『戦争と平和』を一緒に読もう!
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3月開始を予定しています。 当方、以前に【米川訳】で既読。 今回は【北御門訳】をメーンに、 新たに【藤沼訳】と【英訳】も参照。 先行での参加も可。 米川vs北御門の「誤訳論争」 【米川訳】、【北御門訳】どちらも読みやすい。 そのうちに訳文の相違点を列挙しますからね。 ロシヤ人による【英訳】も。 >>21 北御門っていう人も良いの? ハードカバーがあるのもいいし、 水上村ってのも縁があるから買ってみようかなあ 人生論みたいになってる。縦横韻文考えてないし。押韻字もない。 >>20 米川正夫はすでにパブリックドメインだが、「戦争と平和」は青空文庫にはないようだ なお米川訳はスキャンしたやつがキンドルで売ってる 探してみたら米川正夫訳のリフロー型電子書籍もあったわ 1500円するけどね 『戦争と平和』第一部・第一篇・第一章の後から2段落目の最後 【米川訳(岩波文庫)】16−17頁 「どうかこの話をまとめて下さい、そしたら私は永久にあなたのヴェールヌイ・ラ―ブ(忠実な奴隷)になります。 もっとも、私の領地の百姓頭が報告を書く時にはいつでもラ―プ (子音bは語尾に来るとpに発音されるので無学の百姓は発音どおり書くのである)ですがね。 あのかたなら生まれも立派だし、お金も十分にあるし、私に必要な条件をすっかり備えているんですからね。」 >>26 のやつ、米川訳に勝手に手を入れて改訳してるっぽい いくらパブリックドメインでも同一性保持権は失われないはずだが いずれにしても勧めない、買わないように 【北御門訳(東海大学出版会)】6頁 「どうかその話をまとめて下さい。そしたら私は永久にあなたのウェールヌイ・ラ―ブ(忠実な奴隷)になります。 私の領地の百姓頭の報告書ではいつもラ―ブとなってますがね。あのお嬢さんなら名門だし、お金持ちだし、願ったり叶ったりですよ」 【藤沼訳(岩波文庫)】28頁 「この話の段取りをつけてください。そうしてくだされば、わたしはいついつまでもあなたのヴェルネイシー・ラ―プ (もっとも忠実な奴隷)になりますよ(うちの村長が報告書に書いてくる綴りだと、発音どおりの誤字にしてますがね)。 そのお嬢さんは家柄がよくて、金持ちだ。わたしに必要なものがそろっている」 【英訳】 “Arrange this business for me and I am your faithful slave for ever (slafe―as my village headman writes me in reports: f instead v). She's from a good family and rich. That's all I need.” 【北御門訳】は意味不明。 親切なのは【米川訳】。 【工藤訳】ではどうなのかな? 【北御門訳】は思いっきり意訳なんだろうね。 笑っちゃう話なんだと思う。 「忠実なる奴隷」ではなく「ただの奴隷」。 【工藤訳(新潮文庫)】 「〈この話をなんとかまとめてくださらんか〉、そしたらわたしは永久にあなたの忠実な下僕(ラーブ)になろうよ (もっともわたしの領地の百姓頭の報告書には、いつもラープとしてありますがな)。 とにかくそのお嬢さんは名門だし、お金持だ。わたしに必要なすべてを備えておられる」 「ラーブ」は「下僕」にルビ 「ラープ」の「プ」に傍点 「刺繍」なのか? 「編物」なのか? 第二章第3段落冒頭 【米川訳】18頁 ボルコンスキイ公爵の若夫人は、金で刺繍をしたビロードの袋に、 刺繍の仕事をいれて持ってきた。 【北御門訳】7頁 ボルコンスキイ公爵の若夫人は金の刺繍をしたビロードの袋に、 編物の手仕事を持ってきた。 【藤沼訳】31頁 若いボルコンスキー公爵夫人は、金糸で刺繍をしたビロードの袋に 刺繍の手仕事を入れて、やって来た。 【英訳】 The young princess Bolkonsky came with handwork in a gold-embroidered velvet bag. >>35 【工藤訳】 ボルコンスキイ公爵夫人は金糸の刺繡のついたビロ ードの袋に 編みものを入れて持ってきた 。 ハンドワークというのはようするに「手編み」でしょう 編みかけの手内職を 金糸で刺繍の施されたベルベットバッグにいれて こちらにやってきた 位の意味だろうね 僕も参加させてもらおうかな。 河出書房の中村白葉訳なんだか挿絵が気晴らしになってくれないかと期待。 僕も参加させてもらおうかな。 河出書房の中村白葉訳なんだか挿絵が気晴らしになってくれないかと期待。 第六章第1段落 【北御門訳】では第7章第1段落 【米川訳】50頁 公爵夫人リーザが入ってきた。 彼女はもう別な内着をつけていたが、 これもおとらず優美で爽やかなものであった。 【北御門訳】27頁 公爵夫人がはいってきた。 彼女はさっきとは別の普段用の、 それでも同じように優美でみずみずしい服装をしていた。 【藤沼訳】73頁 公爵夫人リーザが入ってきた。 彼女はもう別の、ホームウエアだが、 同じようにエレガントで、真新しい服を着ていた。 【英訳】 The princess came in. She had already changed to a house dress, but one just as elegant and fresh. 【米川訳】は無難でイメージし易い。 【北御門訳】はなんかなぁ。 【藤沼訳】はどうなんだろうね? 違うんじゃないのかね。 house dress をホームウェアと訳すくらいなら そのままはハウスドレスにした方が良い それが日本の読者に分かりにくいと感じるのなら 自宅用ドレスとでも意訳するとか >>38 ぼくは「刺繍」だと思いますよ。 帝政ロシヤの貴族の女子は教養として「刺繍」を習っていたそうです。 革命でパリに亡命した貴族女性は食うためにファッション業界にうって出た。 そのときに「ロシヤ刺繍」の技術が役立ったそうです。 米川正夫は確信をもっていたと思います。 読者に解りやすいように翻訳したのでしょう。 「編物」とした翻訳者はそこまで考えていたとは思えません。 【米川訳】55 頁 ナプキンから銀製の器、磁器、ガラス類にいたる一切のものが、 新夫婦の家庭によくある特殊な新鮮さを輝かしていた。 【北御門訳】30頁 ナプキンから銀の器、磁器、ガラス製器具に至る一切のものが 新夫婦の家庭によく見受けられる特殊な新鮮さの烙印を帯びていた。 【藤沼訳】79頁 ナプキンから、銀や陶器や、ガラスの食器にいたるまで、 なにもかも若夫婦の所帯によくあるように、新しさがひときわ目立っていた。 【英訳】 Everything from the napkins to the silverware, china, and crystal bore that special stamp of newness, that is found in the households of the recently married. >>42 の【藤沼訳】で「真新しい服」と訳したのは >>47 と呼応しているのだと思います。 この翻訳は納得できません。 >>46 >ぼくは「刺繍」だと思いますよ。 >帝政ロシヤの貴族の女子は教養として「刺繍」を習っていたそうです。 英訳を参考にするのなら 刺繍が施されているのはベルベットのバッグであり それにhand work を入れて歩み寄ってきた hand workは手内職くらいの意味だけど アパレルでは手編みくらいの意味で使われる それがレースなのかセーターなのかは分からないけど もっとも貴族ならレースの可能性が高いけどね 「ニコライ・ロストフ」と「ヴェーラ・ロストワ」の続柄。 【米川訳】【藤沼訳】では ヴェーラはニコライの姉。 「ニコライ・ロストフ」は大学生。 「ボリース・ドルベツコーイ」は青年士官。 ふたりは同い年。 「ナターシャ・ロストワ」は13歳。 「ヴェーラ・ロストワ」は4つ年上だから17歳。 「ソーニャ・アンドレーエヴナ」は15歳。 伯爵夫人「ナターリヤ・ロストワ」は45歳で子供を12人産んでいる。 どう考えても 「ヴェーラ・ロストワ」は「ニコライ・ロストフ」の姉ではない。妹だ。 【北御門訳】巻頭の「登場人物紹介」では ヴェーラとニコライの続柄は示されていない。 正しくは「石」なんだけれど、「右」となっている。 草稿 ⇒ 清書原稿 ⇒ 活字拾い どの段階で間違えたのかな? 併読の愉しみがある。 『戦争と平和』 【米川訳】と【北御門訳】は似ていて、細部の対比も面白い。 『アンナ・カレーニナ』『復活』 【木村訳】の人名は原文に忠実。 【北御門訳】も同様。 細部の対比も面白いだろう。 『戦争と平和』 【米川訳】と【北御門訳】は似ていて、細部の対比も面白い。 『アンナ・カレーニナ』『復活』 【木村訳】の人名は原文に忠実。 【北御門訳】も同様。 細部の対比も面白いだろう。 もちろん! レフ・トルストイの3大長編、ドストエフスキーの5大長編は 人間として必ず読むべき作品。 ドスト3大小説は読んだけど、読み始めるまでが大変だよなあ 長編だとゆっくり読んでるうちに品切れになったり装丁が変わったりするから、全巻揃えないといけないし ドストエフスキーの3大長編って罪と罰、カラマーゾフの兄弟とあともう一つは悪霊? おれは『白痴』だと思うけれど、『悪霊』を推す人も多い。 面倒臭いから5作品全部読んだ。 ドストの5大長編って残りの一つが思い浮かばなかったんだけど『未成年』なんだな。 他のは何度も読んだけど、これだけ一度も読んだことなかった。 本自体売ってなかった時期も長かったような。 漱石、トルストイに続いて未読があるとはラッキーだ。 トルストイの3大長編って戦争と平和、アンナカレーニナとあとは何?復活?(復活は読んでない) 戦争と平和というけと一つの主体で経験できるわけじゃないことがトルストイの 勘違いで、戦争民族と、平和教徒の対兵的文学を人間以外を中心に昔ながらに模索すべきでしょう。 >>67 >おれは『白痴』だと思うけれど、『悪霊』を推す人も多い。 「3大長篇」と絞り込んだ場合、 「罪と罰」と「カラマーゾフの兄弟」を2つとするのなら 残りの1つは「白痴」にしないとテーマ的にうまく繋がらない とくにカラマーゾフ理解には前提条件として「白痴」読解が必要 というか3つに絞り込むのは無理がある やはり5大長篇として理解すべき 第一部から読み始めた。 新潮文庫には人物一覧がないんで、近所の図書館で文学全集のやつをコピーした。 とりあえずアンドレイとピエールを追っていけばいいのかな 会話の中で「<ねえ、いかがでございます、公爵。>」みたいに< >で囲ってあるのは一体何だろう? たぶん、ロシヤ語原書でフランス語の部分だと思われる。 ピエール・ベズゥホフ、 ニコライ・ロストフ、 アンドレイ・ボルコンスキイ、 ナターシャ・ロストワ、 マーリヤ・ボルコンスカヤ、 エレーナ・ワシーリエウナ 当時のロシヤ貴族はロシヤ語よりフランス語の方が得意だった。 なるほどフランス語の話がチラチラ出てましたね 始めの方、サロンの女主人が場の雰囲気を盛り上げようとあれこれ気を配ってるのが面白い 新潮文庫の表紙は晩年の作者だが、実績に執筆したのは30代なんだな 勘違いしてた 疑問点のある翻訳がいくつかある。 そのうちに列挙するね。 wikipedia(日本語判)の末尾にテキストのリンクがありますよ >>80 ありがとうございます! однообразно-разнообразными どう翻訳すればよいのかわかりません。 どなたかご教示ください! ごめん。 大事な単語を忘れていました。 однообразно-разнообразными лицами На перинах сидела женщина с грудным ребенком, старуха и молодая, багрово-румяная, здоровая девушка-немка. 読みにくいからやり直し На перинах сидела женщина с грудным ребенком, старуха и молодая, багрово-румяная, здоровая девушка-немка. >>84 の文章中に何人いるのか?ということ。 【米川訳】【北御門訳】では3人。 【藤沼訳】【英訳】では4人。 4人のほうが納得できるんだけどさ。 >>84 は【米川訳】第1部第2篇第7章の第3段落 羽ぶとんの上には乳呑児をかかえた老女と、 頬の紫色に見えるほど赤い、 丈夫らしい若いドイツ娘が坐っていたが、…… 【北御門訳】第2編第7章第4段落 乳呑児を抱いた老女と、 頬が深紅色の、若い、健康そうなドイツ娘とが羽蒲団の上に坐っていた。 工藤訳は乳飲子を抱いた女と、老婆と、・・・ドイツ娘が(p326) ドイツ人の百姓が引いてる荷馬車に乗ってる家族の話なんで、ドイツ娘ってわざわざ言うのも変な感じ? 【藤沼訳】第1部第2篇第7章第3段落 羽ぶとんの上に乳飲み子を抱いた女と、老婆と、 若くて真っ赤な、血色のいい、健康そうな、年頃のドイツ人の娘が座っていた。 【英訳】 A woman with a nursing baby, an old woman, and a young, healthy German girl with purple-red cheeks were sitting on featherbeds. >>82 は 【米川訳】第8章第2段落 ・・・・・・単調でしかも複雑な顔を含んだ中隊全部が、・・・・・・ 【北御門訳】 ・・・・・・、似たような顔をした中隊全員が・・・・・・ 【藤沼訳】 ・・・・・・、同じようで、それぞれ別の顔の中隊全員が、・・・・・・ 【英訳】 ……, with all their similarly dissimilar faces,…… 要するに、 「……色んな顔立ちの中隊全員が同じような表情で、……」 だと思う。 第1部読了(工藤訳p260まで) 読みどころ ・熊と一緒に運河に投げ込まれた警察署長の話 ・遺言書をめぐるワシーリイ伯爵とアンナのやり取り アンナは息子の件で伯爵の世話になってるのにひどすぎる ワシーリイはアンナの父親に世話になっているからお互いさま。 ワシーリイは狡猾な奴。 ボリスはアンナのなりふり構わない懇願のおかげでいいスタート切れるのに 母親の必死さを嫌がってるのがいかにもプライドの高い若者らしくて面白い 【ロシヤ語原文】 Ночь была темная, звездная; 【米川訳】 暗い星月夜であった。 【北御門訳】 暗い、星月夜だった。 【藤沼訳】 その夜は闇夜で、星が降るようだった。 【英訳】 The night was dark, starry; >>96 工藤訳だと まちまちの顔に同じような表情を浮かべた全中隊が(334) 戦闘シーンはどうも意味の取れない文が多い >>93 そのあとに、 兵士たちの話題はこの二人の女の品定めに限られてしまった(工藤訳) という部分との整合はどうでしょう? >>107 従軍してるから殺人は経験しないですむほうが不自然だろうね 当時の戦争なら強姦もありうるとは思うが… >>109 どこに書いているかはそもそも知らないばかりか その引用がどこで誰からのものだったのかも忘れてしまいました つい10日以内に目にしたものなのですが 後で気になってきて知ってる人がいるのではと書き込んだのです 若いころにはあらゆる罪悪の味を知り、殺人さえ犯したというトルストイが、キリストの教えを、文字どおりに守ろうとしはじめた。 カーネギー「人を動かす」p324にあるそうです。出典にはなりませんが 一口に殺人っても戦場で、決闘で、喧嘩で、とか状況によるよなあ 殺人はまあ戦争では当たり前にあると思うのだけど 強姦も時代が違うから そう問題にならない感じなのかな 日本では強姦魔が1000円札になってたくらいだからな…… 第二部読了(工藤訳P562まで) 戦闘シーンが続く 当時の軍制はどうだったのか フランス軍には祖国を守ろうとか遅れた他の国を改革してやろうといったモチベーションがあったと想像するけど、ウィーンで闘ってたロシア兵は何考えてたのかな 脇役ながら気になる人物。 ドローホフ、ビリービン、トゥーシンあたりはこの後も出てくるのかな 岩波の藤沼訳はちょいちょいコラム載せてて軍制にも言及してたよ あと、ドーロホフは出番たくさんある そうか私が引っかかていたのはトルストイに、 大きな影響というだけでは明らかに足りないぐらいに人生を変えられた北御門二郎が、 満州において藁切り機で現地人の首を笑って切り落とす軍人の写真と、 それを面白げに見せてくれた婦人にショックを受け、 死刑覚悟で徴兵拒否したこととの違和をどこかで感じていたからなのだ ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
read.cgi ver 07.5.1 2024/04/28 Walang Kapalit ★ | Donguri System Team 5ちゃんねる