ドストエフスキーの著作からの影響は、なんとも言葉にしづらいな。
罪と罰を読んでから本の虫になった自分は、あれを読んだときは自分というものを現実世界における異物と感じていた。
自分が今ここにいるということの必然性がまったくわからなかったんだな。
殺人願望があったわけではないが、その異物感をとりのぞくことならなんでもしたいという危なっかしいという、なんというか、思想の種?みたいなものを抱えていたかな。
まったく貧乏ではなく、並の高校生とおなじように親のすねをかじっていたから、
ラスコーリニコフというキャラクターがそういう当時の自分とかぶったわけではないんだが、それでどうしようもなく感情移入して、
ラスコーリニコフは自分の代わりに殺人を冒したのだ、と思っていたっけな。