0892吾輩は名無しである
2017/05/06(土) 08:41:31.75ID:mLOYSpYn(中略)
太宰が戦後に共産党に入党したという「事実」に即した文学研究や批評は、私見の及ぶ限り、いまだ存在しない。
太宰は、戦前における共産主義からの転向のやましさを戦後に持ち越し、それが太宰の文学の特徴をなしているという、奥野健男の『太宰治論』以来の理解が、いまだ支配的である。
おそらく、現代の文学研究者・批評家は増山太助の証言を知らないのであろう。
そして、この共産党員=太宰という事実を踏まえれば、その文学に対するイメージも大きく変更を余儀なくされるに違いない。
スガ秀実『1968年』