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「教授」勝又清和七段が見つめた藤井聡太三冠の変遷と現在地「14歳の藤井さん、15歳の羽生さん」
2021年10月13日 6時0分スポーツ報知

 将棋の第34期竜王戦七番勝負が8、9日の第1局で開幕し、挑戦者の藤井聡太三冠(19)=王位、叡王、棋聖=が豊島将之竜王(31)に先勝してタイトル奪取に向けて白星スタートを切った。今期は棋聖防衛、王位防衛、叡王奪取。史上最年少三冠となり、2016年12月のデビューから5年弱で棋界統一を視野に捉え始めている。「教授」の愛称を持つ勝又清和七段(52)は、藤井将棋の変遷と進化を誰よりも見つめてきた棋士。同世代の羽生善治九段(51)と重ねて「神が与え給うた棋士」と語る。(北野 新太)

 ―現役棋士として、10代三冠の誕生をどのように受け止めているのでしょう。

 「タイトル獲得者には2年目のジンクスというものがあります。羽生さんは19歳で竜王になりましたけど、翌年は1勝4敗で失冠しました。谷川浩司先生も21歳で名人になって、翌年は防衛はしましたけど棋聖挑戦は3連敗で敗退しています。さすがに藤井さんも調子を崩すのでは、と思って『今期は防衛で十分。タイトルを増やすなんてことになれば神様なのかもしれない』なんて原稿を書いたりしていたら…こんな感じですから。驚いているのが正直なところです」

 ―さらなる活躍につながる契機のようなものはあったのでしょうか。

 「1月の朝日杯、7月の王位戦第2局で豊島さんに勝った将棋はひとつの転機だったと思います。6連敗していた豊島さんに初めて勝った朝日杯、黒星スタートからタイに戻した王位戦第2局。どちらも劣勢からの逆転です。藤井さんには指運(ゆびうん=難解な局面で迷いながら指した手が好手になるか悪手になるかの運)を手繰り寄せる桁違いの力があるんです。『ここで負けていたらどうなっていたか…』という将棋が多いんですけど、藤井さんは勝つんですよね」