>>464
杉村 96勝4分(千日手)ですね。
松本 ちょっとなに言ってるかわからない、という感じですね(笑)。当時のelmoに対して水匠は、二枚落ちで勝つこともあるんでしたっけ?

杉村 そうですね。
松本 一方で、そのAlphaZeroの系譜を組み、DL系の代表格であるdlshogiもまた、最近めちゃくちゃ強くなってきた・・・というのが最近のコンピュータ将棋界の最前線ですね。2020年、電竜戦を制したのがdlshogiでした。

杉村 いまは従来型の将棋ソフト(NNUE系)と新しいDL系の将棋ソフトが完全に互角ぐらいの強さなんです。いちばん楽しい時期かもしれません。
渡辺 従来型のソフトは、ゆくゆくは勝てなくなっちゃうんですか?

杉村 たぶん1年後には、いままでの将棋ソフトは全部駆逐されちゃいますね。
渡辺 ええっ! そうなの?(笑)

杉村 その未来が見えてるので、私も含め、今は新しい方しかほとんど開発してない開発者が多いです。いまは移行期ですね。
渡辺 決定的になにが違うんですか? もう作り方が違う?

杉村 そうですね。作りが違います。決定的に探索が違うし、使うパーツも違うし。ほとんどすべてが違うので。ついに、Bonanza以来の仕組がほぼすべて変わった感じです。
松本 Bonanzaは2005年発表でコンピュータ将棋界にブレイクスルーを起こしました。2007年に歴史的な渡辺明竜王−Bonanza戦がおこなわれて。

渡辺 新しいDL系のソフトも、誰でも真似できる作りなんですか?
杉村 そうですね。これまでと同じく、オープンソースで公開されているので。

渡辺 莫大な費用がないと無理とか、そういうんじゃないですね。
杉村 はい。ただ、自己対局をさせてその結果を学習させるという部分でマシンパワーをむちゃくちゃ使うので。dlshogi開発者の山岡忠夫さんはHEROZに所属されています。

松本 HEROZは対戦アプリ将棋ウォーズで有名なIT企業ですね。山本一成(ponanza)、平岡拓也(Apery)、一丸貴則(ツツカナ)という有名将棋ソフトの開発者の皆さんも所属している。
(松本追記:PALの山口祐さんもでした)