病棟内で、Kさんより少し離れた場所で看護士二人が立ち話をしていて、
その会話の内容があまり聞き取れない位置にKさんは居た。
会話中、看護士が何気なくKさんの方へ視線を送った。

Kさんはその視線を感じ、さらにヒソヒソ程度に聞こえる会話を聞き、こう妄想した。

・看護士達が私の方をチラチラ見て笑いながら話している→
 あの看護士二人は私の悪口を言っているに違いない!

Kさんはそう確信すると、看護士二人に文句を言ってしまった。
実際、看護士二人は文句等言っていなかった。
(もしかしたら本当に悪く言っていた可能性も無いわけでもないが、まず有り得ない)

その出来事のせいで、Kさんは病状が悪化したということになり、閉鎖病棟へ送られた。
だが今回の入院とは関係無い、昔の話だそうだ。

この話だけからもわかるように、妄想症状が出ている人に対して
誤解を招くような行為は厳禁である。

妄想が肥大してどこまでいくかわからないし、
恐怖等のマイナスの要素がその妄想に伴ってしまうこともある為(被害妄想等)、
妄想を抱える患者さんにも辛い目に遭ってしまう。