全盛期を定義することから始めないと有意義な議論はできない
まずは全盛期の期間をどうするかを決めなければならない
最も強い1年で全盛期の年齢を決めるのは賢いやり方とは言えないだろう
なぜなら、最も成績がよかった1年は自分の得意戦法がたまたまその年の流行戦法と一致しただけという棋士も少なからずいるからだ
そういうわけで、中・終盤力も含め最も強い年齢は1年では決められない
鳥瞰するなら全盛期の期間は10年で、もう少し限定したければ5年だろう

また、レートはインフレするので最高に強かった1年とレートのピーク年はかならずしも一致しない
たとえば、対局後の1年間のレート平均だと、羽生のレートが最も高かった年度は2014年度で2023だった(終戦後からのレートがわかるサイト調べ)
2014年度は羽生が44歳になった年であるから誰もこの年度の羽生が一番強かったとは理解していないだろう
2番目にレートがよかったのは2000年度の2014で、3番目が2012年度の2007である
意外なことに七冠を獲得して自己最高の勝率だった1995年度のレートは1995で、2005年、2013年に次ぐ6番目のレートでしかない
期間が短いことからくるイレギュラーは俯瞰することで回避できるが、棋士のほんとのピークを理解するためには更なる工夫が必要だ