3.ダブルマスター

 税理士試験の免除には幾つかありますが、最も代表的なものは、
大学院修士課程を2つ修了すると税理士試験の5科目全てが免除される
「ダブルマスター」と呼ばれるものです。
法律学又は財政学の修士となれば税法3科目の試験が、
商学の修士となれば会計2科目の試験が、それぞれ全て免除されます。
つまり、全くの無試験で税理士になれてしまうのです。

税理士試験が免除されるこの制度で問題なのは、大学院での専攻が、
刑事訴訟法など税法と全く関係のないものであったとしても税法科目が、
マーケティング論など会計と全く関係のないものであったとしても会計科目が、
それぞれ全て免除されてしまう点にあります。
そして、これ以上に問題とされているのは、昨今の経営難から、
税理士試験の免除をうたい文句としてこれを商売とし、

金さえ払えば簡単に入学させてしまう大学院が存在していることです。
この手の大学院としては都内のT大・S大・K大の3私大が有名で、
会計事務所の2世の多くがこの制度を利用して税理士資格を取得しているといわれています。