橋川の言いたかったことが以上のような含みを持つものだとすれば、宮台の言うことも一理はある。
実際三島自身も橋川には降参しているのだ。

「(貴兄の二指摘に)私はたしかにギャフンと参ったけれども、この二点こそ私でなくて
天皇その御方が、不断に問われてきた論理的矛盾ではなかったでしようか」(「橋川文三氏への公開状」)。

ギャフンて…(苦笑)。
「もともと矛盾した存在じゃないのぉ、天皇なんて?」などとは山崎行太郎みたいな没論理な言い草である。
まったく答えになどなってやしないのであった。