余りにも知られていないが単列星型偶数気筒は理論的に1次振動のみなので
バランス100%のクランクウェブで慣性6分力完全∞次数無欠バランスとなる。
各気筒単体作動だとピストン速度波は正弦波からズレるが
星型偶数気筒では向かいの気筒が全くの逆作動である事が作用し
互いのピストン速度波が正弦波に矯正し合う仕組みで干渉し合う事に因る。
この作用が成立するは単列のみなので例えば180゚V型12気筒では成立しない。
ここまでは180゚V型2気筒にも同じ理屈が働くが、フラットプレーン。
フラットプレーンではなくなる星型偶数気筒では運動死点も消え見事
6分力を1次振動のみに止めるに至る。

だが理論的には6分力完全∞次数無欠バランスでも現実は最低でも
コンロッドは4本、これを対称的に構成するのは難しい。

昔の星型U型ユニフローエンジンの構成に6分力完全∞次数無欠バランスの
ヒントになりそうな構成の物の画像を発見。
U型ユニフロー星型4気筒
http://cr4.globalspec.com/PostImages/201001/thiokol_01D826FC-EE90-9C84-2FBEA41AA3EDC0B0.jpg

クランクシャフトを2本とする事で正4角形リンクの傾斜を規制している。
画像はU型ユニフロー形式で各気筒コンロッド2本だが、これを模倣し
各気筒コンロッド1本でも4気筒なら正4角形の、6気筒なら正6角形の、と
偶数Eに対し正E角形リンクを2つのクランクシャフトで繋げば良い。
…とは言った物の、ヒントを応用してみたが、うーん…
単列と言えば単列なんだが慣性6分力完全∞次数無欠バランスするか不明。

因みに他形式で慣性6分力完全∞次数無欠バランスを得るとなると
水平対向シリンダーエンジンだと最低6気筒2階建てのH型12気筒
水平対向ピストンエンジンだと最低3気筒2階建て計6気筒で成る…が
両形式とも1階と2階とで同爆としなければ成らない。
しかも間歇燃焼による脈動トルク振動を加味すると
等爆にした方が低振動となる。