■自己都合退職者の7割が40歳未満の若手社員

 JR北海道の島田社長は「経営自立に向けた経営改善が継続可能になるという意味で大変ありがたい」とした上で「徹底した経営改善に今後、背水の陣で臨む所存だ」と話すが、依然として再建の道筋は見えない。

 なかでも深刻なのが、若手社員の大量流出だ。20年度のJR北海道の自己都合退職者は過去最高の183人に及んだ。しかも、その約7割が40歳未満の若手社員だ。同社は22年春入社の採用を21年春並みの270人としているが、このままのペースで退職者が増えると「列車運行に直接支障が出てくるところまで来ている」(島田社長)という状況まで追い詰められている。

 実際、函館線(長万部〜小樽間)では倶知安保線管理室に勤務する社員2人が新型コロナウイルスに感染し、運転士を含む社員約50人が一斉にPCR検査を受けたため、2月28日から3月1日にかけて一部運休する事態に陥った。運転士不足による運休は異例で、2月28日は運転士不足により5本が運休し、3月1日も31本の運休を決めるなど、人手不足が日常の列車運行に影響しはじめている。

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