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路線バス廃業を止めるために必要な2つのコト
 地域に必要なバス路線を、持続可能なかたちで残したい。全国のバス会社や自治体の一致した願いだろう。今回の金剛バスのような“突然死”を迎える前にバス会社を救済する目的もあり、国(国交省)が主導する新たな補助制度「エリア一括協定運行事業」が23年度から始まった。

 この制度はこれまでの「とにかく赤字補填」という在り方から抜け出し、路線バスの枠にとらわれない「地域交通の再編」を促すものだ。

 例えば「同エリアの移動手段の競合」も再編の対象となる。金剛バスで例えるなら、河南町内では並行して、町営バス・デマンドタクシー(カナちゃんバス・かわせみタクシー)、富田林病院の送迎バス、企業送迎バス、スクールバスなどが走り、同社の利用者を細かく奪っていった。

 こういったムダな競合を避けるために、可能な限り体制を一括化(おそらく各事業者は個別で残り、持ち分の便の運行を委託されるような方式になるだろう)。同じ時間に並走しないように運行本数を削減する。それぞれの車両を使って、例えば「朝晩だけバス会社の大型バス、昼間は送迎バス用のワゴン車」などという、利用実態に合わせた運行体制をとることも可能だ。

 かつ、国や自治体が「ちゃんと運行を維持します!」という保証を行いつつ、運行を維持するための経費を補助する。単なる赤字の補填ではなく、今後も運行を続けるための補助であり、バス会社にとっては「運転手の確保」「上下分離(施設や車両を自治体に保有してもらい、税金の負担を減らす)」にかかる費用を相談できる。

 また「下手に利用者が増えるともらえる補助金が減る」という従来の補助制度と違って、乗客を獲得すればしっかり会社の利益になるため、バス会社の自助努力も期待できるだろう。