どの時代を見ても、断トツの棋士は中終盤の読みが的確で群を抜いて強い
昔も今も、ソフトとは無縁の江戸時代もソフトが最強になった現代でも同じだ
序盤はどんなに上手く指しても真似されたら終わりだから序盤力だけで勝ち続けることはできない
先手で勝ちやすい戦法を会得しても相手に先手を持たれたときは逆の立場になってしまう
直接対戦している限り、戦法の知識や情報は共有されていくのだ
相手の得意を避けることもできるし、相手の得意に乗ることもできる
だから、天彦も広瀬も羽生も集積知に違いはない
広瀬が羽生に勝っているのは中終盤力が逆転したからにほかならない
そして、今の棋士でタイトルを独占するほど飛び抜けて強い棋士がいないのは中終盤力が群を抜いて強い天才がいなくなったからなのだ
当然、全盛期に直接対戦がない歴代の棋士の中から最強棋士を探すのもこれに尽きる
「その成績においてまごうことなき天才性を発揮した棋士は誰か?」ということだ
自分は迷うことなく大山を推挙する
娯楽としての将棋熱が庶民の隅々まで浸透していた時代に出現し最高の棋士として認められた天才だからだ