【散歩】永井荷風【踊子】
最近、荷風にハマって「断腸亭日乗」「墨東奇譚」「つゆのあとさき」を読みました
他にこれは読んどけって本、ありますか?
「あめりか」「ふらんす」以外で >>751
腕くらべ、おかめ笹、浮沈・踊子あたりはいかがでしょう?
腕くらべは新品売ってるかわからないけど中古であると思います 751です
ありがとうございます
ブックオフにあるか見てきます >>754
参考までに腕くらべはAmazonなら中古で500円前後、おかめ笹はちょっと高くて1000円~って感じでしたよ
あとはネットの中古屋さん他にもあるからブックオフに無かったら調べてみて下さい 751=754です
ようやく、おかめ笹と すみだがわ を入手しました
おかめ笹は面白く読めたのですが、すみだがわの風景などの描写が
あまりにも素晴らしいので、ちょっと感動しました
今まで色んな作家の本を読んでるけど、あんなに精緻かつキラキラした描写は
初めてと言って良いほどです。
荷風先生がこれほどまでに素晴らしい方だったとは、
恥ずかしながら知りませんでした。
勧めてくださった方、ありがとうございます
けど、まだまだ入手出来てないのがあるので
そちらも楽しみです >>756
>>752です、楽しめたようで良かったです~ 岩波だと随筆集上下巻も良かったし
中公文庫から最近3冊くらい新しく出たものもありますよ BOOKOFF 数年前にね チェックした時も高かったし今も買取価格ですでに高いんだけど
どれだけ永井荷風の価値が高い かってことだよ 独身で、文章書いたり散髪したり美味い飯食ったり風俗行ったり、の気の赴くままの毎日
それを昭和の30年間続けている
羨ましい人生だと思う
俺も金さえあればそういう人生を送りたいんだが でも戦前も戦後も割と同じ店に通っていわゆる美食家ってタイプではないよな
谷崎なんかと違ってあんまり食に対するこだわりは薄そう もっとも荷風がのんきに気ままな毎日を送るようになってからは、文学作品はイマイチになったのだろうね
ハングリー精神を失うと傑作を生み出すことはできない グルメ、散歩、風俗通い、執筆
他のことをやらずにその4つだけをやって30年とは、最高の人生を送っているわけじゃないか
文化勲章ということは世間的にも評価されていたわけだし 文藝春秋
荷風の末裔
磯ア 憲一郎
2024/03/07
昨年の夏に父が亡くなってから以降、年が明けて現在に至るまで、なぜだか荷風の文章ば
かり読んでいる。父が永井荷風の愛読者だったというわけではない、しかし父の生まれ育っ
た葛飾区亀有の、開渠沿いに蛇行しながら続く板塀や、踏み固められた地面から立ち上(の
ぼ)る湿気の、あの冷んやりとした感触を、荷風の書いた描写から思い出している、という
部分はあるかもしれない、父の実家の庭の土は石炭でも含んでいるかのように真っ黒で、子
供の素手では容易に掘り返せないぐらい硬かった、私が住んでいた千葉の赤土の地面とは明
らかに違っていた。
『濹東綺譚』は二十数年振りに再読したのだが、「大江匡」と名乗る語り手の「わたくし」
が、英語教師「種田順平」を主人公とする「失踪」と題する小説を書き進めながら、私娼街
玉の井で出会った「お雪」との交情を描く、一方で当然ながら読者は作者があの永井荷風で
あることも了解していると考え併せると、本作はどうしてこんな複雑な二重、三重の入れ子
構造を持つに至ったのか、やはり不可解に感じられる。自分自身も物書きとなった今、改め
てじっくり読み返してみると、いかにも小説らしいカタルシスにだけは意地でも流されまい
とする作者の捨て身の抵抗が、この歪ともいえる作品構造に結実したように思われてならな
い、唐突に挟まれる注釈や逸脱は、その抵抗の痕跡なのかもしれない。 西洋文明と真っ向から対立し続けたのは、荷風こそが最後の人物だったのかもしれない。
彼の作品群は、「負け犬の遠吠え」「曳かれ者の小唄」と評されることもあるが、その徹底したリアリティには目を見張るものがある。
ああいう世界を築き上げるには、相当な資金と労力が必要だったろう。
また、荷風が生きていた時代には、わずかにではあるが江戸文明の面影が残っていたことは、彼にとって幸運だったと言えるだろう。
現代の私たちにとって、妾宅のような場所はどこにも存在しないのだろうか。