2016年度を見ると、運輸事業が2200万円の赤字で、レストラン事業が7億8000万円の黒字である。
「そじ坊」や「杵屋」が、赤字の水間鉄道を補っているのが実態だ。
ちなみに、水間鉄道の駅には、グルメ杵屋の子会社であるにも関わらず、そば屋やうどん屋があるわけでもない。
 外食は、不振店舗を退店させる事業であり、ましてグルメ杵屋は上場企業である。
赤字の水間鉄道を維持するのは簡単ではないはずだ。
 グルメ杵屋が水間鉄道を子会社にしたのは、平成18年のことである。
水間鉄道は、バブル期の投資の影響もあって、事実上の倒産となった。
その後、会社更生法を申請し、グルメ杵屋の支援で経営再建を果たしたというわけだ。
バブルの崩壊は、「うどん屋さんが経営する鉄道」という珍事を生んだことになる。
 そんなことを噛みしめつつ「そじ坊」や「杵屋」で食事をしたら、ぶらり散策で水間鉄道に乗るといい。
水間鉄道も妙に味わい深く感じられるだろう。
 不思議な鉄道会社は他にもある。
 高速バスを運行するWILLERグループは、2015年から、旧北近畿タンゴ鉄道の鉄道運行を担っている。
第三セクターの北近畿タンゴ鉄道は、上下分離されて、“下”は第三セクターのままだが、“上”の鉄道運行は公募することになった。
そこに異業種のWILLERグループが参入したのである。こうして、北近畿タンゴ鉄道は京都丹後鉄道に変わった。
 この鉄道は地元の足であると同時に、天橋立への観光にも利用され、観光列車も運行している。
 WILLERが高速バスで急成長したのは、インターネットによるマーケティングが大きい。
それが、WILLERが公募で選ばれた理由の一つだったようだ。観光を担う鉄道であるが故に、マーケティングは不可欠である。
以下ソースで
http://www.jprime.jp/articles/-/10548