忘れちまった悲しみに、じっと手を見る。
ああ、思い出しました。
自転車に犬を乗せて港に行った。
魚釣りしてた。
ぬこが魚もらいに来てた。
帰る途中、小川でおじさんが小魚とってた。
いや、忘れてる。
何だったけか?
思い出せない。
くだらないことだったことだけは憶えている。
だが、忘れてるのが悲すい。