黄色い桜を探して
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>>45
>>154 >>155

1ストーリー

老人が来ないという転部が鮮やかだ。
伏線もなく一方的に物語が動き、主人公とともにショックを受ける。

>「貴女が突然来れなくなっても構わないんです」
>連絡先はおろか、互いに名前すら知らない。
>束縛は無し、それでいいじゃないですか」

老人からこう言われたら、彼から待ち合わせを放棄する、という予想は立たないじゃないか。
これからも続くだろう当たり前が断絶する、その喪失とだからこそ浮かび上がる大切さは、尊い。
ただ、それを効果的にするためとはいえ、前半部分、取り留めのない日常がゆっくりと進行するので、キャッチーではない。
個人的には好きだが、長尺なのもあって、絵や写真の地味さもあって、ここで閉じてしまうだろうとも思われ、コアなゆるりさ、冗長さとなっている。


>「新宿御苑に黄色い桜、あるんだ……」
の一言に心が弾むのは、
懐かしいフレーズなのと同時に、老人から提案した待ち合わせ場所、しかし都合で行けなくなった場所という、そのもしも行っていたらのIFの連想や、
老人は知っていたのかなどの解釈の広がりが、前の

>あの時の事は夢と同義に成りつつある。

の傷心から閉じられていく弱さから転調して、開けた希望を与えるからだろう。

派手さはない、どちらかと言うと地味な内容だが、それでも驚きと余韻を持ったストーリーになっている。