「女流作家レニ・リーフェンシュタール この元女優の手になる「オリンピア」は、どうしようもない傑作である」
(『絶対の宣伝 ナチス・プロパガンダ4 文化の利用』草森紳一著、文遊社刊より)

市川崑総監督が語る名作「東京オリンピック」
−戦前のベルリンオリンピック(1936年)でレニ・リーフェンシュタール(ドイツ)がつくった
『民族の祭典』『美の祭典』はご覧になっていらっしゃいますか?
市川: 勿論見ました。ミュンヘンオリンピック(1972年)の時、リーフェンシュタールさんに偶然会って、
いろいろな話しをしました。とにかく『民族の祭典』は名作だと思います。
あらゆる政治的なことは一切抜きに、映画として素晴らしい。

【解説:淀川長治】
『民族の祭典』これは本当に今考えてもぞっとするぐらい立派でしたね。
そのオリンピック、ベルリンオリンピックの実写ですけど実写、それと言えないね。
これが本当のニュースと言えないぐらいに劇的なんですね。凄いんですね。

大和屋が影響を受けた・好きな映画
戦艦ポチョムキン、十月、ストライキ、アンダルシアの犬、不良少年
次郎長三国志シリーズ、野獣の青春、群盗荒野を裂く(何故殺すのか)西部魂、民族の祭典・美の祭典(オリンピア) 

大塚英志インタビュー 工学知と人文知
少し年上だけど三島由紀夫がいる。彼はレニー・リーフェンシュタールの『オリンピア』
(『民族の祭典』『美の祭典』の二部作を指す)というナチスドイツの映画を観てこれが機械芸術なんだっていうね、
直接的な言い方ではないけど機械芸術論を知っていないとわからないような作文を学習院時代に書いている。

お勧め(オススメ)映画(映画批評の映画研究塾)
1938「サブマリン爆撃隊」「赤ちゃん教育」「我が家の楽園」「汚れた顔の天使」「黒蘭の女」
「牧童と貴婦人」「獣人」「ラ・マルセイエーズ」「霧の波止場」「北ホテル」
「民族の祭典」「美の祭典」「バルカン超特急」「アレクサンドル・ネフスキー」「鶴八鶴次郎」
「按摩と女」「争闘阿修羅街」

手塚治虫は「アドルフに告ぐ」の冒頭をベルリン五輪で開始し、
西田修平と大江季雄の陸上棒高跳びの場面など、当作を意識した描写になっている。