0610吾輩は名無しである垢版 | 大砲2019/06/10(月) 00:34:29.28ID:NbwzzqHR ことに、彼が満面照り輝いて胸のときめきをとどめ得なかったのは、長老に会って祝福を受 けるためにロシアの全土から流れ寄って、庵室の門口で待っている平民出の巡礼の群へ、し ずしずと長老が姿を現わす時であった。 彼らはその前へ打ち倒れて、泣きながらその足に口づけし、その足の踏んでいる土 に口づけし、声を上げて 慟哭した。また女房どもは彼の方へ子供を差し出したり、病める 狂い女を連れて来たりする。