【石井 幸孝さん】JR九州元社長が示す北海道鉄道再生の道(北海道新聞、どうしん電子版より)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/213095?rct=n_jrhokkaido

JR九州の元トップが、北海道の鉄路の将来を案じている。
不動産や飲食店事業など同社の多角経営を軌道に乗せ、
2年前の株式上場につながる土台を築いた初代社長の石井幸孝(よしたか)さん(85)だ。
JR北海道は今、経営難で大幅な路線見直しを迫られている。

何が彼我の差を分けたのか。
北海道の鉄道再生の道筋はあるのか。
国鉄時代に道内勤務経験があり「北海道が大好き」と言う石井さんに聞いた。(報道センター 吉田隆久)


■赤字の根っこは人口密度の低さ。国策で収益調整しないと   
――JR北海道が2016年11月、10路線13区間を「単独では維持困難」と発表しました。
「ごく当然だと思いますよ。むしろ遅きに失したくらいですよ」

――JR北海道の経営は失敗したのでしょうか。
「違いますよ。 構造的な問題ですよ。
鉄道事業の損益は、営業エリアの人口密度に決定的に左右されるんです。
つまり、人口密度が1平方キロあたり350人を超えれば黒字を確保でき、350人未満なら赤字。
JR東海エリアの人口密度は511人で、100円売り上げれば40円の利益が出ます。
比べて北海道は68.2人で100円売り上げたら赤字が60円ですよ。
九州はまだ恵まれていて307人。100円の収入に対し7円損します」