博打な人生で先行き不安 40%近くが未婚で孤独に
 出世競争から脱落したヒラ社員の覇気は、ますます失われていく。
「仕事のモチベーション」(Q2)では、「生活の維持」(57.8%)、「貯蓄」(15.6%)と、お金関連が75%近くに。
一方、「仕事を楽しむ」(13.8%)や「会社の成長」(2.2%)といった、仕事自体を生きがいにしている人はごくわずかだ。
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《Q2 仕事のモチベーションは何ですか?》(複数回答可)
生活の維持(給料)          289人
早く終わらせて帰宅する(遊びに行く) 122人
何もない               95人
貯蓄                 83人
仕事を楽しむ             69人
人脈づくり・出会い          64人
仕事関係のコミュニケーション     38人
仕事の効率化             31人
副業                 21人
会社の成長              11人
「生活の維持」がダントツで、次いで「早く終わらせて帰宅する」であることからも、仕事自体へのモチベーションは「ない」に等しい
「食べていくために働いている」(54歳・損保)という人も多く、この現状を経営学者の山本寛氏はこう嘆く。
「会社のビジョンや理念に共感して働く人が多い欧米と比べ、日本では収入が働くモチベーションの上位になりがち。
ゆえに給与が頭打ちになると、出世レースに縁のない中年ヒラ社員は人生の目標を失いやすい。
働き方改革の影響で仕事が早く終わっても、用もないのに街で時間を潰す“フラリーマン”が増えているのも納得です」
 西尾氏も「産業競争の激化や働き方改革で、残業ゼロで今以上の生産性が求められるのに、現状維持で嫌々仕事に取り組む姿勢そのものが危険。
“このまま定年退職を迎えられたら超ラッキー”。この考え方は博打に近い」と憂う。