「説明と理解は別」リニア工事めぐる有識者会議の中間報告受け静岡県知事がJR東海にくぎ刺す
12/22(水) 19:55配信 Daiichi-TV(静岡第一テレビ)
https://news.yahoo.co.jp/articles/236062fcf061c62e5b1d724cd7df1a41f2377adb
リニア新幹線の工事をめぐる国の有識者会議で中間報告がまとめられたことを受け、静岡県知事はJR東海に対し「説明したことが理解を得たことにはならない」と、くぎを刺した。

リニア新幹線をめぐっては、静岡県内区間の着工をめぐり県とJR東海との協議が難航。その仲裁役として国交省が有識者会議を立ち上げ、トンネル工事による大井川の水への影響について1年8か月にわたり議論してきた。

12月19日にまとめられた中間報告では、「工事でトンネル内に出た湧水を大井川に戻せば中下流域の水量は維持される」と評価された。一方で、静岡県が求めている、県外に流出する水を含めた「全量戻し」の方法は示されず、県や流域市町とさらに協議するべきと指摘するにとどまった。

21日、斉藤国交相はJR東海に対し、地域の理解と協力を得るよう直接指導した。

(斉藤鉄夫国交相)
「地域の皆さまの理解と協力が何にもまして不可欠です。地域の方々と理解し合いながら真摯に事業を進めていただききたい、この
ように強く指導します。」

指導を受けたJR東海の金子社長は、22日の会見で、静岡県や流域市町に対する姿勢について考えを述べた。

(JR東海 金子慎社長)
「リスク管理とモニタリングをしっかり実施して、そういうデータを地域と共有することが大事だと助言、指導された。私たちは前よりは説明ぶりもよくなったと思うので、経験をまた静岡県と流域市町との話し合いに生かせればと思っています。」

一方の静岡県知事は、JR東海が行っていく“説明”についてくぎを刺した。

(静岡県知事)
「JR東海に申し上げなくてはならないことがあります。説明をしたことが理解を得たことにはならない。説明内容について分かるということと、工事を進めていいかどうかということは全く別であります。」

静岡県は今後、専門部会でJR東海と協議を続ける方針だが、リニア問題の解決の道筋は見えないままだ。