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JRの現状は国鉄末期より深刻。コロナ禍で鉄道事業の傷深く
国鉄最後の決算と比較してみる

新型コロナウイルス感染症により、JR各社の経営は厳しい状況が続いています。
最新決算の赤字は国鉄末期と同水準で、今期の鉄道運輸収入は国鉄時代に及ばない可能性が高くなってきまし

各社の単体決算の営業赤字は、JR東日本が1470億円、JR東海が734億円、JR西日本が821億円、JR九州が103億円、JR北海道が213億円。5社合計で3341億円の営業赤字を計上しています。

仮に、このペースで赤字を1年間積み上げていけば、JR5社が通期で約1兆3000億円の営業赤字を計上することになります。

次に、国鉄最後の決算を見てみましょう。国鉄は1987年4月1日に分割民営化しましたので、最終年度は1986年度となります。

国鉄1986年度決算の損益計算書の概要によると、旅客収入が3兆269億円、貨物収入が1676億円、雑収入が2183億円、自治体からの助成金受入が1883億円となっています。
これに営業外収入3605億円をくわえた3兆9616億円が収入の合計です。

経費は、人件費が2兆1152億円、物件費が1兆2135億円、利子が1兆3253億円、償却費等が6681億円、営業外経費が213億円です。
経費合計は5兆3433億円です。差し引き1兆3818億円が純損失となっています。

コロナ禍の赤字の状況が1年続くと仮定したJRの営業赤字約1兆3300億円と、
国鉄末期の純損失の金額は、ほぼ同じです。JRの四半期決算の赤字が「国鉄末期並み」というわけです
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