ぼくは何度でもゾシマを引用する。しかも同じ箇所だ。なぜなら、ひじょうに重要な思想
があるからだ。
これは日蓮大聖人の思想とイメージ的に極度に似ているのだ。

(I)地獄 地獄の火 神秘的考察

諸師よ、『地獄とはなんぞや』と考察する時、私は次のように解釈する、『すなわち、も
はや愛し 能わざる苦悩である。』

時間をもっても空間をもっても測ることのできない無限の世界において、ある一つの精神
的存在物は、地上の出現によって『われ有り、故にわれ愛す』という能力を授けられた。

彼は実行的な生きた愛の瞬間を、一度、たった一度だけ与えられた。これが即ち地上生活
なのである。それと同時に時間と期限が与えられた。

ところが、いかなる結果が生じたか? この幸福な生物は限りなく貴い賜物を 拒んで、尊重
することも愛好することも知らず、嘲笑の眼をもって眺めながら、最後まで無感覚
のままで押し通した。

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1,一度、たった一度だけ与えられた

2,それと同時に時間と期限が与えられた

ぼくは若いときから、まいどこの箇所を読むとき感動を禁じ得ない。レイワのいまこの瞬間、印象に残ったのは、上の2つの表現だった。