>>609
さて、全盛期(43歳まで)の大山には羽生のようなことがない
二上であれ有吉であれ、加藤、内藤であれ、誰が本格化してきても大山の牙城は揺るがなかった
羽生は有力棋士がいないときに、あるいは有力棋士が本格化する前だったからタイトルを稼ぐことができた
もちろん、20歳以上も離れていると全盛期がまったく重なり合わないので、重なっていたらどうなっていたかはわからない
大山の場合は中原とは44歳のときが初手合いなので、それ以前の大山ならどうだったかはわからない
大山と羽生の違いなら一目瞭然だ

48歳までに大山は中原に18-27(0.400)と負け越している
では、羽生の44歳以降の勝敗は大山より誉められたものなのか
羽生は天彦に6-12(0.333)なので大山の対中原勝率よりも悪い
だからといって、羽生より天彦が強いと結論することはできないだろう
43歳以前の羽生なら天彦より強かったにちがいないからだ
中原はどうかというとA級棋士になってから27歳までの5年間の勝率が211勝78敗(0.730)だった
A級棋士で勝率が5年連続7割を超えたのは、後にも先にも中原のみである
これだけの棋士を相手に44歳すぎて勝率4割の大山と天彦相手に勝率3割3分の羽生では明らかに大山が格上の棋士だ
大山は44歳すぎても何年間は中原以外の棋士に勝率7割をキープするほど強かった
羽生は大山のようには強くない
44歳以降、藤井に0-4、菅井に2-6、永瀬に4-5、豊島に12-14、広瀬に10-10、渡辺に10-8と全盛期とは違ってかなり負けが込んでいる
羽生の全盛期に豊島、永瀬、藤井が本格化していたら羽生はタイトルを稼ぐことができていなかったのではないかと疑問視されても当然だろう