>だからこそ、核シェアリングは必要性が大きい。

だからこそ、の説明が抜けている。核シェアリングは、軍事的能力としては戦闘爆撃機の航続力の範囲で
アメリカが認めた弾頭数の使用が認められるというもので、SSBNの報復のように敵国を滅ぼす破壊力で
核攻撃を思いとどまらせるものとは根本的に異なる。一発だろうが誤射だろうが、撃ってきたからには死ん
で落とし前を付けてもらう、というのが戦略核戦力の仕事となる。なのにアメリカの顔色伺いながら、ウチに
も核爆弾が保管されます、預かり物で核攻撃されても使えないことも十分にありえますが、などという話で
は、誰も「日本に置かれた核」を日本が「戦力で撃ってくる」と認識することはない。

アメリカは非核兵器国に核は渡さない。投射手段としての弾道弾も渡さない。イギリスの核武装に協力し
ているのはマンハッタン計画でカナダも含めて共同開発したからで、イギリスに売ったポラリスを売っても
らえる買えるかも、とイタリアは発射管を積んだ巡洋艦まで用意していたが、戦略核だからと拒否された。

日本が抑止したいのは戦略核攻撃で、それには敵が戦略核攻撃を行った場合に報復する能力が必要で、
破壊力は日本が核攻撃を受けた際に見込まれる損害すなわち「国家の存続が困難」なレベルを敵に強要
する必要がある。アメリカエネルギー省の出した戦略核攻撃でソビエトに与える損害の目標値というのが、
人口の1/5とか工業の1/3の即時破壊だった。

アメリカは日本だからという以前に、NATOが相手でも核を供与したりその発射権限を与えたり戦略核抑
止ができるような選択肢を与えたりすることは無い。これはQDRの記述で変わることもない。

いったい>>581の言う核シェアリングとはどんなものなのか。まったくわからない。