前の人のお題を書き込むスレ
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前の人が出した題にそって詩を書き、 次の人にお題を出すスレです。 詩を書いた人は必ず新しいお題を出してください。
「風鈴」
記憶している事は何かと語らう縁側が暖かければ
その人は人には無いものを持っている
銅張りの瞼が開くまでの時間を知っている事で
僕らはまだ見ぬそれを補おうとする
レム睡眠の震える目玉の奥底で
冷たい水をゆらゆらと
細い灯火をゆらゆらと
蓋の下で扱えるものは小さい
聴いて眠る時
風上が林の明かりに隠れ
土の上に短い影が色濃く落ちて
雲の降らせたような島を作る
砂場で人が泳いでいる
洗い物が風を嗅ぎ
帆のようにはためく
次は「AKB48」でお願いします
―扉・――――
いつもは固く塞がれた 壁のようなその扉
なんの拍子にかふらり 開いた
いつもならきっと何もせずに黙っていたね
部屋で泣いていた真っ白なノート
破って折って飛行機にして
飛ばしてみたくなった
細い隙間から見えた 光るその向こうめがけ
翼の端っこ ふいの一言走り書き
あなたならきっと 見つけてほしい
見つけて拾って飛ばせてほしい
あなたが見つける次の扉へ
できれば素敵な悪戯書きして
そして紙飛行機飛んでいけ
次から次へ繋がれていけ
いつも固く塞がれた 壁のような扉
次に開くのはいつか知らない
その中に揺れて揺れて揺られながら
飛んでいけ 飛んでいけ
次は、「しるし」
でお願いします 「しるし」
今日、ひとつきぶりのアレがあった
いつものしるし…
認めたくはないヨゴレがソレを知らせた
この「しるし」に毎回翻弄させられるのだが
それはそれで結局、済んでしまえばいつものごとしだ
もうひとつのしるしもある
コレの始まる前にすこぅしムネがはる
そちらもあまり気分の良くない「しるし」だ
どちらも結局大事な「しるし」ということになる、かな…
お題「舌を出したイヌ」 舌を出した犬
舌はと〜っても大切だ。美味しい物を味わう。
まぁガツガツしちゃって舌もあまり使わず飲みき込んじゃう事多いんだけど…
俺犬だし〜
でも一番大事なのはだーいすきな人を舐めまわす事!
人間と違って、プレゼントでごまかしたり出来ないからな…
俺犬だし…
俺たちの舌は、大好きを届ける大切な大切な器官なんだ、ご主人は知ってるみたいだね…
良き行い 良き行い
釈迦もブツダも神様も
誰もどこにも見ていないだろうけれど
今日も1日一度はひっそりと
必ず行う善行である
習慣化するべく忘れないように、
覚えておくようにしている
大きなことでもないけれど
小さなつまらないことだけど
私はこっそりとやっている…
見られたくてしているんじゃない
褒められたくてもしてるんではない
きっとそんな
良き行い、と思っている
次「春待ち草」 【春待ち草】
射光
街の片隅に潜む 春待ち草
おいてけぼりにあい
二度と出会えない四季をひとつ また一つと超え
喋るでもなく ただ根を張り 生きる
踏みつけられることも 忘れられることも
DNAに刻まれた 受け継がれた魂が答えている
春が来る日を ただ待ち続ける
街の片隅 春待ち草は すこし でも確かに瞬く
草としての役割を忘れえぬ
それは確かに強さだった 「カウンターショック」
暗闇で何も見えなかったとき
暗い長いトンネルの中で立ち止まって凍えていたとき
わたしは強い衝撃を感じて蘇った
あのとき、あの言葉が無ければ
あのひとのあの強い支えがなければ
わたしは暗い闇の向こうから帰ってはこられなかっただろう
あのときのあのひとの力がわたしをここへ呼び戻したのだ
そう、強い衝撃に撃たれて
私はあのときあのひとから光をぶつけられたのだ…
例えればカウンターショックのように
わたしのこころを取り戻す激しい衝撃に
闇のむこうからの強い衝撃に 「雨どいの音」
とたん。とたんと雨がなる。
とたん。とたんと鳴るる雨。
とたんと生るる。鳴るる雨。
雨どいに、
雨どいに。
とたん
----------
次
「汐江」 「汐江」
私の島に汐は満ち
そこには色んな物が残されていた
それを拾って食べている
それを拾って食べている
ある日流れついたのは私の母
それに抱かれていたのは幼い私
私はそこに穴を掘る
私はそこに穴を掘る
やがて埋もれた者らは砂になる
かくして私は島になった
私の島に汐が満ちる
私の島に汐が満ちる
次は、「イカロス二度目の飛翔」で 20世紀だったあの夏の日から
僕はサングラスの内側に閉じこもった
空も雲もみんな
サングラス色だ
紅葉もサングラス色
ホワイトクリスマスもサングラスクリスマス
ある晴れた春の一日
空にきらりと人の影
まさかとは思ったが
やっぱりイカロスだ
あいつまた
無理しやがって
気が付いたら
サングラスをはずしてた
空って
こんなに青かった
次は「春雨」で 「春雨」
陽を拒む厚い布の箱の中
耳を押さえた指先の感覚が薄れる
白くなって冷えた爪の下
体の熱は空気に溶けて
布に遮られ内に籠っていく
冷え続ける
冷え続ける
空気を阻む厚い布の箱の外
凍えた雲が空気に滲んで行く
黒くなって水を含んだ土の下
芽吹く熱は地下へと伸びて
周りを押しのけ外へと競う
陽へ溶ける
陽へ溶ける
次は「うそつき」で 見たいものを自分で書いてこうぜ
「うそつき」
彼は気が変になってから
人が読めもしない文章を書いては
それを詩だと言い張る様になった
ある日金を持て余した奴らが来て
大金をはたき、その詩を根こそぎ買っていった
彼の心ごと
彼の詩は街中に貼り出され
それを見た信じ易い人々は
詩とはそういう物なのだろうと、何となく思うようになった
心まで買い取られて抜け殻になってしまった彼は
ある日自分の妄言が街中を支配しているのを見て
「こんな物は詩ではない」と叫んだ
空洞になった彼の心に詩が宿り
彼はやっと本当の言葉を書くことが出来たのに
その時はもう人々の心が根こそぎ買い去られた後だった
空っぽの人々は自分の欺瞞に気付きながらも
自分を守る為に嘘をつく
唯一信じるべき本物の詩を指差してこう嘲った
「こんな物は詩ではない」
次は、「山ばかりの島」 「山ばかりの島」
ここは絶海の孤島
波打つ海岸には何もない
そびえたつ隆起した山々は
何物をも拒むように生い茂っている
ただただ静かに
彼らには誰の訪れもない
時々聞こえる鳥の鳴き声が
静かにこだましているだけだ
ピィーピィー…
キィィーキィィー
あとは風や鳥たちの羽ばたきの音だけが
波打ち際に語られるものはない
何ひとつも 流れつかない
山々のざわめきは島の長い孤独な沈黙を守るだけ
いつまでもいつまでも
波の音、とりの声だけがこだましている…
ザザザザザ ザザザザザ
キィィィ キィィィィ
………………
次「氷の城〜女王、そこに住む人〜」
氷の城
我が物顔で暴力の女王
ブリザードをまきちらす
住民は誰も逆らわない
従順に氷のオブジェ
意を決した狙撃兵
回廊を見渡せる塔の上に陣取る
そして銃を抱いた
女王は狂気の回廊で高笑い
狙撃兵は感情を消す
両者の視線が交錯しても
どちらもそれを歯牙にもかけず
両者の対立は負のスパイラル
こんな形で出会わなければ
あるいは違う道もあったのかも知れない
次「狼」 飼い犬のほうがいいよ
愛想振りまいてれば
美味いエサ食べれるし
一匹狼なんて突っ張って
仲間がいないと
何もできないくせに
力で熊に勝てるかい
速さで鹿に勝てるかい
視力で鷹に勝てるかい
知略で猿に勝てるかい
大森林の深淵で
凍てつく雪山で
都会の喧騒の中で
南国の夜風と波音の中で
孤独な遠吠えが聞こえたらそれは
僕たちの中にある狼
次「焼酎」 「焼酎」
冬は熱燗がいい
ひとりで傾ける盃があればいい
ぼっちは寂しいなんて思わない
こうして熱い酒を傾けているだけで充分だから
「飲まない?」
「飲もうよ」
食卓の前の熱帯魚に話しかける
テレビに語りかけるよか有効だ
酒の効きの早い今夜、早めにフトンを敷いて寝よう
俺は鼻の先を拭って思った…
次「さくらモチ」 慕った男に裏切られ
恨みツラみでその人の子を生贄に
丑三つ時に悲鳴の如き呪詛を唱える
昨日まで春の香りがしていたと思えば
女とは底恐ろしいものですね
今日は黒く生臭い怨霊でございます
桜がほんのり赤いのは
誰の血のせいでしょうか
さくらモチを食べる時は
噛み締めてくださいませ
血の…
血の味を…
次は「ホリえもん」
「ホリえもん」
あんなコトいいな、ヤレたらいいな
あんなウソこんなウソいっぱいあるけど
みんなみんなみんな、叶えてくれる
汚いおカネで叶えてくれる
あんあんあん♪
とってもしぶとい、ホリえ〜もん
あんあんあん♪
とっても嫌われ、ホリえ〜もん
次は「白いキミ、モフモフ」 「白い君 モフモフ」
君のそばに居ると
悲しい事など忘れる
寒いベッドの中
君が喉をならせば暖まる
白い君に顔を埋めたらモフモフ モフモフ 溶けてく
君は僕を知っている。強い僕も、弱い僕も。銀河を包む星のように、暖かく愛しい白い君
次「夜の星」
久しぶりの帰郷
懐かしい仲間
カーステレオ
ウルサイばか騒ぎ
ふと見上げた
田んぼの夜空
俺たち今
宇宙にいるんだな
あの星はキミ
キラキラずっと
あなたはアレ
燃えてるヤツ
ここ生まれて
出逢った神秘
夜の星
きれいだね
次「パスタ」 「パスタ」
やたらめったらパスタばかりが残っていたから
昼に使おうと思い具材料を探してたんだが、
冷蔵庫に生たらこと生卵しかなかったので
とにかくパスタをガーッと茹でれるだけ茹でて皿に盛った
大盛り山盛りのパスタの上に、
生卵といたのと生たらこつぶしたのを和えて全部かけた
それで上から塩コショウをパラパラ… バジルもパラパラ…
あとはホカホカなのを一気にツルルルルルルーッッと
無我夢中で啜り込むだけだ
食後の手間かけて挽いたコーヒーがウマかった ふん
次「いとしき者たち」 計画停電で雨なら蛍雪はNHKになる
原発と失業率と戦争のニュース
そんなリアルな終末論を聴きながら
お前が居てくれて嬉しいと思う
朝がきたらお別れなのかな
君は僕を残して行くかもしれないが
私にはそれはできない
また不幸なニュースが流れたら
雨と君とテレビでみんなで泣こう
そんな悲しい時間はいとしいと思うから
次「社長を辞任」 社長を辞任 じにんじにん
にんじん食べない子供が大人に
にんじん食べさせない大人が子供の
命の恵みをひっこぬく
日曝し浴びて眩しくなって
土の中にかくれんぼ
今度は美味しいにんじんを
今度は美味しいにんじんを
「通り雨」 「通り雨」
花吹雪が舞う夜道
花冷えにくしゃみが出た
クシャンッッ .。o飛ぶ飛沫
わが足音が、桜散る並木道にこだまする…
コツコツコツコツ
ふと冷たいものが顔にあたった
夜風と共にパラパラと幾粒のも雨が空からこぼれ落ちててきた
パラパラパラ、パララララ、サーッッッ… ……
「逃げるが勝ちだ!」
足早になり、私は走った
カツカツカツカツ、花弁を踏みつけながら駆け抜けた あなたが英語の先生だったころ
つまらないことばかり聞くわたしに
いつも全力で答えてくれた
大学ではレポートを手伝ってくれて
都会の遊びやキスの仕方や悪いことや
内定先の裏事情まで教えてくれた
式場はあなたのレビューがいいところ
夫は一目で I'm Feeling Lucky な人
知性が高すぎて怖いとこまでそっくり
あなたと出会ってもう10年になります
わたしはきっとずっとただのイチ生徒
でもわたしにとってあなたは一番の…
次「生一丁!」 「生一丁!」
やァ、ようこそ
宵闇の酒場へ
このジンフィーズはサービスだから…
「生一丁!あと、焼き鳥ねッッ!」
ウン、またなんだ済まない。まず飲んで落ち着いて…
「おい、生一丁だっつってっだろ?聞こえないのか?」
…殺伐とした世の中でそういう気持ちを
「早くしろ!ないなら帰るゾッッ!」
わかりました。少々お待ち下さい。
オーイ、生一丁! あと、焼き鳥ねッッ! 「熱い珈琲」
煙の沙沸で一晩の旅箪笥
目覚の天気はくしゃみになる
灰皿朝..洲付例を飛ばす乱れた一房
居間の足音が、木霊通りを並んで...
女
吸殻、何か表面が冷たい
熱が待ちいくつかの雨を注ぎ高い方へVEの夜風を振りかける
煙、原、ごくり... ... ...
"それは霧勝ちだ!"
渇望屁䟽で、私が走った
脆い花びらを介して駆けている
次の方「宴」でお願いします。 「宴」
みどりがさいてゐる。
みどりがほころんでゐる。
ねそべりふふふとわらってゐる。
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次、「汐犀(しおさい)」
「汐犀」
ここに立って
目を閉じた時にだけ見えて来る映像がある
永遠に戻って来ない筈の者が、戻って来る
そんな映像が
『それじゃ、さよなら、ともかく全力疾走、そしてジャンプだ、錘のような恐怖心からのがれて!』
記憶以外に残っている唯一の文章を諳んじる
目を閉じる
潮騒は巨体が駆ける足音に変わり、
人から生まれ変わった獣の姿が闇に浮かび上がる
角の生えた獣だった
「そんな重そうな体で、何処に跳べるって言うんだ」
私がそう言って目を開けば、それは波へと姿を戻す
幾重にも打ち寄せる獣の突進は、靴を、靴下を、裾を、すっかり湿らせる
やがて私も跳ぶと約束した
しかし何処へ向かって走ればいい?
お前は一体、その重い体で何処へと跳び、消えたのか
絶海に、恐怖心の錘だけ身に付けて投げ出され、
一体何を踏みしめて跳ぶというのか
汐は私の熱を攫っていく
自殺者の魂が犀の形を得て、海の彼方から無数に打ちつける
私の足に
次は『日常生活の冒険』 『日常生活の冒険』
「玄関を出るときポケットからネジを落とさないこと」
「太陽がいつもより眩しい」
こんな日は要注意
よくもわるくも
あのことわたし
同じ日、同じ時間に生まれた
あの日あのこはネジを落とし
わたしは太陽を見なかった
同じ時間を生きても、違う時間を泳いだ
あらがったってわたしも落とす
同じ種類のものを
次は「誤算」でお願いします
或る哲学者が恋をした
ツァラトゥストラの語りき
灰褐色の浮世の果てには
崖下と波しぶきばかりであったが
一輪の儚き花が只々実存していた
恋とは何か 愛とは何か
崇高なる哲学は
一人の女によって覆され
そしてそれを再び覆した
そして哲学者は表の裏の裏は表ではなく
別の世界であると気づいた
生物学と資本主義の答えは
実証的に且つ論理的に正しい
そして世界は論理的であったが
同時に非論理的であった
哲学者は崖から飛び降りた
残された男は一人
哲学者の誤算に涙していた
次「逃避」
遠くから浅黒い肌の獣たちがやってくる
各々手にはマサカリを持ち地べたを這いながらやってくる
真夜中
中天には月もなく妖しい光が舞っている
言葉を介せず話す獣たちはやがて一つの家を見つける
風上から風下へ紫色の炎がうねり
その家は火を背後に建っている
女がヒトリ 窓辺にヒトリ
獣たちは耳を動かし歯を剥いて威嚇している
恐怖が獣たちを支配する
炎に呼ばれた女は胸をはだけ穴の無い乳房を絞る
アバラの浮いた体には9匹のムカデが絡み付いている
穴の無い乳房からは何も零れず
みるみる獣たちは痩せ細っていく
言葉を介せず獣の一人が喋る「これを見よ」
自らマサカリで首を刎ねた獣の肢体が前後に揺れる
神々が来た
神々が来たと口を開けず舌を使わず残りの獣たちが叫ぶ
9匹のムカデは神々の羽を与えられ
地に残った獣たちを攫いゆく
ただ一人自ら首を刎ねた獣は
ただヒトリの女の乳房に喰らいつき
その豊穣なる血液を飲み干す
女の干乾びた体は血を求め大地に降り立つ
「これから無数の絆を殺めよう」
「獣とムカデは一体になり天に地に住まわせよう」
「私は夜の火となり水となり世界を呑み尽くそう」
女の胸を飾る獣の首が言葉を介せず叫びました
神々が来た
神々が来た
ニゲロ!
ニゲロ!
次は「溶解」 「溶解」
答案用紙の空白に
ソフトクリームの絵を描いて
大学の教室を後にした
ぽたぽたとしたたる
あまいしずくに
ありが列を作る
ありかなしかどっちかでいうと
なしだな
合コンの後にアイスクリームが
とろける
梨畑では今年も高齢者たちが馬車馬のように
ワーキング
さあ 帰ろう
とろけそうな
ろばにのって
次のお題は
「Re;市中引き回し」 「Re;市中引き回し」
曇り空が雨降りに変わり
私の瘡蓋もじゅくじゅくとしてきました
覚えて居るかな
あれは確か昨日の午後三時
荒縄で台車に私をくくりつける間中
あなたは俯いてずっと照れているようでしたね
街の人達が私に注視して
投石を繰り返している時も
あなたの方が私よりずっと恥ずかしそうにしていた
あなたがついに恥ずかしさに耐えきれず
足を止め地面にしゃがみこんでしまった時
どんなにあなたと代わってあげたいと思った事か!
あなたと交代で馬がやって来たのは
そんな私の願いが叶ったからなのでしょう
猛スピードで馬は走る
天と地がひっくり返った
台車を引いて
次は「ハッピーバースデー先生」 「ハッピーバースデー先生」
黒板一杯のラクガキ
白いチョークとピンクのチョークの大きな字が踊る
入ってきた教師はいつものように驚いて、そして
なぜか怒らなかった 次にわらって涙ぐむ
コレはおまえらのしわざかい?
彼は笑いながら言った
みんなも笑いながらそうです、と言った
困ったなァ、まいったなァと
新任第一日目の時のように彼はつぶやいた
あのときもそうだった
黒板にはいっぱいのラクガキが
センセイのカオと生徒のカオで埋められていたのだ
そのときも彼はあきれながらも笑っていた…
今日は「お誕生日おめでとう、先生これからもガンバってね!」と書かれていた
これじゃ授業にならないじゃんか
じゃぁ、このままお誕生会でもしようか?とみんなは言った
生徒の次々と持ち寄るプレゼントを受け取りながら
まいったな、まったくおまえらは…
いつまでも先生はテレてニヤニヤしていた 人に出逢う
生まれおちて家族に出逢う
塾で友だちに出逢う
職場で嫌いな上司に出逢う
初めは嫌いだったが
今では妻である女性に出逢う
※今も少し嫌いなところがあるにはある
新しく生まれた命に家族として出逢う
街をゆく何でもない人たち
誰かが誰かに出逢う
この子もいつか誰かに出逢うのだろう
人が人である限り
出逢いも少なくなってきたころ
ふと古いノートに出逢った
かつて自分が出逢った世界を
構成する美しい要素が
未熟な工芸家によって
モザイク画のように散りばめてあった
私はまだ若いと思い直し
新しいノートを買った
うねうね うねうね
上下にダンスしている
僕の大切なゴールデンボール
温度調節をしているのさ
ああ 忙しい
ゴールデンボールは休みなし
五月の連休も
僕はふたつのボールの
現場監督
次は
「ハーレム・デイズ」 「ハーレム・デイズ」
薔薇色の壁に埋もれた男が よく言ってたんだ
女に優しくけして悪口は言わないことだ
どんな性格の女も美人に越したことはないが
それなりの娘にも全身見れば美しさはあるもんさ
星の輝きの女たちよ 僕に抱かれてくれないか
下心が見えてるのに あからさまに告白しよう
ギャクに(笑)取るくらいで親しくなったら
メールアドレスよりも先にhigh
薔薇色の壁に埋もれた男は こうも言ってたんだ
恋は一夜限りの方が思い出も美しい
欲張ってキープばかりしていると不幸な目に遭う
運命を感じさせ いつかまた会えるなんて曖昧がいいんだよ
僕はあなたの言うとおり 大勢の娘と恋ができました
だけどあなたのように口が旨くはないから
少し厄介な展開になっています
一夜限りといったのに欲張ってすいません
ハーレムを楽しみたかったんです
彼女たちは今日もきれいです
大勢集まるとまるで宝石のようにギラギラと輝いています
すごい嫉妬です憎悪です
押しつぶされそうです
薔薇色の壁に埋もれた男は
最後にこう言ってたんだ
「こうなったら俺みたいになっておしまい サ」
ペシャ
次回「ロケット」 『ロケット』
積んだ荷物が重いのか
少しだけ傾いて発車してたロケット
今はただ孤独に宇宙を漂っている
後悔しているのだろうか?
重荷を抱えて漂うキミ
このまま果てるまで永久にグルグル回っているのだ
意思も感情もないキミ
エネルギィが尽きるまで孤独なんだろう
静かな空間
何十年も前の昔の他の機の残骸が浮かんでいる
静かな空間
星くずの闇だけが存在している
その孤独のままに眠れ
次「色っぽい色」 「色っぽい色」
血染め首齣の地謡で居いた人に七癖我が身に八癖を怠り賊なう
耽美よりなんとかで。
刺殺するように 刺殺するように 胸や眼高手低を突出し刺殺して貫くように
五月末日日の上擦を奏め賊なう
次は「純真無垢故質の悪い」でお願いします。 [純真無垢故質の悪い]
おじいちゃんの命日に
おじいちゃんの大好きだった刺身を墓石に盛り付ける
親族一同
マグロ
マグロ
孫の
イカの
イカの
それ以下の
女体盛りみたいになっちゃたね
生臭坊主がささやいた
もられたのかもったのか
このあとには
ワカメ酒にいっぷく
次は
「棍棒と幼女」で
「棍棒と幼女」
ちいさな手でお手伝いするあなた
一生懸命にまな板の上で棍棒を転がしている…
マナちゃん、今日はありがとう
初めてのお手伝いだね
お手手が粉でまっしろだ
小さなエプロンまで粉で白くなったね
さぁ、あとは2人でオープンに入れて焼くだけだ
きっとおいしいパンが焼きあがるよ、楽しみだね
次「つつじ祭り」 「っつじ祭り」
ブログの女王はアイドルママン
メロンパンが焼けたよ
メロンパンが焼けたよ
メロンパンが焼けたら
っつじ祭り
○×ゲームのアトラクション
回数が減る魔法
会場は赤、橙、ピンク
色とりどりの花の中
メガネのアイドルママンは
今日もにっこり
っつじの可愛らしさに
僕もにんまりラッキーデイ
つぎは「カゴの中のアイ」 「カゴの中のアイ」
お空は青く晴れてて
空気はさっぱりと澄んでいて
お外はとっても気持ちいいのに
アイはいつもカゴの中
ひとりで唄ってひとりでごはん食べて
ひとりでお水飲んでひとりで眠る…
高い建物の一室にさびしく軟禁されているアイ
アナタは永久に出られないのかもしれないね
ご主人が帰るまでアイはひとりぼっち
気楽でいいけれど、
窓の外のスズメたちと話してみたい
一緒にベランダから飛んでみたい…
でもアイの願いはかなわないだろう
ご主人がアナタを離さない限りは
アイはカゴから出られない
次「バスストップ」 「バスストップ」
初夏を肌に感じながら
時刻表と睨めっこ
ちょっぴり錆びたベンチに一人ぼんやり座り
大きなため息混じりの深呼吸
通い慣れた場所まで私を運んでくれるはずのバスは
何故か「冒険行き」のバスに変わっていた
ワクワクドキドキ…少しだけ行ってくるね
冒険の場所に
帰りは「今度こそ行き」のバスに変わっているはず…
初夏から真夏に変わってしまわないように…
待っていてね
ほんの少し未来のバスストップで…
次は「紫陽花」 「紫陽花」
うっとうしい梅雨の時期の一服の清涼剤
白い色が赤くなるのはいつ?
赤い色が紫になるのはいつ?
雨の中をしとど濡れる花達
カサで遮られる視界からのぞく色とりどりのブーケ
しっとりと煙る景色の中で
彼らは色鮮やかに存在している…
次「雷雨」 「雷雨」
夕暮れから降り出した雨が屋根を叩きつけている
合間に稲光と雷鳴がとどろく
ドドドドドドォォー ンン
古い家壁がきしむ
体にも振動が来る
何に対して怒っているのかわからない
そんな激しい空の爆音
フト見れば愛猫もスミで丸まっていた
おいで、私も怖いんだ一緒に震えていよう
ネコと共に丸まって怯えていた
次「雨の日」 「雨の日」
いまどき、長靴をはいて
レインコートを着込み
降りしきる雨の中
原発へ投降する
むれ
水中ゴーグルを
通して放射能を見た
雨が降りそうな日の前に
群れて飛ぶ小虫のように
とびかっている
こっちの水は苦いから
人口ホタルはとびたった
雨の日はもっと甘くていい
海に垂れ流された
粒子は
ぽつりと
つぶやいた
次は
「女子高生とサドル」でお願いします。
「女子高生とサドル」
工業団地に近い国道。
渋滞を尻目に山沿いを通りすぎてく自転車、
眼鏡のおさげ、
ぼくのお母さんみたいだ。
後ろを斉藤和義から精液をめ一杯引き抜いた様な
口もとの弛いバカが走る。
バカが走る。
バカが走る。
バカがうつる。
バカの目もとを凝視している間に
クラクションがパーパー鳴る、
俺は焦ってアクセルを踏む。
すぐに激突しそうになって
急いでブレーキをふむ。
バカが移った。
バカが転移した。
朝から このバカが!!
そんなこんなで信号待ち、
この町に茶髪はいない、
工場に行けば嫌でも見るケド……
サドルになりたい……。
そう思いながら
またクラクションに急かされて、
ハンドルを握り直すのであった……。
※おしまい
次は「児玉清」で。
(もしくは、『アタック25』ネ) 「児玉清」
きよしと聞くとやどろくを思い出す
あの方となんたる違い
ヤダヤダ
ウチのやどろくもちっとは品がヨければ良かったのに
これからもあのカオを見なければならない
あぁ ヤダヤダ…
児玉さん、もう見れないなんて悲しいです
できればアナタとウチのを変わってほしかったワ
わたしのジェントルマン、心の殿方マイスイートハニー、きよし
次「ひとり飯」 「ひとり飯」
米櫃の
砂が命の限りなら
今宵一粒
飯ひとりごちて
next「バストトップ」 Whereby at the next bus stop I was,
when I had been holding by my sister.
Don't show me aftermath of separation.
Don't spread my world from this field.
Now I'm with another field and on another era.
But southern wind softly provokes my old luxury memory.
次「父の日」
「父の日」
古びた言葉は
重みを増して
伝えきれない
日々の優しさを
何気ない今日を
飾る花は
あなたの面影を
映す色にして
幼い頃の
夢を一つまみ
涼しい風と
縁側の月見酒
いつかあなたが
与えてくれた
彩り豊かな
ささやかな温もり
ひとつふたつ
思い返し
包んで渡せたら
懐かしい日向に
小さな寝息
ありがとうと
呟いてみる
「蝉」 「蝉」
ジィジィ
ジィジィ
ジィジィジィジィ
ミーンン ミーン
ミーンン ミーン
蝉しぐれにかこまれて
フト、幻聴が聞こえた
遠くから風の音
近くから誰かの声
それでもこだまする蝉の鳴き声
ジィジィ
ジィジィ
ジィジィ ジィジィ…
耳を澄ませてみれば向こうに滝の音
自分の耳を頼って歩いた
ミーンミーンミーンミーン
ミーンミーンミーンミーン
どこまでも追いかけてくる蟲たちの声
逃げる私の後を追うようにソレは続く
ジィジィジィジィジィジィジィジィ…
ジィジィジィジィ
次、「恐れ」 「恐れ」
何時だって羨んでいた
興味がないフリをしながら
何時だって蔑んでいた
認めることに怯えていたから
誰かの幸せと不幸せを願うたびに
己の立ち位置が不正確に崩れていく
助けてとは言わない
助けてとも言えない
怠惰に縛られた私の夢
「殺意」 「殺意」
シンシンと静かに
降り積もってゆく雪のように音もなく
わたしの心の深層部に溜まってゆくもの
殺意が
認めようとしない、できない自分と裏腹に
日に日に勢いを増してゆくのが、それが
とてもコワイ
消したくても消せない程の強さを持って増してゆくそれ
私は恐ろしく、どうにもできない
次、「とおり雨はざわついて」 「とおり雨はざわついて」
ぼくはずぶ濡れ
きみは通り雨
冷たい雫と風で走らされた
少しも待ってられなかった
解けてしまうものを持ってたから
すこしも待ってられなかった
静まらない鼓動はまだ生きてる
なにが生きてる
解かすべきこの塊
きみもうどこにもいない
次は「半分の嘘と半分の本当」
小田原行きの東海道線
真夏の太陽の熱視線
浴びてきらめく海岸線
それを眺める君とは
もうちょっとでいい線
そんな期待は半分嘘で
「大人の女になるまでは
せめて子供でいさせて
いまは夏と相思相愛なの」
などと意味不明な供述をしており
そんな半分本音に聞こえる
2人の夏い片思い
ああ、夏いぜ
夏だから夏に恋したの?
ああ
確かに夏の間僕らは
本音と嘘を論理明快理路整然と使い分ける
大人にはならないんだなあと
大人になってきっと知るのだろうか
「背中越し」 「背中越し」
背中越しに話すキミ
あたたかな体温を感じながら答えるボク
互いによりかかりながら
降る雨の音聞きつつ、お茶を飲んでた
背中越しのランデブー
こんな午後のひと時もい
キミがお茶を淹れようと立ち上がるのを止めた
まだあとほんのちょっと、このままでいようよ
背中越しのままボクはそう言った
次、「もしもあのとき」 「もしもあのとき」
うさんくさい説明通りに種をまいたよ
尻尾のみえたかわいいキツネの言うとおり
この腐った地面に寝転んで
青い月の光をあびたよ
両親の罪の結晶だからその呪文は無効
かわいいキツネさん
さよなら
かわいいキツネさん
次は「4匹目の子豚」 「四匹目の子豚」
有り得るのかしら
よいこととわるいことの
見分けがつかなくなってしまうこと。
私、あの三兄弟とは、とっても仲のいい友達だった
一番上のジェイは、無鉄砲なところはあるけれど
やんちゃで気持ちのいい男の子だった
二番目のエスは、負けん気が強くて
それでいて思いやりのある子だった
三番目のヌーも、賢くて兄思いのいい子だった
彼ら微笑ましいくらい 仲のいい兄弟だったのに。
いいこともわるいことも、六つの手でみんな共有していたのに。
あなた、彼らの小さな小さなコンプレックスを意地悪くつついて
一生懸命につくった壁を壊して
きれいなところも、よわいところも
残らずみんな平らげてしまった。
そうしてしまったその夜に、あなたがお月さまの下 泣き続けていたのも知っていたけど
私、どうしてもあなたをゆるせなかった。
かわいそうなジェイ。
かわいそうなエス。
かわいそうなヌー。
かわいそうなディード。
私、月夜にうっすら光る、頑丈で繊細な鉱石をさがして
ちょうどよいのを、二つ、さがして
岡の上に小さな塔を立てたの。
綺麗な花輪を二つ編んで 一つずつ塔に掛け
祈るようにしながらそれでも これがよいかわるいかわからない。
有り得るのかしら
よいこととわるいことの
見分けがつかなくなってしまうこと。
純情でかわいそうな 四人のともだち
鉛いろの夜風が、あなたのための鉱石をなぜてゆく
さらわれた黄色の花びらは
そちらまで届くのかしら。
明日だれかの血肉になる私でも
同なじところであえるのかしら。
『スペシャリテ』
国道沿いの埃にまみれた看板が下がる店
ピッツァとスパゲチ
もう建って以来30年もそれだけのメニュウでやっている
店の主と妻と2人だけで
静かに寄り添いながらの経営
看板料理などない
なにしろピッツァとスパゲチしかないのだから
だのにおかしいかな
この店の名は「スペシャリテ」
何を思い、この名前にしたのだろうか?
熱いコーヒーを飲みながら考えた
窓の外はトラックが走りぬけてく度に埃が舞う
今日も客はわたしだけだ
このさびれかけた店に来ないか?
看板メニュウじゃないが、ピッツァもスパゲチもおいしいから
そして主もその妻ももてなしてくれるからさ
次、「夏日」 忘れがちなもの
お疲れメール
荷物の受け取り
ダイエット
朝食
決済指図
ロシア人は冬を難なく越えること
イラン人ドライバーの満面の笑顔
レトルトカレーのうまい銘柄
きみとの会話
流れ星への願い
夏日の輝き
いま生きていることの奇跡
次*
さらば大地よ
さらば大地よ
宇宙の中の
銀河系の中の
太陽系にある
地球という星の
アジアの中の
島国と呼ばれる
その国の その時代
ある瞬間の ある波は
教えてくれた
たまたまでも
どんな因果でも
ちっぽけだと思っていた土の上
間借りしていただけだった 自分のこと
受けいれてくれていたのは
どっちだったのだ いったい
地下深くでは どこまでも繋がっている
この国の 今に生まれた
ただそれだけで
生きているのだと
さようならを言うのは
きっと
わたしのほうではないだろう
---*-
次は、「またあした」
で。
思い出に確証が持てないということは
辛いことかい?
顔も知らない誰かについて
唯一今も確かそうなことは
ああ、こんなひとだったな、とか
いかにもな程アバウトで
勘違いを畏れたりして
また、靄々のむこう
遠くなる
そういえば
「またあした」、なんて言えたことも
多分、なかった
・・・・・
思い出に確証が持てないというのは
辛いことかい?
最近聴き返したレコードが、全く誰かみたいだったので
久しく変な気持ちになった
またあした
またあした、
多分聴いてる
・・・・・
か
初夏に関わらず、まるで
もう夏が過ぎゆくような
思い出に確証が持てないということは
ほろ苦い
今はね。なんて
お酒を舐めるよう、誤魔化している
明日も
急に下忍に降格したため1レスに纏められずすみません
&バイバイさるさん?で大変遅れましたorz
次、「憑き耳」でお願いいたします。 言葉のちからは大きくて
てのひらに収まらなかった
君の心は
手入れの届いた髪に隠れて
二度と会えない
思い手はどこか遠くへ
置き去りにはできない
絶望は雨の夜の色
僕をなじる僕の声が
ただ憑いてまわる
もう一度がないなら
この耳を切り落として
無音の世界に住みたいけれど
切り落とされた耳は
ますます憑いてまわるだろう
これからは静寂も喧騒も
何も望まない夜
次
[退屈] [退屈]
見たいものは見せない
見たくないものは1から10まで並べてあげる
最後にとっておきを転がしておくから・・・
お菓子を親指と人差し指でつまんで顔の前にちらつかせ
こっちこっちと誘導されて
なんとなく涙目になって
あたしはあんたの退屈しのぎの遊び道具
讃ゝと 陽の降り注ぐ空のした
左の一葉が申します
(お疲れになられたのでせう。お櫛を梳いて差し上げます。さぁ、そのままお眠りになられては?)
滔々と 陰降りしきる空のした
右の一葉が申します
(眠りたいのは俺の方。分かりもせず触れやうなんて反吐がでるぜ。俺はお前が嫌いだね)
太陽の熱を受けまして
星々の嘆き受けまして
芽吹いたこころが悲鳴をあげる
だけども茎は繋ぎ、
根は支へるのでせうね
体も 頭も 交じり合ふこころに犯されて
栄養、栄養、光 と 水
実体のしれぬ双方に濯がれてゆく
>>182
お前たちはどんな植物に育つだらうね。
昼でも夜でもなひ時間
ぽつ、と語りかけたら
それきり右も左も
しんと黙つてしまつたんだ
お前たちを双葉と名付けることが
僕はげに恐ろしく
虚勢もいひ、
悪態もいひ、
互いの一番にうつくしひところが
傷つかぬやう惑いやし
太陽も月も星々も
決してお前たちを恨んではおるまい
フタバ、のココロしらぬまま
今日も僕は勝手を言う
明日には雨が降るだらう
洗われておやり
フタバ、
次「許してあげない」でお願いします 「許してあげない」
炭酸の中で漂うサカナ
藻からあふれる優しい泡
どうかガラスケースは叩かないでください
かれらとぼくらを隔てながら繋げる境
そのフレーズしか僕らを繋げない
叩かない叩かない
無意識をころしたい
両手を組んで胸に押し当ててひざまずいて
無意識を意識したい
炭酸の泡が手のなかであたたかい
サカナタチはもうとっくに水から解放されていた ・gravity
例えば地平に足の裏をへばりつけていること
いいえ、それすらかなわず
冷たい土の温度や湿度を
起き上がれない右半身で感じ続けていること
それが引力に因るものだとして
引力がある種の厳格さを持ちうるとして
だとしたら厳格さなんてものは
酷く無関心で冷淡なものだと私は思う
真面目さゆえに心の中に天井から綺麗に垂れる縄のわっかを飼っていたり
また
真面目さゆえに現実に垂れ下がるそれには決して首を通せなかったり
地面の湿気は私の肌をじわじわと腐らせ
美点となり得るはずの特性は
私を生殺しにする以外の作用をしたことはないと言っていい
人間の調子のよさにうんざりし続けた私が再度
泥の上で引力について思う
これが厳格なら無関心で冷淡 だが
余程、公正で公平だ
私はこの泥の上で腐りゆくことが
決して悪くないことだと識り始める
心が腐る前に早く私を泥にしてくれ
Hurry,…… gravity.
次、「めしくい」でお願いします 「めしくい」
慣れてはくるが
空の青がまた
意識を超えて
感覚だけの頼り
床をはいずる
果実のペイント
気が紛れたら
それでよかった
指先まわして
綴るラブコール
収まらないのは
苛立ちのせいにして
耳元の女神
お願いすぐに来て
そう、いつもの
疼いたのは胸か腹か
あたたかな
温度を保ったまま
届けられた
吐息を押し殺して
釣りはいらない
満たされることを
覚えてしまった理由
気をつけて
火をつけて
もうじき
絡み合う感触
衣纏う
心惑う
ドア越しに囁いた
愛が浮遊
I love you.
君は気付かずに
むしくい
僕は気付いたら
めしくい 「蚊取線香」
ぐるぐる
渦をまくけど目の回らないにおい
香ばしいけど美味しそうじゃなく
美味しそうじゃないけど相懐かしい
あのにおい
香ってる
くるくる
夏、あいつ
そう思っていたのは
もう時空間5mほど後ろ
追いかけておいで。
思っても
ぐるぐる
寄り道、規則正しく時間をかけて
今はもう
さるさる
だけどあいつ
いなくならない
もう少し離れてもいいよ。
一枚板のむこうかわくらい
ぐるぐる
目がまわる?
あ、
くるくる
次、「ハニープディング」でお願いです。
「ハニープディング」
屋根はレンゲ 壁はアカシア
ビルとビルの間にラベンダーの夕日が注がれる頃
みつばちが通う小さい店
おすすめはハニープディング
今日の苦味と ついでに自分の甘さも
金色の蜜にとかして、もう一度のみこむ
少し喉が痛くなる
ビルとビルの間にクローバーが揺れていた
次は「勇気銀行」でお願いします
>>190
すごい可愛い感じがする ガーリーっていうのかな
「勇気銀行」
たまりゆけば好いな 少しずつ
冷たい水に飛び込むこと
悪を蹴り倒すこと
授業中に挙手すること
ちょびっとちょびっとたまりゆく
ちりもつもればなんとやら
自分の気持をはっきり明言して嫌われるのを恐れなくなるのは難しいから
少しでも噛み砕いて言おうとして伝わらない僕はむずむずした
振り込まれる勇気 どれくらいたまってるのかわからないけど
いつか時が来たら下ろしに行こう
いつか時が来たら封筒に入れてあの娘に会いにゆきたい
次は「セーター」でよろしく 「セーター」
むずむずするのさ
その、
鼻の上まで引き上げたタートルネック的な、あまりにタートルネック的な
ねえムーミン
じゃないんだから
はずかしがらないで
誰もが一人では生きていけない
だから君には
一歩踏み出して
心を開く小さな勇気さ
保険も効くんじゃないかしら?
包茎手術をして
男にならないと
ダメだぞ☆
次「兄貴」 「兄貴」
言葉少なくキラーパス
その揺らめきに待つ姿が
苦手ないわれだ
僕を見て…そこにいるわけがあるんなら
眉一つ動かさずに
そんな兄までが饒舌になる
此度の戦
次「ホルモン焼き」 「ホルモン焼き」
波乱仲が焼け野原
腹ん中も焼け野原
煮えくり返って煮詰まった
どこまでいっても やけのはら
ご注文の品、以上でしょうか?
次は「アクセサリー」でお願いします 「アクセサリー」
彼女は大宰は僕のアクセサリー
ファッション
だと云ったから
大宰を詠んでみた
いつも
身につけていたい
そう伝えたかったのか
大宰を飾りとして
自らを魅せたかったのか
もっと奥深い意味なのか
「地震」
地球が震える
奮い立つ
沸き上がるパワーが
マグマの熱い血潮が
荒ぶる波をたずさえて
舐める
舐めつくす
ぱっくり裂けた
次元の歪みへさようなら
↓次は「カッコイイ」でお願いします。
「カッケー」
格好良いと書く
格が好き、だから良いと読んでみる
格は格言の格だ
なんとなく元は渋い言葉だったのかもしれない
カッケーに
現代は変わったが
そうやって変わっていく
昔は太った人は美人だったという
だからなんでいちいち整形するの
カッケーて言われたいの?美人だと言われたいの
未来、骨折し歪みまた矯正整形した人たちを知っていても
そこまで世間の価値観に合わせることは
愛情に敏感、過敏だということかな
カッケーという文字も
そんな風に骨折し歪んだ文字なんだろか
いやな感じにとってはいないけど
次は「整形」
お題:整形
「笑顔のつくりかた」
見た目を繕いたいんじゃない
俺が俺でなくなればいい
まっさらの
ただの白い紙になりたい
君を奪った海を
すし詰めの体育館を
すがる思いで歩き回ったことを
忘れたくない
忘れられない
でももう辛すぎて
思い出したくない
いつも泣きそうなこの顔さえ変われば
感情のない白い紙になれるかもしれない
作り笑いなら笑えるかもしれない
君を見つけられずに町を出て
無縁社会の「街」に来て
いい年過ぎたこの俺が
整形するか悩んでる
―先生、笑顔になりやすい顔ってできますか?―
次は「忘れ形見」お願いします 忘れ形見
外面は男らしい人だった
人懐っこい笑顔は皆に愛され、人を愛する心は皆に親しまれた。
そして、全てを裏切った。
彼の忘れ形見は、姿形はそのままそっくりだけど…困ってた…何をしても適わない…どうしていいかもわからない…人はそれを見逃してはくれない。
頑張り屋の忘れ形見は、地道に生きて行った。淡々と黙々と生きて行った。
彼とは別の自分の世界が出来上がっていた。彼のように器用な生き方は出来ないけど、暖かい家庭を築き上げたのだ。
人から親しまれ、愛され、それを裏切った彼は忘れ形見に大きな課題を残して逝ってしまった。
しかし、よく頑張ったな忘れ形見、彼は後悔もしてる筈だが、本当に喜んで感謝してるんだよ。
これが、「供養」人が共に養うと言う事なんだと…彼の忘れ形見を見てるとそう思う。
義理と人情に挟まれて(ダブルバインド) いばらのない道はありますか
あるのなら教えて下さい
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