豊島先生のご武運をお祈りします
ラスボス役大変ですが、頑張ってください
https://news.goo.ne.jp/article/dailyshincho/nation/dailyshincho-750447.html
最年少九段になった藤井聡太を真に心配する恩師 「いや、寝ているようじゃダメです」 2021/07/05
粟野仁雄(あわの・まさお)
デイリー新潮取材班編集

「CMに出ている場合ではないのでは」

子供の頃の藤井を指導した瀬戸市の「ふみもと子供将棋教室」の文本力雄さん(66)は「王さんを囲わずに戦う棋士は昔も升田幸三さん(故人・名人)などがいましたが、おもしろい将棋でした。王さんだけが生き残るかのような印象ですね。でも将棋はそれで勝ちですから」と喜ぶ。

 しかしこうも語ってくれた。「聡太は今、渡辺さんに勝ったことよりも頭の中に渦巻いているのは、こないだ豊島さん(将之 31 叡王・王位の二冠)に完膚なきまでに敗戦したことでしょう。悔しくて悔しくてたまらないはず」。文本さんは幼い藤井聡太少年が負けると将棋盤にしがみついて大泣きする姿を何度も見てきた。「泣きはしなくても今も変わらない。寝られないのでは。いや、寝てるようじゃダメです」。

「対局が一回きりで終わっている人もいるとはいえ、聡太はプロ入り後、これまで合計8人の棋士に敗北している。中でも豊島二冠にはコテンパンにやられて1勝7敗。王位戦の第1局は、時間をたっぷり余してさっさと投了してしまった。あんなことは珍しいが勝負師として豊島さんの方が上でした。強い苦手意識を持ってしまったらもう真のトップにはなれません。今のうち何とかしなくては」と心配する。

 偶然かどうか、藤井はこの夏に防衛戦の王位戦、新タイトル奪取を目指し叡王(えいおう)戦を戦うが、ともに相手は豊島二冠である。

プロ5年目の藤井にとって豊島将之は最大の「キラー」だった。昨年まで藤井は6連敗。今年に入りやっと一矢報いただけ。これを機に勝っていくかとも思ったが、藤井にとって防衛戦である七番勝負の王位戦第一局(6月30日)は驚くような大敗だった。藤井は敗れても大差はまずなかった。

「聡太は豊島さんを倒してこそ本物なんです。浮かれているとは言いませんが、まだまだ彼は修行の身なんですよ。本当は『コマーシャルに出ている場合ではないぞ』と言ってやりたいくらいの気持ちですよ」と文本さん