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岩波の文庫版およびちくまの厚表紙版については読んだことがある
岩波の文庫版は訳語がやや古風で訳文全体としてより硬質な印象
ちくまの厚表紙版は訳語がやや現代寄りの印象

現在販売されている訳書には、京大出版会の厚表紙2巻本もある
1巻訳者の逝去により、2巻は別の訳者による引継および解説記述となっている
詳細にはまだ読み込んでいないが、ざっと目を通した限り、各訳書中最も現代寄りの印象

ちくまの訳書については文庫版化もされているが、こちらは未読
厚表紙本の訳文には、文意がやや不明瞭な箇所
(冒頭の、各ポリスの外交方針の推移に関する記述など)が散見され、
こうした箇所に関してどの程度の推敲が為されているか、
文庫版を今後読む機会があれば確認したい

注釈は、岩波の文庫版の内容が非常に大量かつ詳細
また、岩波の文庫版には、同時代史並行の詳細な年表も併載
ただし、岩波の注釈は、該当箇所アステリスク、該当ページおよび該当行数のみの表示で、
個別番号が無いために、箇所特定がやや面倒
また、注釈を含む文中に誤植がところどころ見受けられるが、
過去少なくとも18回の再版はあっても厳密な校訂までは行われていない模様

ちくまの厚表紙版には、マルケリヌスによるトゥキュディデス伝を併載
ただし、この個人伝自体は、史実性に難点が多いとされる
なお、ちくまの文庫版には、この個人伝は併載されていないとのこと

京大出版会の厚表紙版のうち2巻には、
古代ギリシア史の一般事項に関する用語解説ページあり