詩を書く
風揺らぎ月を思ふは恋心、雨降りし甘き心かな空蝉の時雨夕暮れ、泣き叫びそなたに合いたいというておる境界を越え、諸行無常のその先にきっと楽が眠って有ろう 二つの詩は共通の内容で書かれているが、別人。
信仰の光を持たざる者にはたわごと。
しかし、彼らに救いはない。
そして醜く生きた揚げ句、虚無の中に消えていく。 自転車こぎながら想像してみた。
特攻隊員の気持ち。
戦闘機は物理で飛行し、物理で体当たりし、物理で死ぬ。
だから、物理学と無関係ではいられない。
だが、操縦する隊員は物理学で片付けられない。
隊員の気持ちは、想像するしかない。
高校時代の倫理社会の教員は元特攻隊だった。
感情が薄れていくらしい。
死の恐怖やストレスを軽減するためにそうなったのだろう。
で、俺がそういう立場になったと想像してみた。
あまりに巨大で残虐な運命である死を前にして、まともに受けたらキチガイ
になるだろう。だから、お国のためとか天皇陛下万歳とかで合理化し、己を
英雄として観ないとやってられない。そういう気になる。
無法松は貧乏暮らしの中で未亡人の息子の名義で当時500円貯めていたと
いう映画のセリフと敵艦に突入してお国のために自己犠牲しようとする自分
とを重ねさせたんだな、当時の人は。あきらめと言うか、そうして吹っ切れ
てただただ弾幕をくぐりながら敵艦に突入したんだよな、きっと。
それは情け容赦ない物理学的法則のに従った敵弾の軌道もあるが、そこには
それだけでは説明のつかない世界があったというわけだ。
出来ないことをするというのはそういうことだ。 俺は演歌が大嫌いなんだが。
それはみんな同じ調子だというところや、
乱暴な歌い方、押しつけがましいところ、
描かれる人間の馬鹿さや泥んこぐちゃぐ
ちゃ感で汚い。
が、どういうわけか「親の血を引く兄弟よりいもぉ
おちちいーほしーいがるこの子がかわいい」
とかが頭によきった、俺のアタマが本格的にいかれだしたのかと
思うが、そんなことより、親の血を引く兄弟よりも
信仰に結ばれた関係にある兄弟というのは新約では
重要だ。イエスは血縁よりも信仰による愛で結ばれた
関係に言及している。
だが、やはり演歌は嫌いである。
汚いから 聖なるもののイメージ。
罪深きものが触れてはならない対象。
覆い隠された真理、手のとどかぬもの。
清らかなるもの。
光、そして雪の結晶。
永遠なるもの。 なんと美しい心
なんと汚いおしり
どこどこずってんころりんこ
高い高いこころざし
高い高いローレックス
どこどこずってんころりんこ スゲェ━━━━━━ヽ(゚Д゚)ノ━━━━━━!!!! 忘れちまった悲しみに、じっと手を見る。
ああ、思い出しました。
自転車に犬を乗せて港に行った。
魚釣りしてた。
ぬこが魚もらいに来てた。
帰る途中、小川でおじさんが小魚とってた。
いや、忘れてる。
何だったけか?
思い出せない。
くだらないことだったことだけは憶えている。
だが、忘れてるのが悲すい。