>>194
置き換え前のベンゾの全量にしっかり身体依存していれば、他のベンゾへの置き換えがスムースに行くとは限らない。

ベンゾには催眠作用と抗不安作用と筋弛緩作用と抗痙攣作用があって、ベンゾの種類によってそれぞれの作用の比率が異なるので、厳密には置き換えても同じ作用は期待できない。

アシュトンで置き換え先として推奨しているジアゼパムは、等価換算値として国内では5としているのに対して、アシュトンではこの倍の10としている。

この理由は置き換えのリスクを最小限にするために、敢えて倍量換算としているのではないかと考えている。

このため、置き換えの際に、全てのベンゾを同時にジアゼパムに置換すると、とんでもない量になってしまうという問題がある。

例えば、ロラゼパム2mgをジアゼパムに置き換える際に、同時に置き換えるとジアゼパム20mgと処方上限を超えてしまうくらいすごい量になる。実際やったら副作用で大変なことになるだろう。

これに対してアシュトンでは、小分け置換を推奨している。例えば、ロラゼパム2mgを1.5mgと0.5mgに分け、0.5mgだけをジアゼパムに置換すれば、置き換え後はロラゼパム1.5mgとロラゼパム5mgとなり、妥当な処方量になる。

と言うことで、アシュトンは長期型ジアゼパムへの倍量小分け置換方式とすることで、ベンゾ間の作用の違いを吸収させながらより安全な、スムースな置き換えを目指したものだと認識している。