 燕島は血の泡と消えた Part5

〜U.C.0100 サイド3宙域 戦没者慰霊衛星 近海〜

 ザクキャノン(連邦カラー)に加えてジムキャノンも戦列に加わってきた、無論敵機だ。
2機は互いを撃たない絶妙なコンビネーションでバギ・ドーガに砲撃を浴びせんとする。
俺はジグザグに避けながら隙を見てザクキャノンに肘打ち、ザクマシンガン改を奪う。
最初の3発をザクキャノンの土手っ腹に、撃墜し、ジムキャノンの360mmロケット砲を機関砲で相殺しながら
射角を見てビームスプレーガンを持つ腕を点線で切る、吹っ飛んだ。
なおもロケット砲を撃ってくるジムキャノンにザクマシンガン改の残弾をお見舞いし、爆裂。
獲物をビームスプレーガンに持ち替え、さっきのセミストライカーが遺したツインビームスピアを手に取った。

ーーーーー

「みんな、達者でな」
「敬礼ッ!!」
(こいつらポーズこそ気合いを入れてるが、本当にアタシなぞに敬意を払ってるのは何人だろうか? ゼロかもしれん。
まぁいい、この際だから徒花しかと散らしてやろうじゃないか、それくらいに思わなきゃやってられんよ)
ドランド元大佐はコムサイの格納スペースで、上部(航行時は下部になる)ガイドレールに懸架された機体を見やる。
ザク・フリッパー......そもそも戦闘用の機体ではないが、仮にもジェネレーター部はハイザックのものに換装してあり
餞別にビームランチャーとビームピストルも装備さけてもらっている。
(...ついにゲルググなんかには乗れなかったなぁ)
ドランド元大佐は死の際へ、機体ハッチへ足を踏み込み、跳躍した。
0071ダーバン亡命政府 ◆uR8dsBxKL.
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2021/04/02(金) 08:52:25.53ID:1shaOulM0
 艦影が見えた! チベ2、ムサイ改1、直感の通りだ。
俺はバギ・ドーガのバーニア・アームは温存し、デブリを蹴りながらメインスラスターで艦隊に迫った。
対空機関砲やメガ粒子砲を避けながら有効範囲でスプレーガンを撃ち、チベの艦砲を破壊。射線の死角に潜り込む。
敵機はないようだし、あっても味方艦に接触してるので無闇に撃てないはずだ。
「行け、モビルビットたち」
バギ・ドーガの胸部ハッチからディスクアニマル状の艦内制圧用ビットを出す。
右胸のフィーフリッグは甲虫型で、艦内構造を解析しながら接敵時にスタングレネードを撃てる。
左胸のカングレーウはシオマネキ型、ハッキングに精通し接敵すればハサミ状のスタンロッドで拘束・気絶させる。
...変だ、この艦には人っ子一人認識できない。他の艦隊も動きが不自然で、無人のオートメーションを思わせる。
モビルビットを引っ込め、戦艦を潰していく。
1つ!(チベ)、2つ!(同左)、3つ(ムサイ改)...!

 爆散の刹那、ムサイ改から勢いよくコムサイが射出された!
バルカン砲と船体を避けると、船尾ハッチからザク・フリッパーが滑り出してくる!
そいつはビームランチャーで牽制射を重ねる、あまりに正確なので俺はコムサイを逃がしてしまった。
バギ・ドーガ側からもビームスプレーガンで応戦するも、直ぐ弾切れ!
構えたまま距離を縮めようとするが、向こうの砲撃が強きになったのを見るにバレてるのだろう。
ザク・フリッパーに撃たれるのが先か、こちらがツインビームスピアを突き立てるのが先か...
0072ダーバン亡命政府 ◆uR8dsBxKL.
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2021/04/02(金) 09:04:24.15ID:1shaOulM0
ちなみに
フィーフリッグ(vuurvlieg)→蛍(アフリカーンス語)
カングレーウ(kangreu)→蟹(パピアメント語)
です

前者の言語はドイツ語の影響が強い(と言ってもGlhwurm/グリューヴルムには似てない)ですが
後者はポルトガルやスペインの影響もあって、カングリジョに近いですね
0073ダーバン亡命政府 ◆uR8dsBxKL.
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2021/04/02(金) 09:22:22.47ID:1shaOulM0
「嫌な敵に当たってしまったぁ...」
ザク・フリッパーの全身のアポジモーターをブイブイ言わせながら、ドランド元大佐は嘆いた。
敵は撃っても撃っても当たらない、しかも推進剤をセーヴしている節がある。
向こうにはバーニア・アームも肩部連接スラスターもある。
もしも彼が間もなく討たれて、十分余裕のあるそれらでコムサイを追われたら
巡航速度を出し切れない素人操舵の仲間たちは、あっという間に屠られるだろう。
だがドランドは見逃してなかった、敵機はビームスプレーガンを構えたまま撃たないのだ。
(さてはジャンクから掘り出したような代物で、装弾数以前でショートしたなぁ...?)
ならば、わざわざ物騒な槍を持った相手の間合いまで詰めることはないのだ。
全身のセンサーを駆使してデブリを避け、遊ぶように舞い、敵の推進剤をスッカラカンにしてやればいい。

(バボォン!!

「何ぃ?!」
だがオンボロ装備はザク・フリッパーも同じで、撃ってる内にビームランチャーが暴発して使えなくなった。
「ちっ」その隙に距離を詰めるアンチクショウ、すかさずビームピストルを構えデタラメに発砲。
間近のそいつと互いの有効範囲ギリギリで睨み合う羽目になる。
「もーやだっ、こんな生活!」
コムサイはもはや噴射ベクトルの見えないところまで退避していた。
0074ダーバン亡命政府 ◆uR8dsBxKL.
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2021/04/02(金) 09:53:27.34ID:1shaOulM0
 いきなり、バギ・ドーガからザク・フリッパーへ通信が入る。
ビームピストルは構えたまま、ドランド元大佐が受け取ると...
「返すよ」
「何!?」
バギ・ドーガの手から放たれたビームスプレーガンに視線が向いた隙に、カロルは下からツインビームスピアを刺した。
コックピットごとドランドは消し飛び、
眼下には暗い宇宙空間と、破片を受け止めるプラントの残骸、そして小破した十字状の戦没者慰霊衛星だけが残った...

ーーーーー

「さて...どうしたものやら」
バギ・ドーガ、ろくな準備もないままの戦闘でガス欠である。
と、向こうからスペースランチの灯りが見えた。
チアトゥーラも、こういったサバイバル物資だけを慰霊衛星に置いておけばよかったのだ。
そうすれば変に勘ぐられることで、このようなテロに遭うことも無かったかもしれない...

「先に戻って事後処理をしておく、ゆっくりJAFの仕事をしてくれ」
俺は宇宙スクーターを借りて待たせてる奴らの元に向かった。

ーーーーー

「よっ」
「おかえりなさい、カロル」
「ご無事で何よりです、同志カロル」
救護やら補修で慌ただしい慰霊衛星のドッキング・ベイ。
バギ・ドーガは仲間が近海のダークコロニーまで運んでくれる。
宇宙スクーターは普段から点検に使われるようなものだし
セノーテ・ホールに残された予備パーツなどは、勿体ないが敵の忘れ物ということでプチモビで放り出した。
怪しい書類は火葬場で......後々バチが当たるかもしれない。
地元・連邦の警察に疑われるようなことはあるまい。
これで上層部が頭を冷やしてくれればいいのだが...俺は次の秘密基地を何処を提言しようか、そこを考えていた。
まるで遊びに胸が弾む子供のようだった(目の前に自分の半分くらいしか生きてないヴァシリーたちがいるのだが)。

戦没者慰霊衛星編 完
0075ダーバン亡命政府 ◆uR8dsBxKL.
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2021/04/02(金) 09:57:54.30ID:1shaOulM0
書き忘れてたけど、70前後で機動力だけあるザク・フリッパーで
ドーガ系と戦わされたドランドは、心身ともにボロボロだったと思うのよね...
というわけで辞世の句とかは抜きになりました
0077ダーバン亡命政府 ◆uR8dsBxKL.
垢版 |
2021/04/03(土) 08:18:33.15ID:ytL2vlcW0
>>76
ありがとうございます!
何から何まで力不足(約1ヶ月かけて、よーやく敵キャラ1人の心象を出せるようになりましたw)の本作ですが
ツッコミでも入れつつ読んでいただけると幸いです

先にネタバレしておくと、もしゲルググのビームナギナタが出てきたら
本作では「ツインビームソード」と表記します、どう見たってナギナタじゃないものw
まぁそんなノリですので、それは違うよ!と思われたら遠慮なく言ってください
0078ダーバン亡命政府 ◆uR8dsBxKL.
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2021/04/05(月) 17:09:12.92ID:b6SnnYrP0
機動戦士ガンダムU.C.100 ズム・シティの落日
第20話 それぞれの旅路

〜U.C.0079年 地球 ペテロブルク近郊〜
 ジオン軍の地上部隊が南部の町オルトロフを占領し、ペテロブルクへの橋頭堡にすると
もはや民間レベルの抵抗ないし調略では対応できなくなり、やむ無く僕たちは街を去った。
不馴れな北国の占領に忙しいジオン兵はもう追ってこない。
白バスの一団は人権団体との接触を求め、やがて散り散りになった。
僕たちの組織の存在を証明する記録・古文書の類いは一切残っていない。

ーーーーー

 それぞれが戦う、戦っている。
ある者は殿で街に残り、ある者はノルウェーへ、またある者はベルファストへ。
僕らは平原をひた走り、向かう先は中央アジアの連邦軍打ち上げ基地、通称バイコヌール。
既に組織が民間レジスタンスとして向こうへ繋ぎを着けてる、そういう手筈である。
山南とネストルは月面都市で活動を続けるつもりだが、
僕はペペがどう言おうと、先ずは宇宙の職探しをして足を洗うのが目標だ。

「ところでペペ、そのリュックに何を入れてきたんだ?」
「ほれほれ、見て驚きなされ」
それらは酒類の携行瓶、僕が珍しい酒を仕入れた時に一定量ずつ採集していたものだ。
「寒い時に飲んでもいいし、物々交換にも使えそうでしょ?」
「おまっ...こんなものの為に...っ!!」
そんな(酒に命を賭けるような)娘に育てた覚えはないとか、確かに助かるとか、色んな感情で
目頭が熱くなって、見ていられなかった。

果てしない平原を、僕らは進む。
月は東に、日は西に。
荒れた広野に降り注ぐ陽射しの、実に眩しいこと。
0079ダーバン亡命政府 ◆uR8dsBxKL.
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2021/04/06(火) 15:22:28.95ID:CLzXvRF90
機動戦士ガンダムU.C.100 ズム・シティの落日
第21話 新街大波乱 Part1

 イリメニ湖とそこから流れ出るヴォルホフ川に沿って位置する街、
其の名は『新しい街』ノヴゴロド、ロシア最初の首都と呼ばれている。

〜〜〜〜〜

 黒パン、ジャガイモのピロシキ、徹夜でペテロブルクを脱しての最初の飯は悪くなかった。
「クレムリンが綺麗なままね、こういうところに住むのもいいかも」
「しかし有名な観光地だったこの街も、戦争になっちまうとなぁ...」
「ペテロブルクだって戦前は賑わってたじゃないか、ジオン以外のちゃんとした警察もいた」
川から濾過水を担いだネストルが戻ってきた。
「警察がちゃんとしてないから、俺たちもこうやってのんびり休めるんだろ?」
ここは町外れの古い教会跡。
神社仏閣では飲食を良しとしないところもあるが、昔は炊き出しだってやっていただろう。
我々は飢えてるのだ。そう思うことにして、久々に腹を満たした。

ーーーーー

 年寄りと子供ばかりの古都を、山南と歩く。
ペペとネストルが留守番ということだ。
「今更だが...僕たち旅職人に見えてるんだろうか?」
「お前やネストルはその通りだろう、俺は用心棒でペペが...連れ子だな」
「誰の連れ子だ?」
「お前とペペじゃ、兄妹に見えらぁ」
「こちとらよーやく親心が分かってきたんだが...っと、あれは何だい?」
堰の向こうから、小さく黒煙が立っていた。
パン工場にしては不穏な趣のあるたなびき方だ。
0080ダーバン亡命政府 ◆uR8dsBxKL.
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2021/04/06(火) 15:24:55.66ID:CLzXvRF90
 堰をかけ登り、かけ降り、そこにあったのは攻撃ヘリコプター・ファンファンだった。
そばには額に汗して故障箇所を見る中年男性、手には使い古しのレンチを持っている。
機体も錆があった部分に色の合わないコーティングを塗ったようで、軍用機には見えない。

「サンちゃん、サンちゃんじゃないか!」
「あっ、てめぇはバルト・クリーシュ!」
駆け寄ってくるバルトを山南は避ける、どうやら知り合いらしい。
「なんでぇ、この街で武器商人みたいなことしてる奴ってお前だったのか」
「あー、汗臭かったかな? 水を浴びてからでもいい?」
「着替えも持ってけ!」

ーーーーー

さらさらと流れる川のほとり。
半裸のオッサンと、旅職人みたいな格好の僕と、山南で焚き火を囲む。
「修理代金も出さないで連邦の連中、ペテロブルク占領にびっくりして逃げていきやがったよ...」
「税金泥棒だな、終戦したらタンと請求してやればいい」
「ホバリングのテストをしようとして、始動に失敗したんですか?」
「そう、それ」
「パーツだけ取って、他の機体でも弄った方がいいだろ」
「質のいいやつは軍で転売しちまったよ。残ってるのはこれだけ」
「銃乱射事件が失くならないわけだ...」
「カラシニコフで良ければ家の垣根を作るくらいにはあるよ、持ってく?」
「4人で4挺、それだけでいい......おめぇは来ないのか?」
「僕はここが気に入ってるからね、自分で戦う性分でもない」
「戦い終わったら...死の商人だって後ろ指さされるぞ」
「生きてりゃいいさ」

ーーーーー

山南は追加の工具と補修パーツを取りに行った。
「カロル、と言ったね。君はなんでまたサンちゃんなんかと?」
「酷い言い種ですね...w
 向こうがスカウトに来て、僕が興味を持った。そしたら街が焼けた、それだけです」
「ま、アイツは嫌がる相手を手篭めにはしないさ...寒い時代に貧乏クジを引いてる」
「あの人がいなかったら戦って、ここまで逃げ延びられなかったのは確かです」
「辛いことの後はいいことだってあるさ、ここはコーヒーブレイクと行こう」
バルトの淹れたコーヒーは酸味が強かったけれども、今まで飲んだ中でもかなり美味しい部類だと感じた。
0081ダーバン亡命政府 ◆uR8dsBxKL.
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2021/04/06(火) 15:26:33.22ID:CLzXvRF90
下書きを読んで、キリが悪いと思ったので2話連続投稿しました。
あらためて金曜分を補填しないとなぁ...
0082ダーバン亡命政府 ◆uR8dsBxKL.
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2021/04/07(水) 13:43:36.33ID:3wwEkQIO0
機動戦士ガンダムU.C.100 ズム・シティの落日
第22話 新街大波乱 Part2

「焼き切れた回路はコイツと差し替えだ、変なところケチるんじゃないぞ」
「なぁ、辺りも暗くなってきたし、そろそろ切り上げた方がいいんじゃないか?」
「そうだね、ここだけ明るくなってて目立つのも良くない」
と言ってもコックピットハッチが上手く閉じなくなってるくらいで
仕上げは明日やり始めたら1時間もかからないところまで漕ぎ着けていた。

ブォンブォン......ブォンブォン......
「何だ、この音は」
「あぁ、この辺は出るんだよ...」
「出るって...」
「武装暴走族 Roaring 20 が、さ」
音は段々とこちらに迫ってきて、
そこも改造してるのかってくらいギラギラしたライトが、僕らの目を眩ませた。
「獲物だ!」
逆光の中にあっても、そいつらは目元までギラギラしていた。
僕と山南はファンファンの陰に引っ込んだが、バルトはそうしなかった。
彼は、戦う性分でないと苦笑いしていた彼が、ファンファンに乗り込んだ!
ファンファンは砂塵を撒き散らして宙に浮き、迫ってくる武装暴走族に特設機関砲で威嚇。
少し怯むもバルトに隙の匂いを感じたか、再び迫ってくるバイカー軍団。
もはや口伝えの合図ではなく、猛獣の吠え面のようにして後退するバルトのを追い立てる。
バルトのファンファンは大きく浮き上がり堤を飛び越えると、反転し囮に行ってくれた。
僕らには目もくれず堤越えを実行していく20人のロクデナシ連中、大半がそれに追従した
(内2人は打ち所が悪く、姉さんに助けてほしい事態となる)。
0083ダーバン亡命政府 ◆uR8dsBxKL.
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2021/04/07(水) 13:44:04.42ID:3wwEkQIO0
「頭領(ヘッド)、ここで間違いないんですかい?」
「あぁ。車輪には轍が、ローターには旋毛が生まれるものだ」
夜目が効き、正確な判断を下せる、故に頭領。
この街の荒くれ者どもを飴と鞭で従えてきた彼だが、この状況には些かの強がりを要した。
ファンファンの推進器が土を巻き上げ、この木造建築物の展示場まで逃げて来たのは分かる。
しかし獲物はここで急遽、天高く舞い上がり、何処かで静止したらしいのだ...
あれは只のファンファンではない、機首に機関銃が備え付けられていた。
夜風に揺られた伝統建築がギシギシと音を立てる...耳を澄ましても聴こえるのは虫の声...
(くそっ......こいつはひょっとして、俺たちの方がハメられたんじゃないのか...?)
常備の火器があるとはいえ、所詮はバイクに跨がって使うこと前提の軽火器に過ぎない。
あの気弱な行き遅れの武器商人なら、
脅せば使いやすくしてくれた攻撃ヘリを喜んで提供してくれる、そう踏んでいた。
ところが、向こうは圧倒的質量と機動力のソレに、鉛弾を足して寄越すという...
数で辛うじて有利な状況。ファンファンどころではない、殺らなきゃ、殺られる...!
と、頭領は地面に出来立ての線が引いてあるのを見つけた。
片方のファンを斜めにしてしまい、跡が着いたようだった...
これでもかと、その先の屋根には穴が空いている、戦闘ヘリが落ちたような。
「あの小屋だ。
 出てこないのなら、炙り出すまでのこと。
 挟み撃ちにして、出てきたアイツを撃つ!」
グレネードランチャーが、バックショットが、軽機関銃が、その小屋にラブコールを送った。
愛憎は壮大に爆発し、跡形もなくなるほどだった。
「戦うまでもなかったか...」
首は何処かと焼け跡に忍び寄る Roaring 20 の下っ端。
と、背後の小屋が崩れ落ち、頭上から下っ端たちを押し潰した。
ローターに巻き込まれた下っ端は、見るも無惨な姿に...
「あの野郎...っ!!」
ファンファンは残り火をかき混ぜながら旋回し、武装暴走族に機関砲を向けた。
バルトは無言で、口を真一文字に結び、目に力瘤を付けるように彼らを睨んだ。
0084ダーバン亡命政府 ◆uR8dsBxKL.
垢版 |
2021/04/07(水) 13:47:01.52ID:3wwEkQIO0
ぽっと出の武装暴走族Roaring 20の元ネタはRoaring 20s(狂騒の20年代)です。
向こうは戦後のバブル景気、こちらは戦時の統治機構の弱体化に伴う無政府状態と吠え方は真逆ですが...
0085ダーバン亡命政府 ◆uR8dsBxKL.
垢版 |
2021/04/08(木) 08:55:55.24ID:IGUf/oHa0
第23話 新街大波乱 Part3

「見て驚け、俺の普通免許はバイクだって乗りこなしてみせる!」
「僕だってアッポルダムでゴールド免許を取ったさ!...ママチャリの」
堤でズッこけて還って来れなそうな怪我をしたチンピラ達からバイクをおパクリ、
僕たちは Roaring 20 とバルトを追って夜のとばりをひた走る。
さて山南のバイクがドーンと音を立てて散らばったので、僕も一時停止するとドーン...
互いにチリチリパーマのガニ股サ...ろくに点検してない事故車両には二度と乗るまい。

そうして着いた先はヴィトスラヴリツィ、すなわち「木造建築ミュージアム」。
短機関銃の銃声、対戦車ロケットランチャーの爆音。
博物館の静かな恍惚感には程遠いBGM、いやBGVがヴァンダルの特別展示を催していた。
「来たけど、どうするよ」
「どうするもこうするもねぇよ」
そんな音も徐々に止み、双眼鏡を手に博物館をタダ見すると、
大半のゴロツキが蜂の巣となっており(ローターに巻き込まれた者は不出来なスライスに散った)
最後の2人を1人、また1人とファンファンのオプション機関銃が掃除しているところだった。
やがてファンファンもホバリングを止め、静かに着地する。

ーーーーー

「大将を仕留めた......うぅ......連中も独り独りは弱いから、もう襲って来ないよ」
駆け寄ってみると、バルトは腹部に銃弾を浴びていた。
おそらく脂肪が出血を抑えているが、多分もう...
「バカ野郎......ガラにもねぇ......ハッチも閉まらない機体を使うから......」
僕には、かける言葉が思いつかなかった。
「サンちゃん、頼みがある......ふぅ...僕を、この機体と一緒にヴォルホフ川に流してくれないか...?」
「それは出来ない」
「...そうか、.........武運を祈るよ」
バルトは漸く、平和な世界に旅立ったのだろう。
「バルト...山南?」
「...展示品を運ぶトレーラーがあそこにある、幌を外せばコイツらも運べるだろう」
「......分かった、ペペたちの方も気になるしな」
なるべく痕跡の残らない石畳を選んで、僕たちは悪夢のナイトミュージアムを脱した。
0086ダーバン亡命政府 ◆uR8dsBxKL.
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2021/04/08(木) 08:58:51.44ID:IGUf/oHa0
アッポルダム = アムステルダム、ペテロブルクと同様の変名です。
向こうは規制の関係もあって自転車の渋滞が絶えないらしいですね

アムステルダム→ニュー・アムステルダム→ニュー・ヨーク→ビッグ・アップル→アッポル→アッポルダムという変遷
0087ダーバン亡命政府 ◆uR8dsBxKL.
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2021/04/09(金) 07:57:06.08ID:5bsvxQj50
機動戦士ガンダムU.C.100 ズム・シティの落日
第24話 新街大波乱 Part4

「クリ公はよぉ...ペテロブルクで子隠しに遭ったんだ...」
山南は穴を掘りながら話し始めた。
「それでカミさんが心を病んで...こういう長閑なところなら少しは安らぐだろうってな」
そこは放棄された人工林の、一ヶ所だけポカンと池になっている畔だった。
「まぁ、そんな生活も3年しか続かなかったらしいが...」
僕も手伝って、直ぐには死の臭いが立たないくらいの深さまで穴を掘る。
「何があったか、聞いてもいい?」
「つまり、クリーシュの奴は...カミさんと同じ場所で眠りたかったのさ」
「そうなのか...」

「悪いな、クリ公。お前が死んだことが周りに広まれば
 お前の集めた武器が簒奪されて、また死人が出ちまう。
 お前の死はデカい。しばらく放っといた方が平和なんだ...」
山南の手のひらから一すじ、虫除けの灰が注がれ、
僕はその上に場違いの標識ともとれる無名の十字架を立てる。
そして僕らは、竈の脇に無造作に捨ててあったカラシニコフを手に取り
軽く表面の土埃を払って、その場を後にした。

ーーーーー

「こっちも出来たぜ」
「山南のおじさんの友達、凄い物を持っていたのね...」
戻ると、ネストルがファンファンの修理を済ませていた。
ペペの手がオイルで汚れてるのを見るに、彼女も手伝ったのだろう。
「でかした!......じゃ、行くか」
荒事があった以上、長居は無用だ。
何より、僕たちは目的が違えど同じ場所を目指す者同士。
戦禍が及ばなければ平和といっても、この地には留まれない。
バルトの遺したファンファンをヴィトスラヴリツィ(木造建築博物館)土産の台車に括り付け
それをバギーで牽引、新たな武器を手に次なる地へ向かった。
0088ダーバン亡命政府 ◆uR8dsBxKL.
垢版 |
2021/04/09(金) 08:22:10.69ID:5bsvxQj50
これにてノヴコロド編は終了。
なんかペテロブルク編の時もペペが汚れてましたが、当然洗ってますよ。
単に文の流れで略してるだけです、はい。
しかし血まみれのローター洗うとか大変だったろうなぁ...
0089ダーバン亡命政府 ◆uR8dsBxKL.
垢版 |
2021/04/09(金) 08:38:41.95ID:5bsvxQj50
登場人物まとめ

U.C.0079
◯バルト・クリーシュ
 ノヴゴロドでレストア武器を売買していた男。山南の昔馴染み。
 温厚な性格で、元々ペテロブルクに住んでいたが
 子供が失踪し妻が心を病んだことから移住した(妻も3年後に入水自殺をしている)。
 武装暴走族 Roaring 20 との戦いで真っ先に彼らを引き付け、皆殺しにするも自身も被弾し亡くなった。

U.C.0100
◯ドランド・グストロフ
 元大佐の老人。ジオン系組織の歴戦の猛将らしいが、つい先日までホームレスに身をやつしていた。
 血気盛んな若者たちに祭り上げられムサイ改コスメルの艦長を務めるも、ろくな戦果を挙げられず
 殿としてザク・フリッパーに搭乗、奮闘するも僅かな隙を突かれて戦死(コムサイの戦線離脱は成功した)。

◯ヴァシリー・バシコルト
 カロルと同じく民兵組織チアトゥーラのメンバー。
 歳は20半ばと思われる。
 戦没者慰霊衛星の軍事化に関わっており、出撃前にカロルからペペを託される。

伸び伸びやってた割には書くことないな...名無し兵が多すぎたかも
0092ダーバン亡命政府 ◆uR8dsBxKL.
垢版 |
2021/04/09(金) 08:55:53.82ID:5bsvxQj50
続き

第22話 新街大波乱 Part2 >>82-83

第23話 新街大波乱 Part3 >>85

第24話 新街大波乱 Part4 >>87

U.C.0100年は「木枯らし紋次郎」、U.C.0079年は「助け人走る」のサブタイ風になってます(20話は例外)。
扱いやすさは後者かな、前者のムードは取り入れにくい。
そのうちこの辺のルールも勝手に変わっていくと思います
0093通常の名無しさんの3倍
垢版 |
2021/04/10(土) 11:58:32.12ID:l94lIKsp0
兵器、移動手段解説

U.C.0079

◯バルカン・カー
 正式名称は大口径バルカン砲重装甲車。
 地球連邦のガンダムやジムと同じ60m mバルカン砲を撃つことが出来る
https://blog-imgs-110.fc2.com/t/o/b/tobiuo72/robot_gog17.jpg
◯61式戦車
 地球連邦軍の主力戦車。1st劇場版IIではゾックを倒してるスゲー奴。
 本作ではシャリアピン主任(&ドライバー)が最期まで戦うために搭乗した
https://livedoor.sp.blogimg.jp/robosoku/imgs/c/3/c3074300.jpg
◯対ザク用タンク型自走車、六輪ミサイルバギー
 モブ兵器。カロル達とは異なる自警組織が使用
https://image.middle-edge.jp/medium/8a45a180-33d7-4b02-8417-02d9edad9b97.jpg?1490155723
https://livedoor.blogimg.jp/robosoku/imgs/1/b/1b23b1f5.jpg
◯ファンファン
 ご存知、戦闘ヘリなんだかホバークラフトなんだかな機体。
 バルトの改修した機体は機首側に機関砲が追加されている(元々機首には4基のミニガンがある)
https://image.middle-edge.jp/medium/16cca7ca-9aa2-4566-8345-f490654de679.jpg?1490162090
◯マゼラアタック、M1戦車、戦闘ヘリ
 お馴染みジオン軍の分離戦車とその子分ども
https://bandai-a.akamaihd.net/bc/img/model/b/1000146685_1.jpg
http://img5.futabalog.com/2017/06/566691256a3990939fee010b091f77cd.jpg
https://www.1999.co.jp/itbig05/10051713.jpg
◯タチャンカ
 元々ロシアにある銃座付き馬車。
 本作ではリジーナを取り付けて戦車やヘリと戦った。
https://pic.zawazawa.jp/files/warthunder/b30d27af56f36.jpg
http://blog-imgs-46.fc2.com/g/u/n/gundamucrecord/Image118.jpg
◯カラシニコフ
 ロシア製で扱い易すぎることから紛争地域に欠かせない代物
https://img.huffingtonpost.com/asset/5c632333230000ed0221e2d2.jpeg?ops=scalefit_720_noupscale&;format=webp
◯白バス
 WW2時にデンマーク・ノルウェーが戦争捕虜救出のために出したバスの通称。
 本作では焼き討ちに遭うペテロブルクにNGO団体が派遣している
https://hyggelig-news.com/wp/wp-content/uploads/2015/07/DeHvideBusser201501.png
◯マルシュルートカ
 旧ソ連圏内でよく見られる小型バス。
 もしかしたら出るかもしれない
https://alacartyo.com/wp-content/uploads/2019/05/IMG_20190623_191955-1024x512.jpg
0094ダーバン亡命政府 ◆uR8dsBxKL.
垢版 |
2021/04/10(土) 12:40:49.67ID:l94lIKsp0
U.C.0100

〜チアトゥーラ〜
◯バギ・ドーガ
 本作の主役機、モビル・ビットを搭載したNT用MS。
 原型機の接近戦用装備が銃剣のみであることから、サイドスカートにビームソードアックスを各2機マウントしている。
 またモビル・ビットは非致死性で、ディスクアニマル状に畳むことで複数を効率的に展開・収納できるようになった。
 本編でモビル・ビットを除く全兵装を損壊しているため、ダーク・コロニーで再改修予定
http://img6.futabalog.com/2017/12/b0284e2ab2be20c2eb400aac196c54ec.jpg
◯宇宙用スクーター
 Vガンダムのカテジナさんが度々使ってるようなやつ
https://livedoor.blogimg.jp/legolego05/imgs/b/a/bab026ab.jpg

〜ジオン残党・コスメル隊〜
◯ムサイ改 コスメル
 旗艦。カロルのNT的直感であっさり位置が割れ撃沈(コムサイは脱出している)
https://www.gundam-c.com/manual/mechanic/z/image/musai-custom.jpg
◯チベ
 旧式の僚艦。空気
https://steamuserimages-a.akamaihd.net/ugc/842591243234978661/2E42B3595BCC86FAF98716F384654E0A0D9169F2/?imw=637&;imh=358&ima=fit&impolicy=Letterbox&imcolor=%23000000&letterbox=true
◯ハイザック
 ジムIIIに改修できるはずもなく、恐らく一番ダブってる旧式。
 それ故にヤられ役に最適
https://hobby.dengeki.com/ss/hobby/uploads/2017/09/ph012-440x561.jpg
◯レコン・ザク、ドライセン、ジムIIセミストライカー
 賑やかしの皆さん
https://img.atwikiimg.com/www65.atwiki.jp/battle-operation2/attach/1617/2924/m/img_5s9byjt3.png
https://img.atwikiimg.com/www65.atwiki.jp/battle-operation2/attach/2509/3321/m/img_o2pf755z.png
https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/userstorage/000/046/399/632/b1adfe8895.jpg?ct=458703d79314
◯バーザム
 オリジナルのビームトンファーを装備
https://storage.mantan-web.jp/images/2021/04/02/20210402dog00m200070000c/001_size6.jpg
◯ネモ
 ジムIIIのバックパック、ドーガ系のビームマシンガン、R・ジャジャの鞘付きビームサーベルなど各所を改造している
https://img.atwikiimg.com/www65.atwiki.jp/battle-operation2/attach/1806/3020/m/img_ya4ks2d1.png
◯ザク・キャノン(連邦カラー)
 ビッグ・ガン及び前腕部にズサ用の3連ミサイルポッドを装備
https://gunpla-beginning.com/wp-content/uploads/msinfo_zkcga_001.png
◯ザク・フリッパー(ドランド機)
 ジェネレーターをハイザック用に換え、ビームランチャーとビームピストルを携えている
https://img.atwikiimg.com/www65.atwiki.jp/battle-operation2/attach/1783/3004/m/img_n9hpmw6y.png
0097ダーバン亡命政府 ◆uR8dsBxKL.
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2021/04/12(月) 19:18:07.63ID:E5GnZXP50
機動戦士ガンダムU.C.100 ズム・シティの落日
第25話 中洲大滞留

 バルト海方面からツナ川を遡ってきた船乗りは、
ここで船と荷物を陸に揚げて歩いて運び、
トヴェルツァ川で下ろしてヴォルガ川流域へと進んでいた。
こうした交易路は、ヴァリャーグ(ヴァイキング)たちの時代には
スカンジナビアとビザンチン帝国とを結ぶ毛皮などの貿易経路であった。
その名は『上流部の連水陸路』ヴィシニー・ヴォロチョーク、船乗り達の止まり木である。

〜〜〜〜〜

ファンファンは目立つので人気のない廃船置き場に隠し、僕たちはジープで町に入る。
「おい見ろよ、ウォッカだぜぇ!」
ヴィシニー・ヴォロチョークは物流の中心だからか、戦中でも中々の盛況だった。
山南はウキウキ、かくいう僕もウキウキ、食いつなぐ為の仕事と言えど
こう流浪する身になってみると、バーテン職に愛着を持っていたことが実感できる。
吊るされた肉の塩漬け、チュルチュヘラ、売り場に並ぶオレンジの山、箱詰めバステラ...
目まぐるしい各地の産物に、ペペもワクワクが止められないらしい。
ネストルは只ぼんやりと、景色を眺めていた。

街の外れの川縁まで来ると、なんと向こうから馬が泳いでくるではないか!
その、よく見れば覚えのある馬がヒヒンの良い鳴き声で挨拶した。
「プレクラスニー!!」
「マジかよ...」と山南。
プレクラスニー(正確にはプレクラスニー改)はネストルの愛馬で
ペテロブルク攻防戦の時も、彼女のタチャンカを牽いていた。
街を抜けた後に、連れてはいけないと野に放ったはずだが...
「帰巣本能でもないのに、不思議ね」
ネストルの頬を舐めるプレクラスニーの頭を、ペペが撫でた。
馬に好かれてない僕はそれを眺めるだけ。
0098ダーバン亡命政府 ◆uR8dsBxKL.
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2021/04/12(月) 19:19:01.69ID:E5GnZXP50
カロル「しかしプレクラスニー改、すっかり泥まみれだな」
ネストル「泥水で虫を落としたんだろうが、流石に仄白い毛並みが台無しだ」
山南「水のある場所なら心当たりがあるぜ」
ペペ「そういえば喉も渇いたかも」
マッドゲリラ探検隊は山南隊長に連れられて中洲エリアに向かった。

ーーーーー

「おいおいおい...」
色めき立つネオン、漂うお酒や香水の匂い、客を引いてナンボのスーツの青年たち。
山南やネストルはともかく、ペペを連れてくるのは...
「お水が水に詳しい、違うか?」
まぁ、ある意味サラリーマン以上に身繕いに気を使う人たちのエリアだ。
「あたし平気よ、ペテロブルクのお仕事でもこういうところには来たもの」
「お前さんはペペとデェトするんだな、俺たちで馬を洗う。
 なぁに、趣味人の店なら厩だってあるのさ」
「真面目くさってても仕方ないだろ、ウィンドウショッピングのつもりでさ、ほらほら」
「行こ行こっ」
やれやれ、まぁネンネを連れてる分にはキャッチに絡まれることもないだろう...
この頃は慌ただしくて、ペペと話す機会もあまりなかったしな。

ーーーーー
0099ダーバン亡命政府 ◆uR8dsBxKL.
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2021/04/12(月) 19:36:29.71ID:E5GnZXP50
(途中送信してしまいましたw OTL)

 僕とペペは、比較的中高年が集まっていてのどかな雰囲気のパブに入った。
「旅職人さんだなんて、珍しいね」
「この娘にはミルクセーキを、僕は...君がこれと交換するなら、どれにする?」
「どれどれ.........おぉ、これは!」
酒の携行瓶の香りをバーテンが嗅ぐと、それはこの店で最上級のものに化けた。

「こう煩雑ながら栄えてる街だと、お巡りさんもさぞ真面目に働いてるだろう?」
「栄えあるところに関所を設けて、儲ける。みんな考えることは同じです」
「兄さん、実は逃がし屋だったりしないかい?」
「お客さんのことを売るかもしれませんよ? 危ない橋は渡りたくない」
「地獄に橋掛けられちゃ、かなわないなw 子供だっているんだ」
「いざとなったらあたしだけでも逃げるわ(そして助けを呼ぶもの)」
「それはそれとして」
「おいおい...」
「もしもお金にお困りのようでしたら、ドラゴンボートレースに賭けてみてはいかがです?」
「何だね?」
「ジオンが捨てていったシーランスにエアロパーツやら着けて、競艇をやってるんですよ」
「ほほう」興味深い話だ、山南あたりが気に入るかもしれない。
0100ダーバン亡命政府 ◆uR8dsBxKL.
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2021/04/12(月) 19:43:42.41ID:E5GnZXP50
祝、>>100レス!

さて、馬に竜とザクさえ出てこない状況、とりまヴィシニー・ヴォロチョークで戦闘をさせる予定はありません。
代わりに出てくるのがこちら↓、シーランス。
https://www.suruga-ya.jp/database/pics_light/game/g3400277.jpg

バルカン・カー(>>93参照)がケッテンクラートのオマージュだとすれば
こちらは小型エクラノプランってところですかね。
1stだとシャアがベルファスト沖を移動するのに使っていました、
Zのウッダーとナミカーもニュー・ホンコン沖で似たようなのに乗ってたような...
水上バイクと呼ぶにはやや大きいものの、ロシアの川なら何とかなるかとw
(同じ大陸の中国の人には関門海峡が河に見えるのだそうです)
0101ダーバン亡命政府 ◆uR8dsBxKL.
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2021/04/13(火) 10:44:42.10ID:+oNrGxv60
機動戦士ガンダムU.C.100 ズム・シティの落日
27話 【ダーク・コロニー】3分で分かるNT専用機のバーゲンセール【バギ・ドーガ改】

かつてリトーと呼ばれた試作促成建造コロニーは
空気漏れ事故により竣工記念祝賀会の参加者を全員死亡させ
(一説にはザビ家による対抗勢力の粛清と囁かれている)
表向きは解体、資源利用処分になったとして処理されているが
実態はダーク・コロニーに名を代え、領有者を代えながら表に出せない営みを続けている...

〜〜〜〜〜

「あるとは聞いていたが......立派なものだな」
バギ・ドーガを引き取りに来た俺は、初めての隠れ里に感心していた。
ドッキングベイから降りて最初に目に入るのは、さながら灰の谷。
戦後復興期に持ち寄られたコロニーやら作業機械の、使い物にならなくなった残骸が転がり
申し訳程度に洗浄剤の余りが宛がわれてるので、見た目ほどの臭いはしない。
ジャンクの山にあばら家が続く、タイヤがパンクしないのも不思議な散らかった舗装道を
これまた中古のエレカで抜け、ビルの屋上だけ、資源ゴミの海に島のようになっている建屋へ入る。
具合の悪いエンジン音をBGMにエレベーターで下に降りれば
そこは一年戦争当時から遜色ない、いや幾つかの機材は最新式まで取り入れた
いつだって戦争の出来そうなファクトリーが軒を連ねている。
これなら、素人のロンド・ベルが見ても貧乏コロニーの一角としか思わないだろう。

「ズム・シティから来たカロル・ツキシマだ」
「これはこれは、わざわざ遠いところをどうも」
俺はメカニックと握手してから、機体の方を見やる。
薄暗いファクトリーに置かれたバギ・ドーガは第一印象から大きく変貌していた。
まずカラーリングがオレンジからマリンブルーに変わり、
胸部ハッチ上にはチアトゥーラのシンボル、金のコノハムシがペイントされている。
修復されたサイドスカートにはゲーマルク用のサーベルが差され
壁つきのウェポンラックには、注文しておいたフェダーイン・ライフルが架かっていた。
更にライフルの向かい側のラックには、サイコ・ギラ・ドーガのスラスターが用意されている。
「潤沢な補修備品、とも行きませんからね。
 この際ですから、一通り試していかれるといいでしょう」
0102ダーバン亡命政府 ◆uR8dsBxKL.
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2021/04/13(火) 13:46:27.97ID:+oNrGxv60
木枯らし紋次郎テイストのサブタイが面倒になってきたので、YouTuberナツアニキの3分詐欺から様式を拝借しました

灰の谷(正式にはコロナ・アッシュ・ダンプ)、というのは戦間期のアメリカに見られた廃棄物の捨て場で
ロングアイランドとマンハッタンの間にあったようです。
当時のアメリカはほぼノーダメージで戦勝国となったのもあり、凄まじくバブル状態でした。
ここに集まった灰はやがてニューヨーク万博時の舗装に混ぜて完全除去、跡地は公園に整備されたそうで
さながら、光と光の間に差した影といったところです
http://members.trainweb.com/bedt/indloco/barccoronadumploco.jpg
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/a/aniram-czech/20140831/20140831102531.jpg

チアトゥーラのシンボルがコノハムシなのは「木の葉を森に隠す & 虫(=チアトゥーラ)」そのまんまです
0103ダーバン亡命政府 ◆uR8dsBxKL.
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2021/04/14(水) 22:30:34.70ID:I3PZ0dKw0
機動戦士ガンダムU.C.100 ズム・シティの落日
第28話 中間大混戦

〜U.C.0079年 ヴィシニー・ヴォロチョーク〜
「ドラゴンボートレース? こんなところでか」
僕だって信じられないが、現にビラだって配られているのだ。
戦時の思わぬ息抜き、異常事態下の狂気にしてはマシな方だろう。
「夕暮れ時に、すぐそこの河岸公園でやるんだと。
 軍資金を無駄には出来ないが、後からどうして言わなかったと愚痴られても困るからな」
「そういうことなら話が早い、お前、ギャンブル童貞を捨ててこい」
「はぁ?」
プレクラスニー改が小さくヒヒン、ヒヒンとこちらに首を振る。
「なんだ、お前も行きたいのか?」
「仲直りのチャンスじゃないか」とネストル。喧嘩した覚えはないんだけどなぁ...

ーーーーー
 暮れなずむ内陸の港。
潰れた観光用の船着き場に、ドラゴンボートが並ぶ。
「そっから......あそこまでか」とネストル。
2つの黄色い浮きに挟まった、その直線がスタートラインで
ゴールは100m先、高架橋の手前に赤い浮き2つで仕切ったところだ。
(どれだ、お前が買ったんは)と言わんばかりのプレクラスニー改。
ドラゴンボートはそれぞれ番号が振られ、僕は6番...緑と紺のユランを思わせる舟に賭ける。
コイツが負けたなら、僕の夕食は抜きだ。

 先頭を切ったのは白一色の1番、しかし大型エンジンを船尾左右につけた3番が抜き
三基のウォータージェットエンジンを追加した4番が後ろから攻めるも抜けない。
(4番、馬だったら安楽死だな)という顔つきのプレクラスニー改。
徐々に黄色い5番と緑の6番が距離を詰め、4番、やがて1番を追い抜く。
「1番、粘りきれてないな」僕もネストルに同感だった。
レースは3番vs5番vs6番となり、5番が......3番が.........最後には6番が全てを抜き去り
ゴールの浮きを突き抜けて、高架橋の向こうへ消えていった。
0104ダーバン亡命政府 ◆uR8dsBxKL.
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2021/04/15(木) 20:23:06.25ID:TC/lMvxK0
機動戦士ガンダムU.C.100 ズム・シティの落日
第29話 【サイド3宙域】3分で分かるドッカンブースター【バギ・ドーガ改(ブースター装備)】

〜U.C.0100年 サイド3 ダーク・コロニー
 軋む搬出入用エレベーター、いざという時にはクッション・バーニアを吹かす構え。
「カロル・ツキシマ、バギ・ドーガ改、出るぞ」
武装と色を新たにした機体で、灰の谷へ再び上がる。
この一帯で宇宙機雷の混入が判明したので、除去作業のため洗濯出動する。
ダーク・コロニーでは、時折そんなことがあるのだ。

ーーーーー

 先ずはコロニー内を通常バーニアで試運転、噴射の効きが初搭乗時より良いのを実感する。
「ばぁ!」と叫び模擬サーベルで切りかかってきたのはガルスJ!
間接駆動もいいのでバーニア無しで避けられる。
「悪趣味なんじゃないか、ニヴフ」
「リアルの敵さんは『それじゃ、行くぜ?』なんて言わないんだぜ?」
それはそうだ、ニヴフ・ノルニレンコはチアトゥーラの中でも実戦慣れしている。
「ヤェアーーッ!!」
「トゥアーーッ!」
ジジジジジ...
バギ・ドーガの模擬サーベルのレーザーが、ガルスJのハッチ上で音を立てていた。
ニヴフに悪あがきをしようとする気があったので、
重ねてフェダーインライフルの模擬スピアを突き立てる。ジジジジジ...
「負けたぁ...」
「『勝ったな、ガハハ』とお前なら言うんだろうな、ニヴフ」
「覚えてろよーっ(苦笑)」
「ハハハ、いつでも来い」
互いのMSの拳をカンと当てた。

ーーーーー

 続いてコロニー外壁側での機動力テスト。
現状、この機体に追随する仕様の兵器がチアトゥーラにはないので
ヴァシリー・バシコルトのアイザックに観測してもらってのソロ舞踏となる。
「ご健闘を」
「とくとご覧あれ」

「おい見ろよ、またチャの字(=チアトゥーラ)だぜ?」
「大した敵もいない、中古のマシーンばかりで熱心なこった」
外壁の作業員が手を休めこちらを見ているが、向こうも非合法だと喚くようなことはしない。
外壁作業だと喫煙もままならないので、一寸した娯楽と見ているのだろう。
ならばこちらも、機体のパフォーマンスを披露するのみ。
「おっ、こっち来た.........近すぎねぇか?」
「わ、わ、こっち来る!!」
「「ヒャーッ!!」」
巻き込まない程度に接近して夜の銀河を滑るように翔ぶと、
絶叫マシーンのような声を受信できた。
0105ダーバン亡命政府 ◆uR8dsBxKL.
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2021/04/15(木) 20:50:20.39ID:TC/lMvxK0
「まったく......遊びは程々に。
 次はブースターを付けて的当て、ですよ」
「了解した、一時帰投する」
コロニーに近づき、点だったものが全体になり、人工重力に引き込まれる感覚は、いつになっても慣れない。

ーーーーー

「んぐっ......大したジャジャ馬だ...!」
新装備のガーベラ・ブースター(サイコ・ギラ・ドーガ用シュツルム・ブースター)は曲者で
シュウウウ...とシンプルに加速していたかと思うと、ポンッと破裂するように噴射が弾ける。
この癖を理解しなければならない、同調して活かす...!
今度のフェダーインライフルは速射モードがないので、先ずは長時照射で的を焼き切りながら...
段々と短時照射を、点を当てるようにして...
見えた!!

「全弾命中です! すっかり馴染んでますね」
「あたぼうよ、ジジイもみんなニュータイプってな」
しかし当分は通常仕様で戦いたい、まだまだ熟練とはいかないのだ。
0106ダーバン亡命政府 ◆uR8dsBxKL.
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2021/04/16(金) 09:59:59.93ID:atCT8tWa0
機動戦士ガンダムU.C.100 ズム・シティの落日
第30話 中道大往還

〜U.C.0079 地球 ヴィシニー・ヴォロチョーク〜
「大儲けだな、旦那」
「さて、大金せしめてどうするね...?」
ドラゴンボートレースの賞金は、とても両手に持てるものではなかった。
一部をレンタカー代に当てて、エレカで運ぶしかない。
隣を悠然とプレクラスニー改が歩く、不思議とコイツも誇らしそうだ。
「ペペに何か買ってやるか、バギー(4輪エレカ)を新調するか...」
と、そこで目に入ったのは...!

ーーーーー

山南「で、お前の戦果がコレか?」
ネストル「俺もどうかと思ったんだけど、悪い買い物じゃないかと」
ペペ「いくら何でも目立つでしょ!」
カロル「バギーより補給の間隔も短いし、居住性だって快適だろう」
山南「いざって時にはトップだけ切り離せばいい、か」
ペペ「まったく...」
元バーテンダー、サムソン・トレーラーを買う。
コックピットの真後ろにプレハブ小屋の資材を積み、
真ん中にファンファンとバギーを積めば新拠点の完成だ。
「さぁ、いいアシも出来たしそろそろ出ようぜ」
「戦争が終わったら、こういう楽しい場所も増えるのかしら」
サムソン・トレーラーの一行は、日没と共に街を去った。

「で、残りの金はどうなったね?」
「コレでおしまい」
オイスター・ペイルに盛り沢山のペリメニは、河岸公園の揚げ菓子より口に合う。
0107ダーバン亡命政府 ◆uR8dsBxKL.
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2021/04/16(金) 10:10:08.86ID:atCT8tWa0
これにてヴィシニー・ヴォロチョーク編は了。
歴史的な街の割に資料が少なく、満足な旅行記もなかったので大体妄想です。
多分、当地でドラゴンボートレースはやってないんじゃないかな?w

本来のドラゴンボートは20数人で太鼓を鳴らしながら漕ぐものですが、すっかり跡形もないです。
https://www.roc-taiwan.org/uploads/sites/44/2020/06/img20200629091435484_800.jpg
伝統といっても風化し変化するところはありますから、別に太鼓を忘れてたとかじゃないです、そういうことで(苦笑)
https://bandai-a.akamaihd.net/bc/img/model/b/1000100285_3.jpg
0108ダーバン亡命政府 ◆uR8dsBxKL.
垢版 |
2021/04/16(金) 10:15:20.51ID:atCT8tWa0
正直、ちょいネタ切れです。
ペースが落ちて下書きから投稿までのスパンが短く、時系列表記を忘れるなど結構ドジを踏んでいたり...

来週の平日は休んで、土〜金のスケジュールで投稿していこうと思います
0109ダーバン亡命政府 ◆uR8dsBxKL.
垢版 |
2021/04/18(日) 16:57:45.56ID:v9bhu+zt0
閃光のハサウェイ、冒頭15分強を観賞

ハサウェイの読んでた洋書は ''Aerial Enviromental Botany''、大気環境下の植物学といったところで
宇宙に暮らす人々が普通に存在すればこそのタイトル、草花を愛でながら反乱の兆しか

ケネスの「若さ=社会の潤滑油」はかつてのジオン残党にも当てはまるかと、
海上を右往左往するあいつらがいるから海軍に予算が付くってね(ジョニー・ライデンの帰還)

階級やバツイチを容赦なく見抜くギギ、やっぱり若いだけでパパ活できる日本が異常か(ギギが普通とは言ってない)
https://president.jp/articles/-/44410
あとフランスでは出張先の腹上死は労災適用できるんだとか(オマケ)
https://www.nikkansports.com/m/general/nikkan/news/201909150001220_m.html

「諸君たちの命と引き換えに、地球連邦政府から軍資金を調達する!」
ケチの連邦はこんな奴等きっちり見捨てて、ついでに面子を刷新すると思うな

スーダン語→マフティー
アラブ語→ナビーユ
古いアイルランド語→エリン
偽マフティーから忘れられてるナビーユ君w

「僕が...昔の戦争で酷い死体は見ているつもりだ」
アストナージか...
ヒステリー起こして気絶したオバサン復活からのカメラアングル、まるでアンサンブル・キャストだな

「やっちゃいなよ、そんな偽者なんか」
ハサウェイの中でクェスとギギがダブってる......その先は地獄だぞ?(止めてくれるアムロもシャアも去っていった...)
全員で上手くテロリストを制止(内ハサウェイとケネスで一人ずつ生け捕り)...出来ませんでしたぁ!
テロリストはスペースシャトルを操縦できるし、ケネスは狙撃銃を撃てる、プロだらけだ
走り出したら〜♪ 何か答えが出るだろうなんて〜♪
このハサウェイ君、流れ弾の1つや2つ、胸に何時でも刺さってそう

ハサウェイ、危うく香港に戻るとこだったのか、いやそっちの方が良かったのか?
ケネス、結構生け捕ったんだねw
彼はマフティーに清廉さを感じるそうで...相手の親父に耳打ちされたら不味いのでは?
そんなわけで二人は互いに名乗って終了
0110通常の名無しさんの3倍
垢版 |
2021/04/19(月) 19:52:58.25ID:eqwbPCWS0
942 :通常の名無しさんの3倍 (オッペケ Srdd-wGG4 [126.133.196.131])[sage]:2021/04/19(月) 16:02:57.49 ID:yCoZ2No/r
ニトログリセリン注射は草

945 :通常の名無しさんの3倍 (オッペケ Srdd-wGG4 [126.133.196.131])[sage]:2021/04/19(月) 16:28:59.39 ID:yCoZ2No/r
>>944
これは失礼した。
物は使いようなんだな..
0111ダーバン亡命政府 ◆uR8dsBxKL.
垢版 |
2021/04/19(月) 23:19:34.47ID:yCoZ2No/0
そんな訳でニトログリセリンを使った短編です、はい

機動戦士ガンダムU.C.0079 ガラス瓶の中の舟
第1話 ひかりひとしずく 1/3

OPテーマ 佐藤博 - Hopeful Heart
https://youtu.be/k99QoF8igks

 サイド6(戦後は新サイド5)の23バンチコロニー・バマコはかつて連邦寄りの中立表明島だったが
急進派の新市長がジオン寄りの政策を示した為、不穏な空気が漂い、さながら火薬庫の様相だった。
またこのコロニーは隣接する24バンチ・クールラント(完全中立)と折り合いが悪く
時折、互いに目掛けて推進力のついたスペース・デブリが流れる程だという。
なおバマコとはバンバラ語で「ワニの尾」という意味である。

〜〜〜〜〜

 ラザルス・コーウェル(9)は、ツチハンミョウが掘ったにしては大きすぎる穴を刮目していた。
「何だろ、これ」
そこから顔を出してたのは、平べったいがツチハンミョウの幼虫の顔ではなく、瓶の蓋だった。
ツチハンミョウよりは大きいが、それでも彼の小さな手で掘り出せる程だ。

 この悪童は通学路のコンクリート擁壁に伸びた葛の蔦を登り、その上のセイタカアワダチソウの茂みを越え、
(彼にとっては)彼だけが知っている秘密の場所、立派なタイサンボクの木陰に、ローゼルの苗を植えようとしていた。
(木の爺さん、ゴメン。でもこうしないと、ぼくのアパートじゃ花を育てられないんだ...)
それで木陰の中でも陽当たりが良くて、タイサンボクを傷つけないような場所を探していたら、これを見つけたのだ。
「せいさんコーラでも入ってたら怖いなぁ...でも気になるや」
ラザルスはコロニーの外にも、中にも、危ない物を捨てる悪い大人がいるのは父や母や兄から聴いていたので、
この歳頃の悪童にしては、慎重な方だと自負していた。
実際、虫の知らせのようなものがあり、彼だけ友ガキ連中でも妙に叱られにくいという実績がある。
ラザルスは大根を引っこ抜くようにではなく、周りを柔らかく崩して、井戸に落ちた子象を引き上げるような手つきで
それを、悪い顔して、手中に収めた。
「穴は、つかえる!」
そしてお詫びのつもりか、残った木陰の穴にローゼルの苗を植え込み、そろりそろりとその場を後にした。

ーーーーー

 しばらくして、同じ場所で二人の若者が転がりながら殴りあっていた。
「ないってどういうことだよ、ヤッフェ!!」ゴロゴロ...
「こんなところに来るヤツもいるまいに、瓶もないんだよ、ブルース!!」ゴロゴロ...
「ないない尽くしで済むか、この野郎!!」ボコボコ!!
「じゃれてる場合かよ、こん畜生!!」ボコボコ!!
「おっと、崖だ!!!」キキーッ!
「あふ '' ねぇ!!!」グググググ...
「...見ろよ、泥のついた靴で降りた後があるぜ」
「大人の幅じゃないな、子供か小人症だ」
「「探せ!!」」ボロボロ
ブルース&ヤッフェ vs ラザルス vs ダークライの鬼ごっこが始まる。
その様子をタイサンボクの木と、ローゼルの苗だけが見ているようだった。
0112ダーバン亡命政府 ◆uR8dsBxKL.
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2021/04/19(月) 23:22:54.31ID:yCoZ2No/0
機動戦士ガンダムU.C.0079 ガラス瓶の中の舟
第2話 ひかりひとしずく 2/3

 サイド6内の急進派といっても幾つもの枝分かれがあり、
法案を通してから勝手をしたがる者、シンパが既成事実を作って押し通す者、政見放送で歌うだけ等
これらを科や目に分けていくと、枚挙に暇がない。
気に入らないからと車に爆弾を投げ込むような者は、古典に尽きる。

〜〜〜〜〜

戦闘BGM 大貫妙子 - Silent Screamer
https://youtu.be/dqtrf936n8I

「待てやーーーーーっ!!!」(ブルース)
「うわああああっっっ!!!」
自転車に乗って帰宅しようとしていたラザルスは、ブルースとヤッフェのワッパに見つかり追いかけ回されていた。
「あやまるからさーっ!!(泣)」
「ごめんで済んだら警察は要らねぇ!!」(ヤッフェ)
ラザルスはパニックだったし、バカ2人は頭に血が昇っていた。
「ところで何でワッパで自転車に追い付けないの?」
「何だとぉ?」(ヤッフェ)
「ギアを上げるぞっ!」(ブルース)
「えっ?」(ヤッフェ)
「うおおおっ!!!、、、おっ?」(ブルース)
「「うわぁぁぁぁぁーーーっ!!」」
バカ2人は仲良くゴミ溜めにキスをした。
「べーっ だ」
大人を小憎らしくバカにして車輪を翻し、その場を去ろうとするラザルス。
「あったまきたぁーっ!!」(ブルース)
「やるか、やっちゃうか?!」(ヤッフェ)
「おうよ!」

「なんでコロニーにモビルスーツがあるんだよーっ!!」
「逆主人公補正ってヤツだ!」(ブルース)
「そういうこと!」(ヤッフェ)
ラザルスの自転車はそのまま、バカ2人の駆るアッグに追い回される羽目になった。
「で、なんで俺たち、まだガキに追い付けないんだよ?」(ブルース)
「アイツにも主人公補正が入ってんだろ?」(ヤッフェ)
レーザートーチの嘴から出る火花を、すんでのところで避けるラザルス。
「何なんだよ、もぉ!!......、、、っと、おあぁっ?!」
前方不注意の悪童は、前輪を石に躓かせて空へ.........直感で、リュックから跳んだ瓶をサっと懐に抱きかかえた。
(こんなことで、僕...死ぬのか?)
思わず目を閉じたラザルスは、その刹那、リュックが何かにかかって吊られるのを実感した。

「よう弟ぉ!!」
「兄ちゃん!!」
目を開けると、そこには兄と、彼のマシーンがあった。
0113ダーバン亡命政府 ◆uR8dsBxKL.
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2021/04/19(月) 23:26:59.25ID:yCoZ2No/0
機動戦士ガンダムU.C.0079 ガラス瓶の中の舟
第2話 ひかりひとしずく 3/3

 サイド6の23バンチ・バマコはれっきとした開放型コロニーであり
ラザルスと急進派2名が死に物狂いで競っているのは、その採光ミラーに程近いところである。

〜〜〜〜〜

「兄ちゃん!シュウィマー兄ちゃん!!」
兄は飛びながら、弟をコックピットに降ろした。
「ナニ勝手に空飛んでんだ、ひこうタイプかよ」
「アイツら、これ狙ってんだ!」
瓶は無事だった。「なんだそれ」「知らない!」「馬鹿か...」
タンクトップ姿のシュウィマー・コーウェル(18)が駆るのは作業用MS、ドラケンE。
少なくともアッグよりサイド6で馴染みのある機体だ。
「仕事がえりだったの?」
「あぁ、様子を見に来ればコレだ......お前、やんちゃ過ぎるぞ」
「なんだお前!」(ヤッフェ)
「やるなら相手になるぜ、おらおらぁ!」(ブルース)
「しっかり捕まってろ!」
シュウィマーのドラケンEはアッグのドリルをひらりひらりと回避し、モノアイに取り付いた。
「「ぎゃあああっ!! 落ちるぅーっ!」」
アッグは採光ミラーに激突し、さながら半身浴のようになった。
「いっちゃえよ!」
「ラザルス?!」
「結局、落ちるのかよ!」(ブルース)
「うわぁぁぁーーっ!!」(ヤッフェ)
弟は兄から操縦桿を奪うと、トドメの一撃でアッグを暗黒空間に追放した。

ーーーーー

「あ痛っ!」
「コロニーはフラジャイルなんだ、ヒビが広がるようなことをするなよ」
「ごめん...怖かったんだ」
アッグの出た穴は一先ず応急処置のピンク色のバルーンを貼り
防衛軍に通報してあるので、直にニトログリセリン(瓶に書かれてあった)も回収される。
兄弟はコロニーの河の岸で、ようやくひと息ついた。
「それにしたって、よくドラケンEにパンチなんかさせられたな」
「見てれば、なんとなく分かったよ」
「そういうものなのか...」
その後、「ニトロは凍らせた方が揺れにくいんじゃないか?」と言ったシュウィマーに
「絶対やめとけよ、兄ちゃん」と釘を刺すラザルスだった。

第1部 完

EDテーマ タケカワユキヒデ - FLY, MY BOY, FLY(Early Version)
https://youtu.be/r1djQBdfMZw
0114ダーバン亡命政府 ◆uR8dsBxKL.
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2021/04/19(月) 23:37:43.12ID:yCoZ2No/0
>28 通常の名無しさんの3倍 2021/02/25(木) 15:11:53.81 ID:Z6ev3QVz0
>ラザルス・コ―ウェル

>特にモデルとしたキャラも無く思い付きの命名。


初登場エピソードも、完全に突飛な思い付きになってしまいましたw
すまないな、ジャミトフ。
とりあえず第1部完として、思いつくことがあったら続きを書くかもです
(どのみち、U.C.0100年でカロルとは対戦させるつもり)
0115ダーバン亡命政府 ◆uR8dsBxKL.
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2021/04/20(火) 22:00:34.13ID:+9pjbo/l0
登場動物と人物まとめ

U.C.0079
◯プレクラスニー改
 ネストル・ドニエストルの愛馬。
主からは改抜き、カロルからは改付きで呼ばれている。
ペテロブルク防衛戦でタチャンカを牽いた後、広野に放されたがどういうわけか再合流した
(馬にも帰巣本能はあるが、移動中の人間に合流するわけではない)。
カロルとは仲が悪かったが、一緒にボートレースを観戦して和解したかも...?

U.C.0100
◯ニヴフ・ノルニレンコ
 チアトゥーラの一員、特に年齢は決めてないが生意気盛りなので10代半ばといったところか。
模擬戦ではガルスJに搭乗、引き続き各種ガルス・タイプに乗ってもらう予定。


今回はたっぷり短め、馬を含んでも2頭だもの()
0116ダーバン亡命政府 ◆uR8dsBxKL.
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2021/04/24(土) 07:59:20.72ID:EhHZxdyN0
機動戦士ガンダム U.C.100 ズム・シティの落日
第31話 もしもズム・シティに南洋宗が伝来したら

〜U.C.0100 サイド3 ズム・シティ〜
 ズム・シティ市庁舎の裏の食堂の向かい側にあるオフィスビル、
その地下階がチアトゥーラの事務所である。
「急に呼び出してスマンな、まぁ座れ」
「「失礼します」」
「はいよっ」
ソン・セダの促すままに、俺と、ヴァシリーと、ニヴフが席につく。
向かいには坊主頭の、それも石頭だろうなと思わせる神妙な面持ちの青年が座っていた。
こめかみには、かつてはキラキラと波打っていたかもしれない金髪の名残が見える。
因みにソン・セダはチアトゥーラのズムシティ代表だ。
「マジュロ・ペック、南洋宗の外交僧などをしています」
「既に君たちの紹介はしてあるから、挨拶はいいよ」
「そうですか。さて、ご用件は?」
どうも連邦と一戦交えて以来、この南洋宗の連中は好かない。
関与していないジオン共和国まで、陰険な臨検を受けたものだから。
「今度、宗派の一つである魔羅坊殿がこちらへ宣教に伺います」
「そのような連絡は受けていますね」
「その時公演するホジャ・ギジェットを殺めてはもらえませんか?」
「...そういう話はマーダー・インクにでも回すことですな」
「いや、殺めるとは言い過ぎました......少しでも怪しい様子だったら、脅かしていただきたい」
ニヴフは「ほほう」と頷き、ヴァシリーは続きを聞きたげだ。
俺はとっとと帰ってほしい。ソン・セダは「まぁまぁ」話だけでもさ、という眼差し。

「どうやらカロルさんは南洋宗に良い印象は持たれてないようだ」
「まぁ、ね」
「おい旦那ァ」「同士カロル」若い連中が止めたがってるが、言わせてくれよ。
マジュロ「リユース・サイコ・デバイスの情報は全て連邦にお渡し致しました、
 我らの手元には残ってません」
カロル「ニタ研で大ウケだったそうじゃないですか、だから弾圧も程々だった」
マジュロ「貴方は信仰の歴史にあまり明るくないようだ」
ソン「おい、カロル!」
カロル「...言い過ぎました。過ぎたことは一旦置いておきましょう」
マジュロ「助かります」相手はホッと息をついている。
0117ダーバン亡命政府 ◆uR8dsBxKL.
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2021/04/24(土) 08:03:57.40ID:EhHZxdyN0
「我らも寺院に隠ってばかりではありません。世情に合わせて人々を安寧に導きたい」
「セダのとっつぁん、良かったじゃねぇか。表稼業の新聞の投函先が増えるぜ?」
「お前は黙ってろ、ニヴフ」
「このジオン共和国は不況が続き、今年中にでも自治権放棄が決定しているとか」
「はっきりしたことはお話できませんね」(ヴァシリー)
「構いません。我らは目の前の人心に向き合うのみ」
「つまり、共和国民の不安と、ホジャ・ギジェット氏の教えが絡むのが、宜しくないと?」(カロル)
「平和を想うところまでは南洋宗に限らず、皆が思うところでしょう。
 しかしやり方は人それぞれ。
 我らが分派を作るのも、それ故のことです」
戦国武将は違うんじゃないかな?という意地悪を喉元に抑える。
「魔羅坊殿の教えは、端的に言えば恐怖支配です。
 いつも通りの模擬戦をやってみせて、宇宙ゴミを撒き散らすことでしょう。
 他の十把一絡げのコロニーならいいとは言いませんが、仮にも独立したコロニー国家で行うには過激に過ぎます」
「掃海事業から名を挙げたのに?」
「あらゆる掃除を、任せておけという考えです」
「新手のネオジオンかよ、7年前だったら3つのジオン国が並ぶところだったな」(ニヴフ)
「認識の違いがあっても仲間です、そういう風には言わないでもらいたい」
「あ痛っ!」軽口の過ぎるニヴフにヴァシリーの拳骨。
「部下の非礼をお詫びします。
 話を続けましょう。ホジャ氏を驚かして帰ってもらった後、どうしたいですか?」
「私ども印古衆が静かに慎ましい寺社を建てられたら...
 一つのサイドに伝導拠点は二つも要りませんから」
どちらにせよ、南洋宗が割って入るつもりか...
「これは宗教戦争じゃないよ、新しきことには多少の反発は付き物」
あぁ...ソン・セダ、饅頭の一つも受け取ったな。
(自治権放棄の後、活動を縮小する時のリサイクル代。それだけにしてくださいよ)
正直、裏で献金を貰ってる現状でもチアトゥーラは自転車操業だ。本当の意味で豊かなスポンサーなどいない。
(分かってる、後は飲み屋のツケをパーッと払ってオケラよ)
ダメだコイツ......宗教を長期的なスポンサーに加えるよりかはマシか?
しかしデブリ処理の過程でダーク・コロニーの実態が漏れるようでは、組織の生命線に関わる。
俺は途方に暮れた。
0118ダーバン亡命政府 ◆uR8dsBxKL.
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2021/04/24(土) 22:52:16.50ID:A3i+p4sV0
機動戦士ガンダムU.C.100 ズム・シティの落日
第32話 仮任大雷帝

〜U.C.0079 地球 ロシア中西部〜
 ロシアの都市トヴェリはサンクトペテルブルクとモスクワの中間に位置し
水運の中継地がヴィシニー・ヴォロチョークなら、鉄道・高速道路といった陸運はこちらである。
旧称 : カリーニン、旧21世紀初頭にドイツとの共同開発でバイオマス発電の拠点となった。
かつては深い森と湖沼を持ち、一国の首都になり、
共産主義政権下では大規模な粛清を実施と歴史のある街だが
宇宙世紀において、特に語るところはない。

〜〜〜〜〜

「で、俺たちはカリャージンに向かってるわけだが?」(ネストル)
目先のカリャージンは、モスクワのほぼ真北である。
ここからトヴェリに入るとすれば、南西に回り道だ。
「仕方ないだろ、ジオンのパトロール隊に見つかりかけたんだから」(カロル)
「連中がこの辺に定期便を送ってなくて幸運だったな。
 こんなに木を薙ぎ倒して、空から丸見えよ」(山南)
「うぅ......揺れる...」(ペペ)
枝葉がサムソン・トレーラーのタイヤに巻き込まれ、粉砕されて後方に消える...

ーーーーー

見えた!
ダム湖に浮かぶ白い鐘楼......
ピョートル大帝が考え、スターリンが強引グ・マイウェイして仕上がったモスクワ運河。
この水底に、まるで犬鳴村のようにして旧カリャージン市街が沈んでいる。
「水上を上手く渡れれば、タイヤ跡も残さずモスクワ入りだな」(カロル)
「先ずは新市街だ。落ち着いてメシにしたいし...ペペには船酔いの薬がいいだろう」(山南)
「うん...」(ペペ)
「ごめんな」(カロル)
「いいのよ」
この頃、気が急いてる...仲間が大事、理屈では分かっているのだが。
「深呼吸しろ。射線に突っ込むようでは長生きしないぞ」ネストルが背中を擦ってくれた。
「このトレーラーのオーナーがお前なら、ドライバーもお前だ。
 けどな、俺たちだってナビゲーターくらいは出来るぜ」
「多少の無理は付き合うわ。持ちつ持たれつ、でしょ?」
「ネストル...山南...ペペ...」

ーーーーー

「森林警備隊は、こっちには来ないな?」
「もうどっからどこまでが自分らの土地か分かってないんだろう、この辺でいいやってな」
「幌はもっと濃い緑に塗ろう、これじゃグレイシャー・ブルーだぜ」
「ジープも緑、まるでモリゾーとキッコロね」
「「「サイズ感がおかしい」」」
こそこそ話だが楽しくサムソン・トレーラーを隠し終え、僕たちはカリャージン入りした。
0119ダーバン亡命政府 ◆uR8dsBxKL.
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2021/04/25(日) 11:28:57.65ID:Jkq0aUIV0
機動戦士ガンダムU.C.100 ズム・シティの落日
第33話 もしもハードロックカフェでお経を聴いたら

〜U.C.0100 サイド3 ズム・シティ〜
「それで、話を受けちゃったの?」
「ふわぁぁぁ...放ってはおけんだろぅ」
寝不足だ、歳を重ねて4時間くらいしか眠れなくなったが
昨日は2時間...いや1時間か? 気絶していたと言った方が正しい。
あのマジュロとかいう外交僧の話を鵜呑みにするのもどうかと思い、
過去にコロニー間ネットで配信されていた、魔羅坊殿の布教LIVEを聴いた。
頭にテコテコと鳴り響く木魚と鳴子......
魔羅坊殿の布教...パフォーマンスか、あれはへヴィーメタルだ。
なるほど、宗教世界に触れてみると、自分が如何に不安定な場所に暮らしているか実感する。
確かなものが、何にもないね、どうして僕はここに...Tell me why! といった感じか。
眠気覚ましのコーヒーも要らなかった、部屋の防音が機能しているか不安になったくらいだ。
無音の宇宙で派手にビームをぶちまけといて、
木魚、鳴子、サビでは銅鑼を鳴らし、魂の経をシャウト。
不安と不満がタラタラの若い奴にはよく効くだろう、劇薬だ。
「ペペ、お前...まさかとは思うが、カルトに御関心はないよな?」
「仏教由来の伝道なら、ギフトショップでアオザイを売るんじゃないかしら?
 あたし、気になってたんだ」
「...あんなの、スケスケだろ」
「エッチ!」
まぁ大丈夫だろう。

「物騒なんだからな、行くなよ」
「...分かった、気をつけてね」
「あぁ」
そこで俺たちは別れた。
0120ダーバン亡命政府 ◆uR8dsBxKL.
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2021/04/25(日) 11:37:17.33ID:Jkq0aUIV0
機動戦士ガンダムU.C.100 ズム・シティの落日
第34話 溜湖大邂逅

〜U.C.0079年 地球 ロシア中西部〜
 カリャージンは12世紀の記録に集落
(スロボダ:入植地であるなどの理由で税の支払いを免除された町)として登場する。
ヴォルガ右岸(南岸)のカリャージンは、
対岸に15世紀に建てられたマカリェフスキー修道院が大きくなるとともに重要性を増した。
この修道院はカリャージンでも最も目立つ建物で、1525年築の食堂をはじめ歴史的に興味深い建築が集まっていた。

〜〜〜〜〜

「そろそろ秋か...」
カリャージンの砂っぽい丘の道に、枯れ葉がひらりと舞う。
ヴィシニー・ヴォロチョークとはうって変わって物寂しげな街路、空気が沈んでいる。
石造りの家並みも、暗いまま足音すら立たない。
「無いなら無いで、いいからね!」
ふざけるな、子供に無理させられるか。
人が住んでるんだ...薬くらいあるはずさ。
あてもなくトボトボと歩いていた。
「全くの予定外だから、捨ててあった古地図しかないのが残念だな」
別行動から合流したネストルも、薬屋は見つけられてなかった。
「最後は向こうのブロックだけだ、君は先に戻っててくれ」
「大丈夫か、カロル? 気を病んでるように見えるが」
「一人で頭を冷やしたい時もあるさ」
「そうか、...程々にな」
ネストルは僕を放っておいてくれた。
長居するような場所でもないし、早く決着をつけなければならない。
0121ダーバン亡命政府 ◆uR8dsBxKL.
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2021/04/25(日) 11:37:28.99ID:Jkq0aUIV0
 ...結局、ドラッグストアの類は無かった。
池端の小丘の上で途方に暮れ、目の前に灯台を兼ねた鐘楼が浮かんでることに、不意に気づく始末。
酔い止め薬の一つも用意してやれない僕が、これからを戦えるのか?
「あら」
そんな時、後ろから声がした。
シャツこそ白いが、黒ネクタイに黒いコートの女。全身黒ずくめのスヴェルドロフではない。
「シ=ラーチャ...?」
「初めまして...なのに、名前を知られてるのね」
「いや、会ったことも知るはずもない。ここには来たばかりだし...」
「不思議な人。うむ...」
「どうした?」
「...キャロル・ムーンリヴァー!」
「カロル・ツキシマな」
「ごめんごめん、人の名前を間違えるなんて失礼よね」
「半分当たってたんだから50点あげよう」
「優しいんだ」
「君ほど奇特じゃない」
シ=ラーチャ? シ=ラーチャ、シ=ラーチャ......全く心当たりがない。
しかし、お互い不意打ちで話し始めてしまった、続けるしかあるまい。
と、シ=ラーチャは背後に、目の前に、僕の回りをクルクルと回ってみせて
最後に僕の手を、彼女の上着のポケットに突っ込ませた。
「何を...!」
「取ってごらん」
中身を取ると、それは箱詰めの酔い止め薬だった。
「この辺は置き薬しかないのよ。
 私は当分陸地だから、船に乗る頃にはまた買ってる」
「お、おお......ありがとう」
「気にしなくていいわ、仲間じゃない」
この女、ハニートラップでもなければ只の不審者なのだが...不思議と敵には思えなかった。
奇妙な親近感すら覚えた、調子が狂う。
0122ダーバン亡命政府 ◆uR8dsBxKL.
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2021/04/26(月) 16:25:32.92ID:cwNV3OOU0
機動戦士ガンダムU.C.100 ズム・シティの落日
第35話 【サイド3宙域】3分で分かる宇宙世紀のマタドールガンダム【ガブール・ベルグゾン式2型】

〜U.C.0100 サイド3 ズム・シティ〜
 色即是空空即是色や無生法忍といった経文の語録が読まれる中、
初期ズム様式の流ビル、中空の毒ガスボンベやサイコガンダム(MF形態)を模したダミーバルーンなどが
ホジャ・ギジェット駆るガブール・ベルグゾン2式の胸部ビームに焼かれ、宇宙の塵となる。

「跳んでくるからな、気をつけろよ」(カロル)
「現状、こちらに流れてくる破片はありませんね」(ヴァシリー)
バギ・ドーガ改とアイザック。
俺たちは魔羅坊殿には内緒で廃人工衛星の陰に隠れ、無線を傍受し、それを観戦していた。

ボールM型をベースにしたコントロール機の遠隔操作で
無人機動のジム・クゥエルやハイザック(毒ガス弾銃装備)が乱舞し、
ベルグゾン2式と鍔ゼリ合うや銅鑼の音!ブワンッ!
鳴子が緊張感を醸し出し、クゥエルとハイザックが同時に伐られ爆発四散するや銅鑼のグォレンダァ。
見事な自作自演だが、太刀筋には鍛えたものが見える。
ホッジャのベルグゾン2式はサーベルを掲げ、般若心経ロックで幕を閉じるかに見えた。

「...誰ぞ、そこにおるのは」
ホッジャの撃った前腕部ビームガンが廃人工衛星に着弾!
「バレた!」
「ちぃっ!」
「出歯亀とは、関心せんのう」
ベルグゾン2式のサーベルは消灯することなく、そのままこちらに向けられた。
0123ダーバン亡命政府 ◆uR8dsBxKL.
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2021/04/26(月) 22:19:16.02ID:cwNV3OOU0
機動戦士ガンダムU.C.100 ズム・シティの落日
第36話 三方大荒野

〜U.C.0079年 地球 カリャージン〜
 突如、背後からジェット音がする気がした、すると聞こえてくるようになった。
「何だ!?」
「来ちゃったか...」
「あれか?」
「それね」
何ともとぼけた会話だ。
いよいよ僕がふざけたみたいじゃないか。
やがて丘陵地帯の向こうから見えてきたのは、ガウ攻撃空母だった......

ーーーーー

 ペペもまた、得体は知れないが脅威を感じていた。
後部の馬小屋のプレクラスニー改も息を荒くし軽く震えている。
「トレーラー、出しましょ」
「唐突にどうした?まだプリョス(=カロル)が戻ってないぞ」(ネストル)
「悪い予感ってやつか?」(山南)
「バトゥミ(=山南)まで......そういうものなのか?」
「そう。......カロル」
ペペは薬を探しにいったまま一向に戻らないカロルを案じた。

ーーーーー

「オデッサから盗まれたサムソンが寝てるってのは、この辺か?」
「送られた座標は間違いありません」
通報はジオン兵からチョコレートと光る缶バッジを貰った少年の、散歩のためだった。
あの年頃の砂利ボーイの承認欲求は並みではない。
「悪戯でなければ、出向いた甲斐もあるのだが...」
ガウのブリッジ・クルーはカメラを回して地表を見回すも、草木、緑、緑の森ばかり。
「ポイントD、異常なし...」
その瞬間、ポロっと緑の幌が落ちて、サムソン・トレーラーが発進した。
「異常あり!通報されたものとおぼしきトレーラー!!」
「艦長、MS部隊投下します!」
「急げ!」
小回りの効かないガウが転進するには数分を要した。
0124ダーバン亡命政府 ◆uR8dsBxKL.
垢版 |
2021/04/26(月) 22:20:58.06ID:cwNV3OOU0
「見つかっちゃったわよ!」
「不味いな...」(ネストル)
バーニアを下に向けて減速しながら降下するザク小隊が、照準もデタラメに撃ってくる、外れた。
「よし俺が囮で連中を引き付ける、その間で逃げろ!」(山南)
サムソン側の機銃で戦うにも相手が悪い。
「無茶言わないで! 相手はザクなのよ?!」
「とはいえ旧ザクだぁ、やってやれないことはない」
「...無茶はするなよ」
「おう」
「ネストル!!」
山南が走行するトレーラーからファンファンに移乗したのと、旧ザク隊の着地は同時だった。

ーーーーー

「こら三番機、尻餅を突くんじゃない!」
「隊長ぉ、訓練ではバッチシだったんですよぉ」
「マニュアル通りにやってますというのは、アホの言うことだ!」
「すみませーん」
「ホラ、行くぞ」
しかし隊長も隊長で、ぬかるんだ地表に足を取られそうだったのだ。
(地球に慣れるのが先か、終戦が先かだなぁ...)

ーーーーー

「行くわよ」
「行くって、どこに?」
「モスクワ」
「そんな、 まだペペたちが...」
「今行ったら共倒れよ、心中希望?」
「あぁ......いや.........挨拶くらいはしたかったな」
「生きてれば会える、生きてこそ」
その時だった。
ザバーッと盛大な水しぶきを上げて、アッガイ隊が地上に姿を表したのは。
......いやいや、こういうのこそ感知してくれよ僕とシ=ラーチャの直感!!
大型のモノアイが怪しく光る。
「行こう!」
「来て!」
僕たちは駆け出した。
0125ダーバン亡命政府 ◆uR8dsBxKL.
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2021/04/27(火) 14:05:24.23ID:AV6sjbYp0
機動戦士ガンダムU.C.100 ズム・シティの落日
第37話 【ズム・シティ】3分で分かる飛べないガルスはシュツルム・ガルス【ニヴフ専用シュツルム・ガルス】

〜U.C.100年 サイド3 ズム・シティ〜
「なんだあの機体は?」
「後ろのアイザック、防衛隊カラーじゃないわね」
「ティターンズか?!」
「ここは大丈夫なんだろうな!?」
「皆様、落ち着いて!! あの者たちの襲来も我らの想定通りです!
 蛮族は我らの手で成敗致します! どうか、席に戻って!」
パニックを起こし駆け出そうとした観覧客は、係員の教徒に抑えられる。
会場警備員はこれをどうしたものかと......「一先ず止まってください!」異教の方に従った。

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「何なのですか、あれは!!」
「心をお沈めください、スワティク・パル阿闍梨(あじゃり)!」
舞台裏で自分の公演の番を待っていたスワティク・パルは、憤慨した。
彼の日常は基本的に阿闍梨(先生)として不足のないものだ。
しかし一年戦争で妻子を毒ガスの餌食にされ、信仰に救いを求めた男の多面性は時おり暴かれる。
「ホジャ・ギジェット君のような若者に任せられません、私が引導を渡してやりましょう!」
「阿闍梨!!」
スワティク・パルは山車として用意されていたゴブリンAに乗り込んだ。
「誰ですか、あのような者たちを呼び込んだのは!!」
ゴブリンAは実弾ライフルを宙に撃ちながらずいずい進む。
「キャーっ!モビルスーツが入ってきたわ!!」
「阿闍梨......事態は深刻化するばかりですぞ」

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「あちゃー、とんでもない爆弾かかえてんじゃないの」
ニヴフは懸念以上の事態に声を上げた。
魔羅坊殿がズム・シティにもMSを持ち込むというので隔壁に待機していたが
実弾の入ったライフルなど、税関は何をしていた? 鼻薬を嗅がされていたのだろう。
それはさておき、一人コロニー待機を命じられたニヴフは
これに単独で対処しなければならない。
「奴さんは...いい感じだ、こっちに来てらぁ」
隔壁出入口からゴブリンAまで10m、7m、5...「そこだぁ!」
「何だと?!」奈落が開き、MSは尻から落ち、何事もなかったように奈落は折り畳まれた。

 幸い、巻き込まれた群衆はいなかったようだ。
「暴れん坊はとっちめないとなぁ!」
「誰なんです、貴方一体!?」
「通りすがりのシュツルム・ガルスだ!」
それはリアスカートをリック・ドムII仕様にした以外は、シュツルム・ガルスそのものだった。
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