>>840
> 複座が単純に強いならF-22やF-35に複座型がない事が説明つかない

複座のメリットは人間の眼という故障のリスクがほぼ皆無のセンサーが2倍になること
特に後方や側方を別の人間の眼で見張れることによってパイロットは前方だけに集中して空戦機動を行えるのが非常に大きい
つまり前方の敵機を追いかけている時に後方から第2の敵機に忍び寄られて撃墜されるリスクが減るということだ

実際、70年代初期のF-14とF-15との模擬空戦では可変後退翼ならではの誘導抵抗の減少によるループ運動での優位だけでなく
その類の差で優位に立てたケースもあったとのことで、「それならばいっそのこと、F-14の後席を後ろ向きに付けてはどうか」と
真剣に検討されたこともあったそうだ(ずっと昔の航空雑誌のF-14臨時増刊で読んだことがある)

これもアメリカ海軍はF-4ファントムUの昔から複座戦闘機の後席要員にはパイロットでなく兵装士官(レーダー迎撃士官)として
専任者をきちんと育成して前席との明確な役割分担を行って来たからだ(後席要員は初級練習機での操縦課程を合格した後は
後席専任として育成されるので、戦闘機のようなジェット機の操縦資格は持たない)

だがアメリカ空軍はベトナム戦争で戦闘爆撃機しか持って欠陥を突き付けられて空戦できる戦闘機として海軍から急遽F-4を導入した時でも
後席も前席と同じくパイロットを充てたので、前後席での役割分担が不明瞭なままになってしまい、F-4の運用も海軍ほどには上手く行かなかった

その結果、戦闘爆撃機のように後席のお仕事が自動的に明確になる機種を別にすれば(というかアメリカ空軍の戦闘機の大半は戦闘爆撃機だが)
制空戦闘機や迎撃戦闘機では複座を嫌い単座に拘るという歴史的経緯がある

(だから逆に、アメリカ空軍では複座戦闘機は後席でも操縦可能が基本だが、海軍のは練習機兼用モデルでない限り後席では操縦できない)

まあ、それと単純に複座戦闘機は単座に比べて機体が大きく重くなり(大きくしなければ航続距離が減るし)機体単価も維持費も上昇する原因になる、
更にそれ以上に問題なのが、複座は単座に比べて運用に2倍の人件費(搭乗員の給料や飛行手当などの諸手当)が必要だという事実だ

だからアメリカ海軍もF/A-18からは戦闘機は単座が基本になったわけだ