17さんが言ってくれたけど、俺を感知させてくれたのは森田博士の書いた、神経質の本体と療法という本と、
もう一冊は、神経衰弱と強迫観念の根治法という本の二冊。

どちらも初めは、全然理解できず、勉強もしてなかったせいでよくわからないって状態だったんだけど、約一年間の間に
どちらの三周ほど読み終えた頃、すでに治っていた。

無論突然ではなく、やはりその間に実際に日々の仕事の中で、ヤムをえず話しかけなければならない状況などにあたり、
いやいやながらも緊張しながらも、目的本位の態度を取ることを維持していたら、ますます森田先生の行っていることが理解できるようになってきて、
また本を読み、また実践し、という風にやはり実際の体験と有益な情報との複合的理解で根治に至る。

治療に臨むにあたっては、どうせ治らないだろうとか、こんなじじいの言うとおりにして治らなかったら、どうしてやろうとか、
そういうふうな考えであって大いに構わない。

森田博士は言う。

モルヒネをどれほど君が疑ってみたところで、モルヒネを打てば痛みは消失するのであり、
同様に、君がどれほど森田療法を疑ってかかろうとも、治療をすればその効果に変わりはないのである。