この対局時、久保棋士は、三浦棋士が、夕食休憩後という終盤において、しかも自分の手番で午後6時41分から7時12分までの31分間も継続して離席したほか※、他にも離席が見られたことなどから強い不信感を抱いた。

ただし、本件映像分析の結果では31分間にわたる離席という事実は認められない。

久保棋士は、かかる誤った認識を元に、2016年7月29日に開催された関西月例報告会において、対局中に電子機器を使う不正(いわゆるソフト指し)があり得るからその規制をすべきという提言を行い、
その中で、ある棋士が自分の手番時に約30分間も離席したことから、不審に思い、会館内を探したが見つからず、対局後に検証したところ、当該離席後の指し手と将棋ソフトが示す指し手とが一致したという事例を紹介した。
久保棋士は、この報告会の場では、この事例が三浦棋士との対局(久保戦)であると述べなかったものの、後日、東常務理事に、三浦棋士との対局についての発言であったことを伝え、このことは谷川会長にも報告された。


※久保棋士は、当時時計を確認していたとのことであり、本件ヒアリングでも、かかる時刻を明言した。